ショート・サーキット

著者 :
  • ベネッセコーポレーション
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828823485

感想・レビュー・書評

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  • 「渡良瀬」前日譚というふうに読めるけれど、作品単体だとどうだろう。ここまで電気工事にのめりこむ主人公を理解しきれない部分はあるかもしれない。表題作の「ショート・サーキット」は(短絡事故という意味らしい)、「ア・ルース・ボーイ」と「渡良瀬」のちょうど真ん中に位置する作品で、どっちにも振れ切ってない曖昧な時期を描いたものだという印象がある。もちろん私小説だという認識で作者の背景ありきで読んでしまえば気にならなくなるし、知れて嬉しい。
    ふたつめの話である「プレーリー・ドッグの街」がいちばん好きだった。主人公と電気工仲間と家族以外に娼婦という要素が入ってき、その交流を読んでいくのがたのしい。そしてかなしい。読んでいるときに自分の感情がどう動くかをはっきり見れたのがこの作品だった。ただこの作品にそれ以上はないのだろうけれど。

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著者プロフィール

1959年、宮城県生まれ。84年、「木を接ぐ」により海燕新人文学賞、91年、「ア・ルース・ボーイ」で三島由紀夫賞、「遠き山に日は落ちて」で木山捷平文学賞、『鉄塔家族』で大佛次郎賞、『山海記』で芸術選奨・文部科学大臣賞文学部門を受賞。ノンフィクションに『アスベストス』、エッセイに『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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