アイヌ神謡集を読む (北方新書 16)

著者 :
制作 : 北道 邦彦 
  • 北海道出版企画センター
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784832817043

感想・レビュー・書評

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  • アイヌ神謡集に沿ってアイヌ語の文法をかなり詳しく解説する内容だが、アイヌ語の文法そのものを順序立てて体系的に学ぶ教科書でもない。言い換えると、高校の英語のリーダーや古典の教科書と同じようなスタンスで書かれている。
    当初期待していたような、アイヌ文化や背景をよく知らない読者に向けた解説内容は限られているのが少し残念ではある。
    とは言え、知里幸恵の最後の手紙や金田一京助の著作の一部の掲載には感情を大きく揺さぶられる。この部分を神謡集と一緒に、読めるこの本はお勧めしたい。
    また、「はじめに」での中で既刊の神謡集の誤りの指摘があるのにも注目。本気でこの神謡集を読む人は他の本と比較してみるのが良さそう。
    アイヌ語の文法については、いかに日本語や英語とかけ離れていて、本格的に体系的に理解するのは相当難しいと思い知った。

  • 知里雪惠さんのアイヌ神謡集
    柳田國男、金田一京介との関わり。
    北海道から東京へ上京して文字通り命をかけて伝えものに心震えました。
    アイヌの信仰をそれほど理解をしていなのでよくわからないのですが、めでたい席のシーンによく登場する「御幣」
    。それも木で作られ、太刀などを装飾するものも残っているようだ。
    とても気になります。

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著者プロフィール

1879(明治12)年
6月25日、幸恵の母ノカアンテ(ナミ)、北海道幌別村のカンナリ・ハエリリ(金成恵里雄)とモナシノウク(茂奈之)の娘として生まれる。ナミは姉のイメカナ(1875年生まれ。マツ)とともに早くから函館に出て、英国人宣教師ジョン・バチラーの創立した愛隣学校に修学。日本語・英語を習い、敬虔なクリスチャンであった。
1884(明治17)年
4月15日、幸恵の父の高吉、北海道登別村のチリパ・ハエプト(知里波ヱ登)と加之の息子として生まれる。
1902(明治35)年
4月、知里高吉と金成ナミ結婚する。
1903(明治36)年 0歳
6月8日、幸恵生まれる。
1904(明治37)年 1歳
幸恵の祖父ハエプト、熊狩りの仕掛矢(アマッポ)に誤あたり死亡。その時、父高吉は日露戦争に出征中であった。
1909(明治42)年 6歳
2月24日、弟真志保生まれる(旧制一高、東京帝大出身、アイヌ語を研究する言語学者となる。『分類アイヌ語辞典』など著作集六巻がある)。この秋、幸恵は旭川近文の聖公会伝道所にいる金成マツのもとに領けられる。伯母マツ(金田一京助『アイヌ叙事詩ユーカラ集』の伝承者)とナミやマツの母であり、金田一京助をして”私が逢ったアイヌの最後の最大の叙事詩人ユーカラクル〃

「1992年 『銀のしずく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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