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- / ISBN・EAN: 9784828849461
感想・レビュー・書評
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オルファース最後の作品です。独特なタッチで描かれた「ねっこぼっこ」の作者が蝶々の国に誘ってくれます。
おいでよ おいでよ
ちょうちょうの くにへ
で始まるお話は、柔らかな日差しが降り注ぎやさしいそよ風の吹く庭で、さなぎたちが花を囲んで踊る場面から始まります。大人の蝶たちがそれを見守っています。まるで額縁のような木の幹と、葉っぱや蝶の透かし彫りも素敵で、花ざかりの庭の先には霞む山と淡い色の空が広がっています。
ほら ここは
いもむしあかちゃんの いる にわ
かわいい おくるみ きているよ
ちいさな ずきんも かぶってる
このはの つゆを のんでるね
詩のような文と可愛らしい絵に思わず魅入ってしまいます。
さなぎは上手に綱渡りもできるようになり、春がやってきました。
はるのひかりのおにいさんから素敵な羽をプレゼントされ、さなぎたちは蝶々になります。
しろいちょう きいろいちょう
あおいそらを とんでるね
りょうてを いっぱい ひろげてさ
ひらら ひらら とんでるね
沢山の蝶々が友だちになりにやってきました。蝶々に生まれて良かったとお祝いし、皆で帰って行く頃には日も暮れて。 手に手にちいさなたいまつを持って帰る姿がどこまでも長く続きます。
自然の中で生まれ成長していく蝶たちに向けられたオルファースのあたたかい眼差しが感じられる素敵な絵本です。作者は34歳の若さで亡くなられたそうです。1991年に福武書店から発行された「ちょうちょうのくにへ」は、2004年に「ちょうちょのくに」とタイトルを改め、新訳で平凡社から再版されています。
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図書館。オルファースの本を順番に読んでいる。この本は子どもたちも気に入ったよう。外でよく見かけるモンシロチョウ、モンキチョウ?が出てきたので親近感もあったのかも。短いのも良かったのかな。オルファースやベスコフの絵本は、子どもたちに受け入れられるものとそうでないのがある。うちの場合は。2020/8月