- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784828840130
感想・レビュー・書評
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読み返し。ナウシカやラピュタの原典?
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夏らしいうちに読み終わりたかったので、滑り込みセーフ。
読み始めてわかるのは、今の文明が亡びたあとの世界だということだけ。かつて、聖人になるために故郷を旅立った少年のモノローグが、天使と呼ぶ相手に語られるのだが、聖人を目指す目的が最後までわからず、物語に入り込めなかった。
一気に物語の階層構造が明らかになる最終章と、切なさが残るラストシーンが印象的だったが、いかんせん途中の道程が意味不明で長すぎた。
モチーフが似ているためかマイクル・コーニイ著『ハローサマー、グッドバイ』と対で紹介されることが多い古典的名作らしいが、こっちの方がやや玄人好みで、読む人を選ぶかも。
個人的には、断然『ハローサマー、グッドバイ』の方が好き。ブラウンアイズとワンスアデイを比べても、ブラウンアイズの方が好き(ところで続編はまだ出ないのだろうか)。
それにしても、(福武書店版の)裏表紙のあらすじは、親切すぎてネタバレ寸前。事前に読んでいたら明らかに興醒めしていただろう。 -
なんか面白い本読みたいなー、と思うとき私の頭の中に漠然とある「面白い本」を体現したよう。構造が単純でなくて、謎があって、何度読み返しても楽しめて、詩的で叙情的。珠玉の、という形容があるけれど、まさにそれ。または作中の「天使」が物語を収めるいくつもの切子面のある水晶のよう。
表紙の絵が素敵なのに画像がなくて残念。