カナクのキセキ1 (富士見ファンタジア文庫 か 9-1-1)

著者 :
  • 富士見書房
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本棚登録 : 266
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829136041

作品紹介・あらすじ

千年前、マールと呼ばれる深紅の髪の魔女がいた。マールは、世界を放浪しながら"魔法"を人々に授けた尊き女性だ。魔法学校を卒業した僕・カナクは、ある目的を胸に秘め、彼女が大陸各地に遺した石碑を独りで巡ることを決意した、のだけど…。「とにかく、私はあなたの石碑巡りについて行くって決めたの!」学校一の魔法の天才にして美少女、そしてセレンディア公の娘と三拍子揃ったユーリエが、なぜだか突然ブチ切れ、僕の旅に同行することに。それは、甘く切ない恋の道のり、そして、思いがけない真実へと至る不思議な旅の始まりだった!胸震わす第22回ファンタジア大賞"金賞"受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 1000年前のアレンシア大陸に、暁の賢者マールと呼ばれる魔女がいました。魔法学校を卒業した少年・カナクと天才魔法少女のユーリエは、マールが大陸の各地に残した石碑をめぐる旅に出かけます。

    カナクには、一つの秘密がありました。彼が幻の種族・銀獣人だということです。一方ユーリエも、幼少時に養育施設に預けられてそこでカナクに出会っていたことを隠していました。しかし、旅が進むにつれてマールの残した石碑がユーリエの心理に呼応し、それとともに二人の心は接近していくことになります。

    やがて二人は、最後の石碑のある、闇種族の治めるジェド連邦にたどり着きます。ところがそこに、マールを「暁の賢者」として奉る信者たちを排斥しようとする連邦軍が攻撃を加えます。カナクとユーリエは最後の石碑にたどり着きますが、そこで連邦軍の襲撃を受け、カナクはユーリエのために銀獣人の姿をさらして戦ったあげくに、致命傷を負ってしまいます。ユーリエはカナクの命を救うために魔法アルヴァダーグを使い、そのために1000年前の世界へと飛ばされてしまいます。

    ユーリエが幼い頃からカナクのことを想っており、一方カナク幼少時から慕ってきたマールがユーリエだった、本書はそんな二人の純愛を描いた物語です。

    この主題はとても気に入ったのですが、ただ、一般的なライトノベルとは展開のスピードが違うため、少しもの足りない気分にさせられます。ふつうライトノベルでは、キャラクターの行動原理は人間関係を通じて醸成されてくるというより、キャラクターの設定から演繹的に導かれてくることのほうが多いのですが、それを読者に違和感を抱かせることなくシリアスな展開にもっていくために、キャラクターどうしのたわいもないやり取りに何巻か費やしています。ところが、本作は1巻の分量にカナクとユーリエの物語を押し込めてしまっているため、「物語」以前の「設定」の部分が、そのまま提示されているような印象を受けてしまいます。

    もう少し余裕のあるスピードで物語が進んでいたら、評価もまったく違っていたかもしれません。

  • 石碑を巡る旅に、初心な恋。
    数奇な運命を辿ることになったカナクとユーリエが、何を思い、何を感じ、どんな人生を歩むのか? それが知りたく全巻読みたくなりました。
    ReaderStore一巻無料利用。

  • 全体的にあっさりしてるのだけど、カナクとユーリエの旅はもう少しじっくり書いてほしかったし、展開も早々に読めちゃうのがなんとも…。でも、2人の旅の結末があんまりで、ここで終わるのはやりきれない。なので続き読む…。

  • 切ないお話。設定など少し物足りない。

  • 9784829136041 301p 2011・1・25 初版

  • とても深かった

  • はじめの方からこれはいつ面白くなるのだろう、まだかまだかと思いつつ最後まで読まされて落胆しただけだった。予想できる展開にどうしようもない最後。これを面白いと押した人もしくは編集は、続けて出る2,3も一緒に読んだのだろうかその上での評価なのかもしれないが。そうだったとしたら全部一冊にするなどの英断をするべき。
    3部構成のはじめがこれでは私は絶対に続きは読まないし、この作者の他の作品に手を伸ばしたいとは思えない。

  •  期待の新人と評価もなかなかでしたので試しに読んでみました。思ったよりも、いまいちだなと思いました。期待し過ぎというのと、自分の好きなジャンル違いかな?
     内容は、感動系?読んでいて、最後は悲しいけれどこれもひとつの形だよね!みたいな感じで少し、正直言えば似たようなので富士見ファンタジアでもあります。個人的には、黄昏色の詠使いシリーズとか・・ なので、内容的には、あまり大きな感動はありませんでした。
     それでも、文章はしっかりとしていて読みやすかったです。続刊も出るようなので、綺麗に終わらせただけに続きをどう持っていくのか機になるところです。

  • とにかくユーリエが可愛い。
    展開も読んでいる途中は若干強引かとも思ったが、一巻読了後に思い返してみれば、たいていユーリエの性格ということで説明がつく。
    登場人物が皆、感情豊かなので女性に勧めてみたい作品だ。
    途中で薄々感づくものの、最後で大きなどんでん返しがあるのはやはりおもしろい。
    この作品の特徴として、やたらめったら分かりやすい伏線を張っている。好きな人はそれが好きなのだろうが、自分は苦手だった。
    また、二つの話が同時に進んでいくのだが、良いところで切り替わってしまうので、CMを挟むテレビでも見ているかのようになるところは微妙だと思う。
    この内容で続きがあるというのは蛇足のような気もするが、三巻まで読んでみたところ意外と面白い。
    知られざる過去がグイグイと今につながっている。このまま全ての話が一つにまとまるのかと思うと、続巻が待ち遠しくはある。

  • 面白かったし,最後は切なくて苦しくなるんだけども。ただ,いかんせんあっさりしすぎというか。苦労の連続であるはずの石碑巡りの旅が,何の苦労もなく終わっているような感じなのが残念。あと,伏線が隠れていない,と言うかネタバレが早いので,かなり早い段階でラストが想像できてしまうのが残念でした。とはいえ,最後の石碑の言葉には涙があふれてしまいました。気になるのは,この作品,これで終わりではないらしいところですが。ここで十分に綺麗に終わっている気がするのですが。ユーリエもいないし,どんな作品になるか気になります。

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著者プロフィール

第22回ファンタジア大賞<金賞>を受賞した「カナクのキセキ」でデビュー。その他の著作に「天翔虎の軍師」(ファンタジア文庫)、「無免許魔女の推理ノート」(富士見L文庫)がある。

「2021年 『勇者の息子の超・商人道! 幼なじみが美少女魔王になって求婚してきたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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