僕はかぐや姫 (福武文庫)

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感想 : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828832791

感想・レビュー・書評

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  • 2019/4/3(水曜日)

  • 短編がふたつ入っていた/ 僕はかぐや姫+人魚の保険/ 僕はかぐや姫は、僕っ子のリアルな一面なのだろうか/ 男でなく、かといって女であることも当たり前に受け入れられない女子高校生の選んだ一人称が僕/ とてもかわいい/ ライ麦がほんの少しだけ話題に上ったが、ライ麦的であるともいえるんじゃないかな/ 世の中のシステムに馴染みたくない若者の戦い/ 人魚の保険はバブル期の調子づいた女の感じがよく出ている/ 今の時代にあんな生き方している奴はそんなに多くはないだろうし、いたとしても貧乏だろう/ 優雅な生活送りながらくだらないことに悩んでいる純文学/ しかし未来の日本の予言が凄い/ 1991年(バブル崩壊前)に2015年のことをここまで予測できたのだろうか/ 知識階級と若年層の大量海外脱出(日本で高額税金を払うくらいなら海外へ)・中国の復権・出生率の低下・大和民族優越論の横行(移民問題がこれに拍車)、そして当然とも言えるがバブルの崩壊/ 人魚の保険はバブル崩壊後の世界が想像もつかない時代に書かれていることに、その時代のリアルな独身女のありようがわかってメタ的にも面白い/ 高級マンションに一人暮らしで「この部屋を貸せば食うに困らないからそのお金で一生海外生活をしようかな」的な/

  • 「すべてのものはいつかは終る。終わらせたくないという、その気持ちが恋だ。」(p.194)

  • 「僕はかぐや姫」★★★★★
    「人魚の保険」★★★

  • ◆表題作を読了。それ以降はどうも馴染めずに断念。

    ◆男でも女でもない「ぼく」が女性になるお話。女子高に通う「ぼく」にとって、女性らしさというものは、おぼろけだけれど巨大な脅威だった。そして「ぼく」自身も、それを受け入れざるを得ない現実があることをどこかで理解していたのだと思う。

    * 感想 *
    ◆滅多にないことなのだけど、さっぱり分からなかった。文章は分かるけれど心情がさっぱり分からない。女性らしさに対する悩みと、自分らしさに対する誇りを、理屈という殻をかぶることで一生懸命に守ろうとしているようにしかみえなかった。

    ◆だれもが読んで感じるであろう疑問のひとつは「何故”かぐや姫”なのか」。わずらわしい人間関係や、女性らしさなどという社会的な圧力から解放されたいということか。

    ◆「本を開いただけで苦しくなった」という部分は、間違いなくバカにする人がいるだろうなと思っていたのですが、案の定、某掲示板で揶揄されているのを見かけて、不覚にもニヤっとしてしまったので記録しておきたいと思います(バカにしているわけではありません)。


    「<ホリエモン>を見た?」
    「……うん。泣いた、僕」
    「ライブドアが……もちろん、株の事なんて半分もわからないんだけど……テレビをつけただけで痛々しくなって……」
    「<想定の範囲外><通説の流布>……ホリエモン達をひとことで殺す文句だ」

  • はやく迎えに来ないと、大人になっちゃうよ。

    ピーターパンになりたいと思ったことはあるけど、
    それを日本的に言うと、かぐや姫なのかもしれないなと思った。
    でもピーターパンもかぐや姫も、最後は恋をする。

    絶版なのがすごく惜しいと思う。
    目立たないけど、意外とたくさん薄暗くうずまいているこういう青春を、うまく表している。
    性を遠ざける青春。
    理解できない人にこそ読んで欲しい。

  • 表題作の他に「人魚の保険」という作品も入ってました。「僕はかぐや姫」は、多分高校生ぐらいのときに読まないと共感できないんじゃないか、と思いました。「人魚の保険」は、最後がちょっと唐突だった印象。

  • 主人公は高校3年生の文系女子。読書家。数学ができない。高潔で透明な「僕」という一人称を使う。
    わたしとそっくりだなあと思って読み始めたら、ぐさぐさと、鋭く刺さってくる言葉たち。
    なんだろう、この感覚。
    まるで細かく砕けたガラスの破片に、掌を落ちつけたような。そんな痛み。
    レトリックも好き。本当に、言葉を飾りとして使っているところとか。

    未だにわたしのこころを捉えて離してくれない作品です。

  • センター試験の過去問で知った「僕はかぐや姫」を図書館で借りて読んだ。作者が筑波大出身者だったのも大きな関心となった。

    高校3年生だった当時、共感とまでは行かなかったがすごく理解できる所があって、たしか過去問も全部あっていたのをよく覚えている。自分も女子校に通っていたし、一人称が「僕」の人も何人も知っていた。そういった人達の一人称はふらついていることが多かった。言葉で表すことは出来なかったけれど、その人達がなぜ僕を名乗るのかは心の底ではわかっていたように思う。

    「僕はかぐや姫」は、おおまかに言えば、17歳の女子高校生が18歳になり、自分を模索しながら大人になっていく過程を描いた作品のように感じられた。主人公の千田裕生は最終的に「僕」を手放す。手放すというより、出て行ってしまうと言ったほうが正しいかもしれない。空いた隙間に「わたし」が入り込み、そうやって大人になっていくのだと、自分もそう思う。

    「人魚の保険」は、オーストラリア男性の視点で描かれている。日本人女性への憧れ、地震の恐怖など。最後に彼の心はオーストラリアへと戻っていく。

  • あっさり読後感。「かぐや姫」の方は、世界観や登場人物の一人一人に魅力を感じるので、もっと長編にしてほしかったような気がするが、それはそれでいいのかもしれない。なにより廃版になってしまったということで、手元に置いておけない(高い)のが残念。よみたくなったら図書館でまた借りよう。

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著者プロフィール

1990年『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞。92年『至高聖所(アバトーン)』で芥川賞。他に自身の茶道体験を綴った『ひよっこ茶人、茶会へまいる。』、武家茶道を軸にした青春小説『雨にもまけず粗茶一服』『風にもまけず粗茶一服』『花のお江戸で粗茶一服』、古典を繙く『京都で読む徒然草』などがある。

「2019年 『夢幻にあそぶ 能楽ことはじめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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