みんな大好き陰謀論

著者 :
  • ビジネス社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828421995

作品紹介・あらすじ

倉山 満氏推薦!
本物の陰謀が、ここにある。本物の教養を知っているから、真実の歴史がわかる。


【騙されやすい人のためのリテラシー入門】
本書は、陰謀論がなぜ世の中を席巻するかを、その代表的な存在といってもいいユダヤ陰謀論から読み解こうという本です。
陰謀論好きな人は、例えばこの日本でも国政選挙で自民党が勝利を続ける裏には、投票用紙の交付機、読取分類機を提供する企業、ムサシが電通と結託して不正な手段で選挙を動かしている、と主張したりします。しかし、2009年の総選挙で自民党が下野した時も、ムサシの機械が使われていたことからも、ムサシ陰謀論は識者からは相手にされません。我々の誰もが、こういった陰謀論に与し易い性格を持っていることは否定できません。ただ、それが趣味の範囲を超えて、社会的な影響を及ぼすようになるとユダヤ陰謀論がナチスのホロコーストに導かれる畏れを常に持っているのです。
そこで、本書では、いわゆる元祖陰謀論とも言えるユダヤ陰謀論の代表的なものを上げて、実際はどうだったのかを検証します。最近の、英国のブレクジットはロスチャイルドの陰謀である、昔からよく言われるアメリカのFRBはユダヤが握っている、共産主義はユダヤの思想である、ソ連はユダヤ人が作った、コミンテルンはユダヤによる世界支配の手段だった、などなど。全ては、まことしやかに語られ、実際にそれを信じている人たちは世界中にかなりの数で存在します。これは、思想の右左を問わずに、反ユダヤ主義として世界を席巻するほどです。
まずは、反ユダヤ主義の歴史を学び、陰謀論の起源を克明に読み取り、危うい我らの知識を再構築するための本と言っていいでしょう。その底には、厳然とあるキリスト教社会のユダヤ差別を歴史的に実証して、陰謀論が寄ってくるには、その差別意識こそが遠因であることがわかります。
まずは、わかりやすく面白い陰謀論のリテラシーを高めて、騙されやすい「人の感情」を意識することが、陰謀論に対処する方法です。この本で、事実に対する冷めた目を養えるはずです。


あなたは大丈夫? 賢い人ほどダマされる!
無自覚で拡散される負の連鎖を断ち切ろう。
まずは定番、ユダヤの陰謀論を叱る!!

感想・レビュー・書評

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  • 世界に蔓延る様々な陰謀論かと思いきや、ユダヤの過酷な歴史の本だった。
    アウシュビィッツだけでなくロシアを始めてする東欧諸国でもポグロムと称する迫害が吹き荒れていたこと。
    ユダヤ陰謀説を池上彰やオリラジ中田敦彦らの著名人が採用していることへの安易な追従に警鐘を鳴らしているなど勉強になる部分が多々あった。

  • 陰謀論というか歴史についての書。歴史大事。
    切手が要所要所に出てくるなあと思ったら、著者が切手な人だった。

  • 歴史を丹念に読み解く形でのユダヤ陰謀論に反証していく形をとっており、「なぜ陰謀論なのか」=デマなのか、その理由と考え方がよく分かります。

    項目によって「○○であるため絶対に違うとは言えないが可能性は低い」といった結論が導き出される点からも、歯切れのいい主張を目的にしてるわけではなくあくまで事実を論理的に積み上げてるのが分かります。

    世界史の復習にもなり良書であると思います。

    ユダヤ以外の陰謀論、たとえば人工地震発生装置だとか戦争の裏の目的、のようなネタの反論も知りたいところですが、それらは歴史という切り口だけからは結論を導き出せない(科学、経済、軍事、国際関係などの他分野知識が必要)と考えられるためやむなしでしょう。

  • 賢い人ほど騙される、ユダヤの陰謀論。
    笑い事ではすまされない「陰謀論」の非常識。
    英国のEU離脱はロスチャイルドの陰謀、アメリカのFRBはユダヤが握っている、共産主義はユダヤの思想、ソ連はユダヤ人が作った、コミンテルンはユダヤによる世界支配の手段、東欧のユダヤ人はハザール改宗ユダヤ人の末裔!?
    「裏の裏」を読むリテラシーを身につけよう。
    人は簡単に騙されますね。

