- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784828813172
感想・レビュー・書評
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子供の頃に読んだ本
内容こそ覚えてないがタイトルは今でも忘れない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
放射能に汚染された世界で生き残ってしまった子ども、というと前に読んだロバート・C・オブライエンの『死の影の谷間』を思い出した。あれもきつかったけれど、こちらはまた違った恐ろしさを描いている。自分だけでなく弟も守らないといけない、そしていくつかのコミュニティが存在する中で生き延びなければならない。リアリティのある絶望がたたみかけるように襲ってくる。それでも生きている限りは生きなければならない、ことが恐ろしかった。
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中学生向きの「核戦争」物語だった。
夏休みのある暑い日のこと。
野原で雨宿りをしていた主人公ダニーは、突然ものすごい閃光を見る。
それは、ダニーの国、イギリス中あちこちにとびかった核ミサイルが地に落ちた閃光だった。ミサイル発射は、何かの間違いだったのかもしれない。でもボタン一つ押されたためにその国は地獄となった。
第1の地獄、火炎地獄。
まず火に焼かれて死ぬものが続出。最初の一撃で亡くなったものもいれば、そのあとの残余放射能で死んでいく者もいた。ダニーと弟、ダニーの父は運よく生き延びたが、生き残った者には、さらに辛い現実が待っていた。
第2の地獄、野蛮人化する人々
ひと騒動すめば、今度は生き残った人々の間で、食料を求めての略奪や殺し合いが始まった。ダニーが出合った少女キムも運よく生き延びた一人だったが、紳士的な態度をとるダニーに対して、きわめて現実的な言葉をかけたのだ。
「紳士なんて、もう古い。今は野蛮人の時代なのよ」
野蛮人たちは自分の身を守るために情け容赦なく弱い者から物品を奪い、殺していくのだ。
第3の地獄、原爆病の恐怖
ダニーと近所の人たちは小さな集団をつくり待ちのような組織をつくって、荒れた土地に野菜を植えるが、収穫物は汚染された奇形野菜だった。
残留放射能の影響か、奇形の昆虫や植物、人間の赤ちゃんも生まれた。原爆病も続出してくる。これでは農作物が取れない。そしていつかは自分たちも原爆病になるかもしれない。ダニエルが途方に暮れる中、一緒に生き延びた弟が原爆病で亡くなった…。
核戦争のその後について、わかりやすく描いた物語だ。
舞台もイギリスで同じ島国にすむ日本人としては、親近感を覚える。日本が原爆を浴びたのはもう半世紀以上も昔だが、今でも原爆症は残っている。もう二度とこのようなことがあってはならない。
そんな日本人の悲痛な叫びを代弁してくれるような一冊だった。 -
幼い自分に衝撃を与えまくった作品。
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もし、自分の町に核爆弾が落ちてきたら。これまでの幸せな生活も、家族も友人も人の絆さえもが消えていく。退廃した世界の始まり。今もどこかの国で戦争がおこって、どこかの国がミサイルなんぞを発射して強気になっている。でも、考えてほしい。それで何が得られるのかと。これは若い世代に読んでほしいかも。。
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ある日突然戦争が始まり、自分の町に核ミサイルが落ちたら・・・これは核戦争を題材にした小説です。場所は近未来のイギリスです。何の予告もなく核ミサイルが落とされ、一瞬のうちに町は破壊されて多くの人々が亡くなりました。ダニーは運良く爆心地から離れたところに遊びに行っていたので助かりました。何日待っても政府の救助隊がやってくる気配もなく、荒れ果てた町をダニーは弟と一緒に何とか生き延びようと頑張ります。しかし、放射線の影響が弟に現れ、育てていた作物も根っこが腐り、仲間たちの希望だった赤ちゃんも生まれてすぐに死にました。
もし戦争や災害が起きたとしたら、私たちは『誰かが助けに来てくれるんじゃないか』そんな風に考えてしまいそうではないですか?ダニーもそう思っていました。自分の町に核が落ちたノア何かの間違いではないかと。でも、救助がやってこない。だから、どの国もこんなぼろぼろの状態なのだと気づくようになります。
核の恐ろしさはもちろんのこと、極限下に置かれた人間がとる行動についても考えさせられる1冊です。中学生くらいの年齢の子に読んでほしい1冊です。
ロバート・スウィンデルズの作品





