未完成 (プラチナ文庫)

著者 :
  • プランタン出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829625675

作品紹介・あらすじ

教師の阿南が男とキスをするのを見た高校生の瀬名は、学校とは違う艶めいた表情を見せる彼に興味を持つ。
素っ気なくあしらわれても阿南の傍は居心地良く、瀬名は彼の部屋に通うようになる。
そして自覚した恋心。
がむしゃらに迫り阿南を抱くことはできたが、その心を手に入れたとは思えなかった。
「俺のこと好き?」懇願するような瀬名の問いに、いつも阿南の答えはなくて……。

感想・レビュー・書評

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  • 身勝手で青く直情的な高校生×口が悪く美人でツンデレの英語教師。
    傲慢で直情的、真っ直ぐすぎるほど真っ直ぐで一途。うわべだけの人間関係に飽き飽きしながら見つけた「ほんとうにほしいたったひとつのもの」に必死に縋りつこうとする瀬名に対して、大人であり、教師である阿南は表面上だけは受け入れてみせるが、あくまでも教師であるがゆえの線を引こうとする。
    子供の無力さみっともなさ愚かさを描くのが凪良さんは上手いなぁ。
    しかし評判が良い中で申し訳ないのですが、どうもキャラクター造形が好みじゃないらしく、あまりのめり込めなかったかな……。
    敢えて反感を買うような身勝手で子供っぽい人間らしさ、狡さをとことん真摯に描きながら、そこからきちんと成長していく様を描くのが凪良さんの作家性なんだなぁと改めて思いました。

    子供だからどうにもできない、別れるしかない、と離れる決意→再会
    あ〜あ〜〜〜このパターンほんとうにお好きなんですね何回も見てきた。笑
    瀬名に押されて無理やり付き合っているように見えた阿南の中に瀬名への気持ちがきちんと芽生えていたのはすなおによかったです。

  • 多分これは、キャラクターの組み合わせが好みに合わなかったんでしょうね……するする読めるイメージの凪良さんの本だけど、食指が伸びなかったのかな〜!生徒×先生(やや無理矢理含)もの

  • 生徒×先生の要素を全て詰め込んでいる…目覚めそう…。阿南先生可愛いしかっこいいし最高。

  • 不朽の名作!何度読んでも泣いてしまいます。
    高校生の瀬名は青くて直情的で、でも素直でまっすぐに阿南先生に激情をぶつけます。
    高校生の瀬名からしたら、10歳上で教師の阿南先生はとても大人でキャパも広く見えたんだと思います。
    でも、二人の別れの時に阿南先生が気持ちをぶつけたように、阿南先生もまだ若い27歳のただの男で、瀬名の気持ちに揺さぶられ、でも大人故に教師故に、瀬名の無鉄砲な愛情が、未来が、怖くて怖くて仕方なかったんだと思います。

    その後、瀬名が社会人になり成長していく姿はほんとに感無量で、長い年月の後に再び結ばれる二人にぼろぼろ泣いてしまいます。
    二人が同棲してからのお話も読みたいなーー!

    また、凪良ゆう先生の作品の秀逸さは、情景描写にあると思うのですが、こちらでも、二人で過ごす部屋の水の底のような水色、明け方の青等、まるで映画のよう。とても素晴らしいです。

  • はじめて買った作家さんです。文章の作りが好きです。ただ、今時の子って友達をツレって呼ぶんでしょうか?

  • 前半は攻めの自分勝手で幼すぎるところにイライラ。
    いくら高校生だからって、家庭の事情が複雑だからって、ここまで他人に好き勝手しちゃだめでしょ?と思っていたけど、
    先生と離れてからぐんぐん成長していって、高校生の頃の素直で年下男子っぽい雰囲気は残しつつ、器がでかくて優しい男になっていて、
    これは先生がキュンキュンくるのも無理はない。一度離れることが、瀬名には必要だったんですね。
    瀬名が阿南以外に仕事も好きになってよかった。

  • 読み終えるのに四日ほどかかりました。
    文章の勢いが速く、激しく、滝のように濁流のように情報があふれ、その雫がまたとても鋭いので少し読んで休み、少し読んで休みを繰り返した一冊です。
    鉄壁の阿南先生を足かけ八年?でデレにとかした攻めくんの成長ぶりがよかったです。十歳差ありがとうございました。

  • 泣けた

  • 凪良さんの作品では一番好きかも。生徒×教師という設定で、あますことなく書かれているのは年下攻の焦りや懊悩、そして未熟さ。タイトル通りまさに未完成でまっさらで危うい頃。この辺の描写は凪良さんは本当に上手い。目の前の恋しか見えなくなり、知らず相手を追い詰めていくところは『恋愛犯』を思い出してちょっとゾッとした(束縛系は苦手)が、その辺はあまり長引かずに済んで良かった。本編後のSS、大人になった年下攻に尽くされて、幸せな日常を送っている受視点に萌え。良いなこういうの。好きです。

  • イラストが変わっての新装版。途中まで気がつかなかった。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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