エタシペカムイ: 神々の物語

  • ベネッセコーポレーション
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784828849157

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  • 海の大将、大きなトド
    弱いものいじめをしていた
    あるとき山の上の大きなヒグマの話を聞き、勝負に出掛ける
    ヒグマは静かに暮らしたいので最初は黙っていたが、トドが山で暴れて荒らすので、戦うことに
    取っ組み合いの喧嘩を長く続けて、食いちぎられた部分がそれぞれ小さなトドやヒグマになって飛んでいく
    何年も喧嘩をしていて疲れる
    お互いに体も小さくなってしまう

  • 「エタ(シ)ペカムイ」はトド(エタ(シ)ペ)の敬称。
    昔々、山のように大きかったトドの大将は、大海原に敵無しと驕っていた。
    乱暴者で弱いものいじめもするトドの大将の耳に、高い山のふもとに住む大きくて強いヒグマの噂が入ってくると、トドの大将は居ても立っても居られなくなり、川を遡ってヒグマに力比べを挑みに行く。

    アイヌの人々のカムイユーカラ(神謡)は神様の一人称で語られますが、本書も、前半のトド神は「わしは……」、後半のヒグマ神は「わたしは……」と、視点と共に一人称も変わります。
    強大な力を持ち、それを周囲に誇示したくてたまらない豪胆なトドと、平穏と調和を望みながら、それを脅かす者に対して力で応じるのもやぶさかでないヒグマ。
    全くタイプの違うカムイたちですが、その両方の目線を体験できるのが、本書の楽しい所だな、と思いました。

    ところで、ヒグマの肉とトドの肉は、人間には区別しにくい程よく似ている、とのこと。どちらもまだ食べた事がないので、機会があったら是非自分の舌で確かめてみたいなあ。

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