- Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784832235021
感想・レビュー・書評
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一流商社マンであった神宮寺。
美味しいハンバーガーを多くの人に食べて貰いたいとの想いから、会社を辞め、お店を出すことに。
しかし、上司・畑中部長の強引な引きもあり、今後どうなるのか?
ドーナツで挟んだ『ルーサー・バーガー』や、ギリシャのピタをモチーフとした『グリーク・バーガー』、ニューオリンズのザリガニを挟んだ『ポーボーイ・バーガー』などなど...
展開するストーリーに加え、ハンバーガーにまつわるウンチクも楽しめます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神宮寺慧がテレビのグルメバトル番組に出演する。神宮寺は商社を辞めてハンバーガー店を開業した。神宮寺のハンバーガー店が注目されてのテレビ出演と思いきや、商社時代の上司による神宮寺を潰すための罠であった。テレビ局に圧力を加えて、神宮寺を貶めようとした。
上司の嫌がらせは腹立たしい。第1巻では調達先に圧力を加えて、神宮寺の店への牛肉納入を拒否させた。大企業の圧力であるが、前近代の村社会的な嫌がらせである。資本主義の弊害ではなく、資本主義のルールを徹底していないことの問題である。
取引拒絶の圧力は、不公正な取引になり、独占禁止法に違反する。独占禁止法と言えば、独占を禁止する法律というイメージがあるが、正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」である。独占ではなくても、公正な取引を侵害することが問題である。市場メカニズムを正しく機能させる法律である。
元上司の行為はコンプライアンス違反であり、ビジネスパーソン失格である。ところが、元上司も追い詰められて可哀そうで大変な状態のように描かれる。逆に神宮寺が元上司を心配して行動する。正直なところ、そこまでする必要はないのではないかと感じる。
元上司の行為は神宮寺のビジネスにとって致命的な打撃を与えられるものである。神宮寺が切り抜けられたことは神宮寺の才覚と努力によるものであって、元上司は恨まれて当然である。元上司の嫌がらせをバネにして成長したと考えることは愚かな日本人的発想である。元上司の嫌がらせがなければ、余計な頑張りをしなくて済み、もっとビジネスを伸ばせただろう。「終わりよければ全てよし」と水に流せるものではない。 -
全巻からの引きは、意外に盛り上がらなかったなぁ(^^;。
バーガーについてとお客さんのお話は面白いし、
バックグラウンドのお話もそれぞれに盛り上がりを見せそうなんだけど、
お客さんがほぼ一見さんでその後あまり絡んでこないところと、
同業者の強力なライバルが現状いないのが物足りないかな?
上杉くんなんか、結構いい感じのライバルになりそうなのに。
ともあれ、3巻以降のさらなる展開に期待です。 -
前々から、書店に並んでいる週刊漫画TIMESの表紙を見て、気になっていた食漫画
(1)を思い切って買い、読んでみて、すぐに(2)を買った。これほどまで、私を迅速に動かした漫画は久しぶりだ
今まで、『クッキングパパ』(うえやまとち)を初めとした、多くの食漫画でオリジナルもしくは現実にある名店のハンバーガーは作品内で紹介され、読み手の腹の虫を鳴かせ、足をハンバーガーショップへ向かわせていた
しかし、ハンバーガーオンリーで読み手に“勝負”を吹っ掛けてくる漫画は、少なくとも、私の記憶にある限りじゃ、確かに日本初であろう
日本は何だかんだで、外国の文化を取り入れる事に抵抗がない。あくまで、私の感覚ではあるが、日本人の凄いトコは、優れた国の単なる真似だけで終わらず、その素晴らしいモノを自分達のセンスで更に質を上げる発想力と、その行動を苦どころか楽と感じられる点だろう。そんな、自分からする努力が身に付いている日本人が、外国人の視線から見た際、優秀と讃えると同時に化け物に映るのも納得な気もする
