匣男 (プラチナ文庫)

著者 :
  • フランス書院
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829624715

感想・レビュー・書評

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  • 旧財閥の跡取りで船舶会社副社長の風宮には狭いところに入りたいというおかしな性癖がある。
    八年前に目の前から消えた幼馴染みの祐一朗だけは理解し支配していた。
    いきなり現れ秘書となり…。

    不思議な感覚を覚えました。

    閉所恐怖症ならぬ広所恐怖症の風宮。
    家族に疎まれて居場所もなくオドオドしていて情けない人間だと思っているけど祐一朗はそんな風宮が好きで仕方なく。
    隠れん坊の風宮を探せるのは祐一朗だけ。
    お互い歪みまくってるけど求めるものは同じ「お互い」だけ。

    風宮をスーツケースにて、には始めは「それは…」となったけど読み進めていくうちに納得するものがあり。

    「匣」風宮にとっての本当の「匣」は祐一朗そのものなのかな。祐一朗にとっても。

    これから2人で優しい闇を共に…。

  • 検索していて見つけた"やばそう"作品2作目です。
    周りから見たら異常で恐れるような状況が、本人にとっては正常で安らぐ状況……閉鎖空間にいると安心できる受と、そんな受を理解し守ろうとする攻のお話しです。

    そして攻受ともに執着愛でもあります。
    支配し支配され、2人だけの空間に酔いしれる。

    いやもう受が落ち着く閉鎖空間が、最初は納戸なんですが…クローゼットに入ったりベッドシーツに包まるのは当たり前、やがてデスク下やスーツケース、ラストは………、というなかなかのマニアックさでした(^_^;)

    自身はジッとしていられないのに、受を理解し受のためにそういう場所を提供する攻の愛。
    『一生かけて受を守る』という誓いの元、結構壮大な計画を着々と進めていく攻に脱帽。
    しかし一方間違えば受を蔑ろにしてるようにしか見えないその言動よ(-_-;)

    きっとこうしてずっと攻は受を守り通していくんだろうなー…。

    中には閉所恐怖症の人もいると思いますが、狭いところが落ち着く…って感覚は何となく分かります。
    私自身も子供の頃は実家の押し入れに懐中電灯とか持ち込んで入ったりしてましたし(^^;)

    ラストに出てくる新居が超ワクワク空間でした♪

  • 自分で選んでおきながら、安部公房先生の箱男を思い描いてしまって。なかなか読み始められなかった本作でしたが、やっと読んだー!読んでみたら、割と最後の方は箱男状態だったけどwそうはいっても、とても好みなお話だった!設定も展開もオチも何も納得性が高く好きでした!!

  • うはははは。病んでる受と病んでる攻の物語wwww。嫌いじゃない嫌いじゃない!
    むしろ28時間くらい寝てないのにそれでも一気に読んじゃうくらいの好きっプリでしたwwwww

  • ★3.0。前半は攻の事も受の事もよくわからなくて乗れなかったけど、基本的に幼なじみ物が好きなので高校時代のエピソードが出て来てからは萌えた。攻が実は執着攻なのも嬉しい展開だし、病んだ関係も好きだし、なんだかんだで主人公の成長話でもありなかなか面白かった。しかし、残念ながら私はシーツに隠れたままのプレイやスーツケースプレイに全く萌えを感じられなかったので、全体としてはソコソコかな…。和輝に期待したのに意外と小物だったなあ。

  • 【あらすじより】
    狭いところに入りたい―。旧財閥の跡取りで船舶会社副社長の風宮にはおかしな性癖がある。秘書となった幼なじみの祐一朗は、その唯一の理解者で支配者であった。家族に萎縮し、仕事の重圧で心が壊れかけていた風宮は、デスクの下で祐一朗の足下に蹲り安寧を得る。薄闇に包まれた狭い空間は、安らぎと同時に恍惚感をもたらした。まるで祐一朗の執着に閉じ込められたようで…。


    【感想】
    一途といえば聞こえはいいけど一歩間違えば病気。まさに受けも攻めも違った意味での病んだ精神。でもそこが嫌じゃないところが最初から最後まで一気に読めました。なので★4です

  • 凄く…歪んだ愛のカタチ

  • 素晴らしい以外に言葉が無い。

  • コメディじゃないのにニヤニヤ笑えてww 当人達がバカップル並にシアワセそうなのでトンデモナイ場所に押し込められてようが問題ないwww

    財閥の跡継ぎどうとかいう世界で歪んだ性癖とくれば暗い空気はあるのに、そぐわないほど実はラブラブwが楽しいwww

    攻めが抜け目なくあちこちたらしこんだwようだけども、かなり大変だったのではとwこれでもかってぐらい色々やってくれて、自分が望む方法は我慢してた健気、愛だねww

    たった1人でいいから理解して尊重しあえて愛してくれる人がいれば、シアワセなんだと思う

  • こういう歪んだ感じが大好き。

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著者プロフィール

6月9日生まれ、双子座。雑誌「小説イマージュ」(白夜書房)1996年5月号に「一枚の遺書」を発表して、新人賞と第12回月間イマージュクラブ賞に選出され作家デビュー。以後、女性向け小説を中心に様々なジャンルで活躍中。主な著作は『スワンドール奇譚』シリーズ(エンターブレイン)など。

「2015年 『恋愛事件捜査係 担当官は恋愛オンチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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