狂人日記 (福武文庫 い 402)

著者 :
  • ベネッセコーポレーション
3.69
  • (5)
  • (12)
  • (15)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 95
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828832760

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 切実過ぎて息が止まってしまい、息継ぎのために読むのを中断してしまうような読書になった。主人公は狂人という設定だけれど、テーマは狂いではなくて人とつながりたい気持ち。主人公は病気だから何の留保もできなくて、自分をのぞき込み続けて追い詰められていく様が苦しかった。

    彼はもともと愛情深くて、そのせいでいっそうの生き辛さを抱えていた。家族でも彼女でも、きちんと向き合おうとし過ぎて袋小路に入ってしまって、もっと適当でいいのに、歯がゆくてたまらない。でも、誰でも心の奥のほうに彼みたいに震えている自分を持っているのではないか。めったに確認しなくても。

    最後の二ページが胸に刺さった。そこまでする?というショックと、究極的には自分だってそうするかもしれないという不安。動揺した。

  • 色川武大が『麻雀放浪記』の作者、阿佐田哲也と同じ人ということを知っている、という人は相当な本読み。そして、そのペンネームが“朝だ、徹夜だ!”からつけたことも…。
    そんなの常識と言われればそれまでだが、じゃあ、色川武大の作品はというと意外に読んでいる人は少ないのでは?色川は78年『離婚』で直木賞をそして、この『狂人日記』で読売文学賞を受賞した作家である。『狂人日記』は色川の純文学者としての代表作である。
    僕が以前から読みたかった本のひとつであったが、古本屋でなかなか見つけることができず、気長に探していたところ、ようやく発見、即購入、一気読みとなったわけである。この本が書かれた時、色川は相当な心神耗弱状態にあったと言われ、実際に幻聴・幻覚にたえず悩まされていた時の執筆であったらしい。作品のテーマとして一貫して流れていくのは<孤独とつながり>そして、人間に対する限りない真実の優しさである。

  • 一人相撲が最高にファンキー!

  • 2008年3月18日(火)、読了。

全5件中 1 - 5件を表示

色川武大の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
梶井基次郎
ポール・オースタ...
ウィリアム・ゴー...
フランツ・カフカ
三島由紀夫
ジャック・ケルア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×