少し話がズレてしまったが、ハンバーガーもまた、今や、カレーライスやラーメンに劣らぬ、日本食だろう。和食でなく、日本食と表現するのが大事だろう、と私が勝手に思っているだけだが、同意してくれる人がいたら嬉しい。とは言え、作中では「日本食」ではなく、「世界料理」と主人公の口から断言されており、こちらも正しい、と感じてしまう私はブレブレだ
主人公・神宮寺慧は、そんな進化の可能性が無限大であるハンバーガーに魅入られ、他者が羨むキャリアを躊躇いもなく、理想の為に放棄できる強さと怖さの持ち主である
ハンバーガーへの情熱だけでなく、一人一人の客と向き合う店主としての姿勢も食に関わる者として本物で、そんな真っ直ぐさが、淡い恋心を彼に抱く平沢さんを第一として、多くの人間を惹きつけていく
もっとも、そんな己の恥じない生き方をしている男なので、当然のように敵対視される事もある。そんな適度なドロドロが混じった人間ドラマが、ハンバーガーを主軸にした話を盛り上げており、さすが、花形先生、と感じ、その原作の魅力を柔らかさを感じつつも、歯ごたえのある絵で支えている才谷先生も凄い。バランスの取れた原作と作画のペアだろう
私は、食の好みと言うより、アレルギーが主な理由で、テレビCMで紹介されているハンバーガーの類は、ほぼ食べられないので、マクドナル〇等には、あまり足を運ばないのだが、客の要望に真摯に応えてくれる、神宮寺のような男が店主が営む個人店なら毎週でも行く。自分でハンバーグを作って、食パンに挟んで食べても美味いが、やっぱ、プロの作る本物には敵わない、と思いたいのだ
神宮寺が創意工夫で生み出す、かつ紹介してくれるハンバーガーは、どれも美味しそうで空腹に耐えるのがキツくなるほどだったが、もっとも、私が腹の中に飼っている、飢えた獣が吼えたのは(2)で、神宮寺がグルメバトル番組で作り、審査員の度肝を抜き、彼を貶めようとしていた器の小さい業界人を追い込んだ、大トロのライスバーガーだ。一瞬こそ、「一体、いくらだよ」と思ったが、審査員の食べっぷりを見ていたら、値段に対する躊躇なんて吹っ飛んでしまうわ。これ、どっかの名店、再現してくれないかなあ
お勧めの話を選ぶのであれば、食に関わらず、自分の仕事に対する本物の誇りを貫けば、その姿勢を正しく評価してくれる、器がデカい人間が力を惜しまずに貸してくれ、危機を脱すことが出来る、と感じた(1)の第4話「道は作れる!」だ
(2)は、やり方は卑劣であったにしろ、自分を認めてくれていた、尊敬できる人間の為に神宮寺が動きを見せたトコで終わっており、実に(3)の発売が待ち遠しい。彼は一体、どうやって、畑中部長を救う気なのか!?
この台詞を引用に選んだのは、神宮寺が作るハンバーガーの美味さ同様に、理屈抜きで心を打たれたから。保持も挑戦も、自分を成長させる。けれど、どちらにしろ、自分で決断する勇気を持っていなければ、中途半端になるのは目に見えている。勇気があれば何でもできる、なんて青臭い事を言うつもりはないけど、少なくとも、いつでも勇気を胸に持って、新しい美味しさを追求している男の言葉が、自分に自信が持てず、料理にも恋愛にも臆病な青年の心に勇気の火を灯したのは確かだ -
ハンバーガーの定義、世界のハンバーガー、思い出のハンバーガー探します。大手商社を辞めて、ハンバーガーを開店した主人公のハンバーガー愛が伝わってくる。ただ元上司が、連れ戻すために、仕入れに手を回したり店の評判を落とそうとしたりって、北風と太陽を読んだことはないのか、というぐらいに逆効果で。
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テレビの収録、そういうところに落ち着くよね。その世界で生きていくにはしょうがない話だけども。畑中部長追い詰められてるな… 弱さを見せたところ、ちょっと可愛かった。神宮寺、なにをする気だ。