スワン・ソング 下 (MYSTERY PAPERBACKS)
- ベネッセコーポレーション (1994年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (633ページ)
- / ISBN・EAN: 9784828840451
作品紹介・あらすじ
7年前までミズーリ州と言われた地に住む、スライ・ムーディの家を訪れた旅芸人の中に「ヨブの仮面」と呼ばれる腫瘍に顔を覆われた少女がいた。少女が触れたリンゴの木は、またたく間に生命を取り戻した。木に刻まれた彼女の名前は、S…W…A…N。"輪"に浮かぶ掲示に導かれるシスター達、ロシアの来襲を妄想し狂気の軍隊を進軍させるマクリン大佐とローランド、復興に向かう人びとの心を再び荒廃と狂気に引き戻さんと暗躍する「深紅の目の男」、あらゆる者たちの運命の糸が、次第にスワンのもとにより集められていく。世界の再生と破滅をかけた聖と邪の激突の行方は…。ホラーの枠を超えたマキャモンの現代の聖杯伝説はここに円を閉じる。
感想・レビュー・書評
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上巻読了後から2年弱、ようやく読み終える事ができた。スワンやジョシュたちと共に歩んだ、長い長い旅のゴールに辿り着いた気分だ。核戦争後のロードノベルものという事で大好物のはずだが、如何せん長い。聖書か何か宗教的なものを下敷きとした破壊と再生の物語だと思うが、スワンに備わった生命再生の力、また真紅の目を持つ男は一体何だったのか、種明かしをしてほしい訳ではないが、リアルとファンタジーの間でどっちつかずな印象が残る。とは言え核の冬を生き延びた人々に、希望の光が差し込む終盤は清々しい余韻に浸ることができる。
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設定が、今では考えられない米ソの核戦争後の世界。
ただ、冷戦時代より対立が複雑にそして世界的になっている今、全く荒唐無稽な話しとは言えまい。
マッキャモンは久振りに読了したが
、軽い読み口と救いのある結末で安心して読める。
馬鹿馬鹿しい話と思いながらも、ヒューマンドラマに魅せられ、新書サイズで1200ページを超える大著を、ほぼ一気読み。
いいキャラが多く、脇役にも捨てがたい人間が多い。人間だけでない、ミュールもキラーもいい。
不必要な挿話もある気がするが、まずは楽しめました。 -
面白かったなぁ〜。
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マキャモンの終末物の後編です。様々なキャラクターが集結し,最終的な対決に至る様は非常に面白いのですが,最後の方が少し盛り上がりにかけたかなと思います(全体的には面白かったですが)。再版してほしいものです。