シナオシ (富士見ミステリー文庫)

著者 :
  • 富士見書房
3.55
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本棚登録 : 96
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829163306

作品紹介・あらすじ

私はかつて「僕」だった。犯すべきでない罪を犯した。そうして、その短い人生を終えたのだ。生前に犯した罪を後悔していた「僕」は、別人として生き返り、再びこの世界に舞い戻る。けれど、私は私として生活するうちに、「僕」だった頃の記憶のほとんどを失っていた。"案内人"と名乗るそいつが、私の目の前に現れるまで。「やあ。久しぶりだね」かつて犯した犯罪を阻止すること。その為に時を遡り為直す者-"シナオシ"となったこと。私は、私の真の目的を思い出す。こうして再び"シナオシ"となった私は「僕」がこれから犯すであろう罪を阻止する為に動き出す。過去、現在、未来。交錯する時間の流れの中で、私は真実の自分を追う。全てをもう一度、為直しする為に。残された時間は、あと僅か-。衝撃のタイムパラドクス・サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 非常におもしろかったが、設定をあらかじめ、もう少し丁寧に説明してほしかった。

  • ラノベ初期の代表的なミステリを中古でゲット。5年前の事故で、大切な彼女を失った「僕」が、加害者に復讐しようとし、「私」の中に宿った「未来の僕」は、それを止めようとする。加害者らしき「友達」は、どうやら「私」には見えるが、「僕」には見えないようなのだ。同じ場面でも、二人だったり、三人だったり、混乱系とでもいうか「どゆこと?」な矛盾が続く。ちらほらするキーワードは児童虐待、トラウマ、解離性障害。といって多重人格でもなく、わかりそうでわからない。最後に「私」は意外な犯人に殺される。そして、、、謎解きが進んでも、わかりきれない僕がいた。このわかりにくさが絶版の理由なのはわかったが。。。まとめると、未来が変わる過去ワープもの、ただしワープするのは精神だけ。シナオシはやり直し。最後まで読んでから、もう1度読み返すと、その緻密なロジックと巧みな構成に驚く。ダークだけれど、エンディングは前向き。難解すぎるが、難問中の難問として、国産ミステリ史上に残る野心作。

  • 140819読了!衝撃というよりも混乱する。

  • 600円以下の文庫本とは思えないほど濃密。非常にうまくできていてキャラクターも魅力的。同作者の「キリサキ」もオススメ。

  • なかなか面白かった。
    あるキャラクターと、あるキャラクターの名前の仕掛けには気づいてなかった。後、ラノベだからこそできる仕掛けがなかなかよかった。

    前作(著者は否定してますがw)のキリサキを読んでいると、ラストでニヤリとできますw

  • 過去に戻って自分の失敗をシナオすはなし。
    タイムパラドックス系ではかなり上位に来ると思うが、少し話が複雑な気もする。

  • 同じ著者の「キリサキ」と世界が重なる。「キリサキ」より後に刊行

  • 時を遡り為直す(しなおす)者―<シナオシ>

    生前に犯した殺人を後悔していた「僕」は「今見かずみ」として生き返り、為直すことにした。
    「僕」がこれから犯すであろう殺人を阻止するのだ。
    しかし、肝心の「僕」のころの記憶がほとんど失われてしまった。
    そのうちにせまるタイムリミット。
    「僕」は誰だったのか?そして「僕」が狙っていたのは誰だったのか?

    「キリサキ」の姉妹作品といえますかね。
    序盤から微妙な違和感を感じて、「ああこれは「あの手」の仕掛けだろうなぁ」なんて読めてしまいましたが、それでも真相には驚き!
    前作以上に複雑です。
    というか、ヒントがあからさまに提示されていたことに一番驚きました。なんと大胆な!
    気がつきませんでしたよ~、ここにやられました。

    どっちかといえば「キリサキ」のほうが好きかなぁ。タイムパラドックスものが苦手、というのもありますが。
    多分これはどちらを先に読むかで変わってくるのでは?
    「キリサキ」を読んでいたから「シナオシ」の仕掛けについても想像できてしまって驚きが薄まった、というのもありますしね。
    でも今回もナヴィの設定が絶妙でしたね。この使い方が非常に巧いです。

    めみさん曰く「終盤まではすんごいつまらない」(笑)、その通りでした。
    でもまあそれは「ミステリ」を期待して読んでいたからで、本来のこの叢書のファンにはそのあたりも楽しめたのではないでしょうか?ということで(笑)。

  • ラノベですが、ミステリ好きにも評判が良かったので読んでみました。
    が、どうも私には合わなかったです。
    複雑なプロットはミステリ的に評価できるのですが、やはりラノベのあのノリがどうも拒否反応を起こしてしまいます。
    生前、人を殺めた事を後悔していた僕は案内人によって別の人間の私である今見かずみとして蘇ります。
    僕の犯行を阻止する為に私は誰が僕であるかを調査していきます。
    本書はミステリ読みにとっても今一歩な作品ですが、ラノベを読みたい人にとっても複雑すぎて楽しめないどっちつかずの作品なのではないかと思います。

  • 2009/11/20(〜p284終)

    他の方のレビューを見ると評価は高いのですごく書きづらいですが、、私はちょっとついていけないというか、物足りなさを感じてしまう1冊でした。
    謎の深まり方と、最後の謎の解け方などは申し分ないとは思うですが、なんだかちょっと期待しすぎていたせいもあるのか、物足りなさを感じてしまいました。。
    でも面白かったです。

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著者プロフィール

「平井骸惚此中ニ有リ」で富士見ヤングミステリー大賞〈大賞〉を受賞し、デビュー。

「2017年 『先生とわたしのお弁当 二人の秘密と放課後レシピ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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