  • ●英国のEU離脱はロスチャイルドの陰謀
     ○反ユダヤ主義には右と左がある。排外主義に走る極右、ナチスドイツなど。左は「人間は平等である.合理的なものに積極的に変更すべき」と考える人々。社会主義者・共産主義者。
     ○いずれにせよ、ロスチャイルド家はユダヤ人ですが、その中でもマイヤーとネイサン父子が突出した存在であったと言うべきで、それを一般のユダヤ人に敷衍するのは「日本人はみんな空手や柔道の達人だ」といった誤ったステレオタイプを信じるようなものです。
     ○トランプが新イスラエル政策を取るのは、むしろ福音派の人々が強烈なイスラエル贔屓なので、その主張を取り入れると考えた方が自然。
    ●アメリカのFRBはユダヤが握っている
    ●共産主義はユダヤの思想
    ●ソ連はユダヤ人が作った
    ●コミンテルンはユダヤによる世界支配の手段
    ●東欧のユダヤ人はハザール改宗ユダヤ人の末裔

  • 大変勉強になりました。恥ずかしながらユダヤの陰謀に関しては知らないことが多く、東欧諸国での反ユダヤ主義に関しては大変重要な事実でありながら、殆ど知らないことばかりでした。最近では、若い人の間で共産主義について、よく知らないという声を耳にしたこともあります。本書では共産主義の成り立ちなどについても紙幅を割いて説明されているので、とても勉強になると思います。

  • 前書き除いてぜんぶユダヤの話。

  •  主に(というか全部)ユダヤに関する陰謀論の話だった。自分は世界史の知識がまだまだ浅いので読んでもあまりピンとこなかった部分も多かったが、「戦場のピアニスト」のようなユダヤに関連する映画なんかはこれからもっと面白く観られるようになった気がする。色々勉強してみた上でまた読み直したい一冊。

  • 世界はユダヤが裏で操っている!はウソ。

    かなりマニアックだが、いろんな事実の積み重ねから、丁寧に説明されていた。

    最後のオリラジ中田のウソ動画を、バッサリ切っているのは、痛快だった。

    中田さんシンガポールに移住するみたいだけど、気をつけないと。。。

  • ユダヤ陰謀論をしかる本。私は個人的にはユダヤの陰謀興味ない人だけど、初期のアメリカが銀行嫌いで、60年以上中央銀行がないことを知って驚きました。

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著者プロフィール

1967年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。郵便学者。日本文芸家協会会員。切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を提唱し、研究・著作活動を続けている。

主な著書
『なぜイスラムはアメリカを憎むのか』(ダイヤモンド社)、『中東の誕生』(竹内書店新社)、『外国切手に描かれた日本』(光文社新書)、『切手と戦争』(新潮新書)、『反米の世界史』(講談社現代新書)、『事情のある国の切手ほど面白い』(メディアファクトリー新書)、『マリ近現代史』(彩流社)、『朝鮮戦争』、『リオデジャネイロ歴史紀行』、『パレスチナ現代史』、『チェ・ゲバラとキューバ革命』、『改訂増補版 アウシュヴィッツの手紙』、『日韓基本条約 シリーズ韓国現代史1953-1965』、『アフガニスタン現代史』、『龍とドラゴンの文化史』(えにし書房)、『みんな大好き陰謀論』(ビジネス社)、『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』(扶桑社)、『世界はいつでも不安定 国際ニュースの正しい読み方』、『今日も世界は迷走中』(ワニブックス)、『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』、『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』、『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.3 平成・令和編』(日本郵趣出版)、『誰もが知りたいQアノンの正体(みんな大好き陰謀論Ⅱ)』、『本当は恐ろしい! こわい切手』(ビジネス社)、『現代日中関係史 第1部 1945-1972』(日本郵趣出版)、『現代日中関係史 第2部 1972-2022』(日本郵趣出版)。

「2024年 『キュリオマガジン2024年3月号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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