夜が蘇る (プラチナ文庫)

著者 :
  • プランタン出版
3.53
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本棚登録 : 241
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829622957

感想・レビュー・書評

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  • 何度読んでもちっとも色あせていない893モノの秀作。久我が武闘派系組織の若頭というのがアナログですが、そこがまた王道を踏まえていていかにもなかんじで痺れます。
    この手のストーリーは幾度も焼き直しされていて食傷気味なのに、こちらの作品には未だに心を捉えて離さない何かがあります。
    ひとえにキャラの久我と秋津、この二人の魅力のせいですね。

    自分の腕の中で死んでしまった男も、挫けることなく?口説いてくる男も893で、しかも自分は元警視である探偵の秋津。この秋津の色気には圧倒されます。昼は淑女で夜は娼婦的なおそろしく色っぽい魔性の男。そして、久我に毒を吐きまくる男気もあって、我が道を行ってます。
    久我も893の若頭としての威厳もありながら、下ネタも大量にとばす豪快な傲岸不遜タイプで、オヤジが入っている残念さがまた最大の魅力です。
    この二人の夫婦漫才なテンポのいい受け答えが、緊張感あふれるダークな話に大きく花を添えていて、息抜きにもなって、シリーズ通してはずせないポイントになっています。
    ベタな真珠ネタもマイウェイも久我にはピッタリで笑いました。真珠を抜いて「本気見せ」って…それで、惚れるのもどうかと。バカップル大賞認定です。
    こんなに笑わせるのに、本筋はきちんと伏線まで含めて計算しつくされ綿密に構成されていて、羽生の事件も誘拐事件も香港マフィアの話も、胸に痛みを伴うまでの深く読み応えある展開です。

    英田センセは、筆力はもちろんのこと、ほんとに情に訴えるのが上手い作家さんだとつくづく思います。
    どの作品にも言えますが、登場人物が生々しいというか、リアリティがあって強烈に印象に残ります。
    山田ユギセンセとのコンビも光っています。
    愛着あるシリーズです。

  • ★3.5。シリーズ1。年下893×男前未亡人というシチュに惹かれ。男前だけどトラウマを抱え脆さの隠せない受にまず萌え、純情だけど肉食系な攻の甘くて男らしい口説き方に凄く萌え!とても好みのがっつき方でした。ただ、受の人となりやなぜ羽生を求め溺れたか等、バックボーンの掘り下げがなかったので、受の葛藤や変化に今一つ入り込めず。あと攻が最初から惚れてるので出会いの描写も欲しいな、と思ったら実は以前から〜というのも唐突感が。そして893の複雑な敵対関係や組織説明が私には小難しく(笑)、事件部分はちょっと斜め読み。

  • なにげなくそれも古本屋さんで手に取った本でしたが、この1冊で英田サキさんの大ファンになりました。
     やくざものです。
     やくざと元エリート警察官の探偵……。よくある攻めと受けですが関係が一ひねりあって……。
     3部作の1作目、2作目3作目と二人の関係がだんだんと進み最後はお互いがなくてはならないものに……。
     1作目からゆっくり読んで欲しいなぁと思います。
     英田サキさん、いろんなお話書いてますが、警察関連の話は特にいいなぁと思います。
     挿絵は山田ユギさん、こちらの漫画家さんも私大好きです。

  • (あらすじ)
    情人を亡くし、虚ろな日々を過ごす元警視の探偵・秋津は、
    極道の久我に口説かれる。
    「もっと俺を受け入れるんだ。できるだろう?」
    組み伏せられた秋津は、自分の身体に潜む雌の部分が、
    逞しい雄を求めて疼き出すのを感じた。
    けれども、情人を忘れられない。
    そしてなにより、失う悲しみにはもう耐えられない。
    必死で拒むが、共に事件を追ううちに、
    傲慢なくせに優しい久我に心かき乱されて...。
    悦楽に溺れる夜が今、蘇る―傷を抱えた男たちの、
    あやうい恋情。

  • 英田さん初読み。案外タンタンと読んでしまったけど、トラウマ持ちな知的で芯のある美しい受け大好物。場面展開が好みで、知ってる場所が舞台だったから鮮やかに町並みがフラッシュバックして楽しかった。極道の攻めが楽しい人だったなー。次は、夜に赦される。

  • プラチナ文庫っぽくないんですが、そこがいいのかもしれない。
    英田さんのヤクザもの(多いですが)
    これもちょっと古いんだけど、もっと続けてほしかったお話でした。
    イラストが山田ユギさんつーのもいいー

  • えろい。甘い(笑
    気の強い受はすきです。

  • 私のBL認識に革命的変革をもたらした作品。

    三部作の一作目。
    このシリーズではそれぞれに過去を背負い、それゆえに
    昼の中で生きるよりも夜の中で生きる事を自ら選びとり
    夜の中でしたたかに生きる男達のやるせない夜のドラマが
    描かれています。
    人生の綺麗事も、人生の矛盾も、人生の重さも、人生の
    挫折も、人生の喪失も経験し、その様々な事柄をくぐり
    ぬけた経験から何とか人生と折り合いをつけて自分の道を
    生きていくことを学んだ大人の諦観とも言うもの。
    人生に答えは無数にあり、どれを選び取るか自分の意志と
    責任によるのだということを受け入れた大人の男達の
    ドラマが、私たちを惹きつけて離さないのです。

    大人の恋愛にどっぷり嵌って、心から楽しみたい
    大人な方にお勧めの作品。

  • 全3巻。暗く、切ない情念を感じるわりに
    攻のヤクザさまが面白いのでバランス◎。挿絵も大好き。

  • 読み終わった。

    作者の方自体に興味があってwktkしながら読みましたがね。

    うkも攻めも好みではなかった・・・。
    えっちの描写もあんまり私は萌えない。

    しかし、ストーリーはいいよ。
    人間模様の描き方がいいとおもう。
    ただ、受けが過去を忘れられないにしては、読み手に印象の薄い過去の情人だなって思っちゃいました。

    あと不満なのは、ストーリーの流れ的に仕方ないのかもしれないけど(覚悟とか)
    別に攻めは、真珠?を抜かなくてもよかったんではないかとおもう。
    真珠があったほうが萌える。てゆーか真珠プレイが読みたかった。
    これは私の願望・・・

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