にいちゃん (Canna Comics)

著者 :
  • プランタン出版
4.22
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本棚登録 : 2323
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829685907

作品紹介・あらすじ

ふつうってなに
まともってなに
これはいけないこと…?

《BL界の鬼才・はらだが描く
衝撃の禁断愛、ついに解禁――》

かつて、近所のにいちゃんに手を出され、
現場を母親に見られてしまったゆい。
それを境に、いつも遊び相手に
なってくれていたにいちゃんは姿を消し、
親からは過保護なまでの監視を
受けるようになってしまった。
あれから時が経ち、
にいちゃんを忘れられないゆいは、
ある日もあてもなく街を徘徊し、
そして、ついに再会の日がくる――。
しかし、久しぶりに会ったにいちゃんは、
昔のような優しいにいちゃんでは
なくなっていて……。

感想・レビュー・書評

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  • これは最高の文学です。

  • なるほど、問題作と言われてる意味が分かった。
    問題作というより、問題提起作。
    はらださんにしては、優等生なお話。
    最後に現実と向き合って、向き合いきれない葛藤がちゃんとあるのが好き。
    まいちゃん好きだなー。
    良いお話でした。

  • ふつうってなに まともってなに これはいけないこと…?

    愛の形とは何だろう。と感じる作品でした。何が正しくて何が愛なのか、常識を覆すような物語の世界観に引き込まれました。

  • なにひとつ共感できないし、ドン引きドン底ド嫌悪の展開だけど、はらださんは本当にどうしようもない畜生人間を描く天才だな…と改めて思わされました。
    上からなコメントになってしまいますが、萌えも共感も興奮もなかったのになぜ最後までこんなに惹きつけられたのか、一言で言うと漫画として完成度が凄く高いから、につきます。
    ハッピーエンドでもバッドエンドでもない……なんでしょうこの、もやっとした読後感は……。
    てっきり最後のエピローグはラブラブなお話が読めるのかと安心してましたが、私が甘かったですね。
    ずぶずぶの二人が行き着く先はどこなのでしょう……。

    BLというカテゴリだけで括ってしまうにはもったいない、重量感のある一冊でした。

  • ガチで問題作でした…!
    すごいね、はらだセンセ。こういうの真正面から描いちゃう作家魂というか、ほんと凄腕。
    最初は昭和のやおい的な禁断ものかな…という導入で、読む人限定&18禁なヤバさがてんこ盛りだったんだけど、途中からはもうBLとかJUNEとかそういうところを飛び越えた話になってきて…思わず泣きました。

    読み始めのにいちゃんは、HENTAIなんてかわいいもんじゃなくて悪質な変質者の域でした。悪い表情を時折見せるのがこわすぎて、しかも再会後も少しも愛を感じることができなくて、エロ特化の展開かと最初は思い込んでしまうほどでした。
    でも、ゆいに彼女ができたあたりから衝撃的な事実がぶっ込まれてきて、そこからページをめくる手が止まらなくなりました。
    まいちゃんは、はらだセンセならではの腐女子が許容できる女子キャラですね。

    にいちゃんには、マイノリティの複雑な立ち位置を感じさせられずにはいられませんでした。にいちゃんみたいな過去を持つ者に対して世間は同情や認識したふりをするけどどうしても距離感は否めないし、スルーされたりどうかすれば犯罪者扱い。
    家族は病気扱い。
    にいちゃんの母親のメールが自分のことばかりで、息子の幸せを一つも考えてないのが悲しかったです…
    そんな中、自分が受けたのと同じ目に遭わせてしまったゆいだけが、まっすぐににいちゃんに向き合い、全てを許して一途に愛してくれていて。
    絶対に他人には理解してもらえないけど、二人だけはわかり合える愛のかたちなんだろうなと思いました。
    一般的じゃないことには、世間の風当たりはキツいんですよね。

    この話にはショタだけじゃなく薬物依存も描かれていて、かなりギリギリな内容で重くて痛みがすごくありましたが、ただのエロエロじゃなかったです。
    にいちゃんとゆいはそんな痛みや失意を背負いながらも必死に生きているんだと、はげしく伝わってくるものがありました。
    にいちゃんがまいの父親に会いに行くシーンは、涙が止まらなかったです。
    最初はにいちゃんを鬼畜で最低だと思ってたけど、わかるにつれて愛でやさしく包んであげたくなりました。
    リバになるHに、メンタル的に深い理由があるのもよかったです…
    二人にエールを送りたいです!

