中の下! ランク5.上の下から旅立つオレ (富士見ファンタジア文庫 な 2-1-5)

著者 :
  • 富士見書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829136546

作品紹介・あらすじ

瀬木成道には野望があった。理事長になり、変態と蔑まれる己の学園を潰すのだ!…そう、そのはずだった。だが。-オレ、この娘のことが好きだ。成道は、ついに自分の気持ちと向き合ってしまった。それはつまり、理事長にはなれないかもしれないということ。おまけに、それぞれの想いの糸はこんがらがったまま…。ヴィーナスへの道のりが、こんなにも遠いものだなんて。果たして成道が選ぶのは、あの子なのかこの子なのか理事長なのか両想いなのか、感動のフィナーレ。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の成長物語。1巻のナルシストな状態から、周りをよく見て誰かのために行動できるようになった。あまりの成長ぶりに落ち込んじゃうし嫉妬しちゃうよ。目的をもって行動を始めて、一生懸命になって動いて相手のことを考えて。主人公の成道ははじめから好漢になれる要素を持っていたと思う。
    だって私だったら友達も恋人もいない自分に焦って、数少ない友達をないがしろにして数を揃えようとしたり、友達がたくさんいる人に嫉妬したり、相手の気持ちより形を大事にしたり、劣等感が強くて成道みたいに真っ直ぐに行動できない。今までの黒歴史を直視できずなかったことにもできず、水泳はできない勉強もできない役に立たないと心を萎縮し、それでもリーダーとして上に立たなきゃと自分で考えた行動を半ば強制的に進めようとしたり、それが受け入れられなかったりすると恨み妬みどうして分かってくれないんだと憤り、隙間ができたメンバーとの絆に嫌になり相手の言動を恨みつつ自ら離れてひとりになろうとするに違いない。素直になれないんだ。
    成道はすごい。夢に向かって真っ直ぐで、躊躇いもなく、戸惑っても考えて動いて臆することなく進んでいく。5巻の石田の「誰もがお前みたく行動できるわけじゃない」の台詞の意味がやっと分かった。成道は躊躇いがないんだ。嫌われたらどうしよう、中の下の俺が話しかけたら嫌がられるんじゃないか、心の中では今までも面倒くさいと思われてたんじゃないか、そんな疑心暗鬼が全くない。絽美は優しいから、いい子だから、そんな相手を信じてぶつかって行動していく。自分に自信がなくてもくよくよ悩まずに行動を起こす。やっぱり君はすごい子だよ。誰もが君のように行動できるわけじゃない。

    また誰もが彼女のように努力できるわけじゃない。それは本当か?言い訳じゃないか?実際にやった者からすると単にやってないだけに思う。それは努力ができるという強さ、尊さだ。尊敬は人を遠ざけるが、成道は彼女を遠ざけない。友達だという。

    とにもかくにも面白かった。最高のシリーズでした。

  • 最終巻。おつかれさまでした!

    前回で主人公の気持ちは固まっていたので、
    今回はその清算という色が濃かったと思います。

    面白かったとは思うのですが、
    巻を追うごとに徐々に上がっていったシリアス成分が
    今回で一気に溢れちゃったのかな、と。



    とにかくこれで今シリーズは終了ということで、
    シリーズ通して楽しませていただきました!

    すでに新シリーズに着手しているそうで、
    作者さまの次回作に期待大です。
    (売れると信じてる!)

  •  最後まで主人公の成道が好きにはなれなかったものの、嫌になるギリギリのところで踏みとどまっていたのは作者の計算どおりなんでしょうか。最後のほうではいい奴すぎる感じがして、成道らしさがなくなって、ある意味平凡ないい奴になってるのはおもしろみに欠けたと思う。また、こういうハーレム展開でラストでひとりに決める場合、いろんなパターンがあるけど、結果的にはこの点もおもしろみに欠ける王道すぎる展開だった気がする。
     ということで、悪い意味でラノベらしい軽い展開だったのが残念だったものの、作者の狙いどおり最終巻は大団円できれいに収まり、スッキリ感があったのでこの評価。

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著者プロフィール

第21回ファンタジア大賞にて〈金賞〉を受賞、該当作を改題した「中の下!」でデビューした。以降同レーベルより「期間限定いもうと。」「オタク荘の腐ってやがるお嬢様たち 」「魔王は服の着方がわからない」、第10回龍皇杯受賞作「異世界でロリに甘やかされるのは間違っているだろうか」を刊行。ほかにも講談社ラノベ文庫、富士見L文庫、ビーンズ文庫などから著作を発表し活躍中。

「2023年 『経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。その6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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