- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829136393
作品紹介・あらすじ
「うそついてる。カナクさんは、まだ泣いてる」ネウの垂れ気味の瞳に見つめられ、僕はどきりとした。-"あの日"から5年。僕は、「マールの村」で神官として暮らしていた。ユーリエ。僕の愛。ダークエルフのネウは僕の揺れる心を心配してくれているけれど、僕は、彼女を想い、祈りながら生涯を終えようとしていた。そんなある日、意外な客人が…。一方、父親の命令で急遽辺境の長城に嫁入りしたレベッカは"影砲士"スフィアと出会う。シャイな夫がひとりで世界を守っていることを知った彼女は、"お嫁さん"として奮迅の働きを開始した!運命の恋と最強の愛が紡ぐ、ファンタジック・ラブストーリー。
感想・レビュー・書評
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ユーリエを失ったカナクの物語と、影砲士スフィアの妻となったレベッカの物語が、交互に展開される構成になっています。
マールの石碑をめぐる旅から帰ってきたカナクは、コルセア王国内のマールの村で神官の職に就きます。ダークエルフのネウに支えられながら日々を暮らす彼のもとを、盗賊団リュシオルファクルに所属するアルマという男が訪れます。彼は、コルセア女王オリヴィアの命を受けて、イストリアルからやってきた魔導師リーゼの誘いから、カナクを守るためにやってきたのでした。
やがてオリヴィアの予想していた通り、カナクの前にリーゼが姿を現わし、ユーリエを苦しみから救うことができると告げます。そのためには、カナクが「黒夢の魔王」となり、アレンシアの人びとの身勝手な欲望「黒夢」を集めなければなりません。ネウはカナクを引きとめようとしますが、ユーリエへの想いを断ち切れないカナクは、リーゼの誘いに乗ることを決断します。
一方レベッカは、夕闇の海からやってくる影の巨人を倒す任に当たっている銀獣人スフィアのもとに嫁いでくることになります。ところが、ガザラ王国の地下迷宮の探索がおこなわれるのと期を一にして影の巨人が頻繁に現われるようになります。影の巨人の活動を鎮めるために地下迷宮の探索をやめさせなければならないと考えたレベッカは、暗愚な国王ガザラ十八世を退けるクーデターを計画します。
しかし、巨人の進行を食い止めるために戦ったスフィアは倒れてしまいます。そのとき、地下迷宮から魔導師リーゼが姿を現わします。リーゼはスフィアを殺害し、レベッカも攻撃を受けて意識を失ってしまいます。約1年後、意識を回復したレベッカは、スフィアとの間に生まれた子どもにカナクと名づけます。その後彼女は、コルセア女王オリヴィアとなって、カナクの成長を影から見守ってきたのでした。
二つの物語がどのようにつながるのか読めなかったので、最後に物語が一つにつながったときにはあっと驚かされました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
9784829136393 337p 2011・5・25 初版
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後半がめちゃめちゃ面白くなった。一巻からの伏線の張り方と明かし方がたまらんですね。
二巻で評価跳ね上がりました。 -
ネウがカナクを一途に思ってる。かわいい。カナクの今後がどうなってしまうのか。レベッカはそうするのか。期待
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1巻の殴られたような衝撃は無かったものの、相変わらず構成が巧みで、しっかり計算されてるなと感じる物語。伏線がかなり多いが、世界観、ガジェットや表現などは軽めの日本製ライトファンタジーのお約束から大きく離れず、それほど特色が有るわけでは無いので、印象が薄れる前にまとめて読んだ方が面白いかも。