  • 問題作だよー、とは言われてたけど、なるほど問題作。どう受け取っていいのか分からずに今は持て余してしまうので本棚で眠ってもらっていつか読み返してその時今とは違う何かを思うことを期待する。
    児童虐待の話なのでどの部分に共感するかで視点というか映る世界が変わるお話だと思う。子供に手を出す大人は生かしちゃおけないのは当然としても、作中最も報いを受けて欲しいのはにいちゃんのご実家よなって思う。元凶のおじさんもむごたらしく死んで欲しいけど先方の子供達に罪はないので難しい。
    メンタルが弱いことは加害の免罪符にはならないし、被害者のメンタルの強さを以て罪一等減ずることが出来るわけでもないけど、世間に同調する体裁を保ちつつも世間に受け入れられることのない自我を内に保ち続ける強さはこの理不尽な世界で生きていく上で必要なのかもしれない。
    壊れたものは直らないけど、壊れたものを治そうと粉々に砕くよりは、壊れたまま生きていく方が笑顔に近づくジレンマ。
    自分を受け入れることのない、一番大切なものと矛盾する存在であっても、切り捨てることは容易ではないよねという残酷さが水菓子の代わりに置かれている。

  • 初見では理解不能な理不尽な世界観
    最初は主人公はゆいだと思って読んでた
    にいちゃんが酷いクズのような気がしたのに
    何回も読んでしまった
    何度も読むうち、だんだん自分の中のゆいへの気持ちも変化してきた
    にいちゃんはゆいを愛しく思ってはいるようだけど、ゆいと一緒にいても心から安らいでいない
    成長してからのゆいに、BLで絶対ある「かわいい」も「好きだよ」も言わない、超情けなくて、身体はしっかりしてて、Web系の仕事をしてそうな、実家が裕福そうな、にいちゃんがすごく気になる。親に救い・理解を求めるにいちゃんが切なくて、親子関係もう少し知りたいし、こんな目に合わされてもにいちゃんから離れられないゆいの気持ちが分かってきたような気がするし、こんなトラウマを抱えたにいちゃんをただ変えようとするのか、無かったことにするのか、親としてどう接するのが良いのか、本当に難しい。

  • 作中にはいろんな感情があって、これを読んだ人の数だけのいろんな意見(賛否両論)があって、それも含めてすごく面白いなと思った

  • 小児性愛、レイプ、虐待(体罰)、奇異の目、正当性の押し付け、リバ、ハメ撮り、等があるので、ラブラブハッピー♡が好きな方には薦め辛いが、メリバ上等!リバ上等!仄暗いのすきです!ななんでも読める方にはかなりお薦めする。

    あんなに愛し合っていたのに、片や「普通」の家庭を築き、片や「異常」と糾弾され躾と称し虐待される。あれは虐待だろ。
    ゆいとにいちゃんの関係が、純粋に愛なのか、執着なのか、依存なのか、すべてまぜこぜですべて違うかもしれない。普通であることに安堵する両親、異常な物をみたと嬉々として写真を撮ろうとする野次馬。普通って何なんでしょうね。
    最後、ゆいも自己の正当性を言い聞かせて危うい糸の上を歩いているようだったけど、なんとか2人、手を取り他者の目を気にせず愛し合って欲しい。

    あと舞子ちゃん、最初はいけ好かないキャラかと思ったらさっぱりしてて好き嫌いハッキリしつつも正論を押し付けてこないところが好感もてて、かなり好きな性格でした。

    良いものを読んだ!!
    初めての作者さんだったんだけど、他の作品も読んでみたいと思いました。
    2人に幸あれ。

  • 聖書です

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著者プロフィール

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「2016年 『オリジナルボーイズラブアンソロジーCanna Vol.49』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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