法のクレオール序説-法融合の秩序学 (北海道大学大学院法学研究科研究選書6)
- 北海道大学出版会 (2012年6月29日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784832967601
作品紹介・あらすじ
本論集は、文化的背景や制度的構制を異にする法どうしが遭遇し相互に接合しそして変容するという融合過程が古代から現代に至るまで様々な地域で広範に存在していると捉え、その機序を、特に様々な法的アクターとそれらの主体的営為による接合の動態において分析し把握することを目的としている。
(the creole of law)とは、異なる法体系・法文化の遭遇と各社会内での法の相互浸透、そしてさらなる法の変成と次なる新たな遭遇という連鎖的な法の形成過程であり、それらの現象をその動態に即して活き活きと捉えようとする視座でもある。それが企図するところは、特にポストコロニアルな文脈に限定されない、より普遍的な法の相互作用たる、法の移植・継受や流入などと呼ばれてきた法の相互浸透の一環としての法の変成の動態である。本書においては、この動態を一般的に広く名指すのに「異法融合」という用語を用いることとし、そこで新たな法が形成されてゆく過程そのものについてという視座を発見論的に用いて探求を進める。
本論集は、基礎法学の12人の研究者による、理論的・経験的・歴史的あるいは比較論的な省察により、この異法融合におけるを介した法的な活動主体性の様態、多面的な伝播/拡散の過程における相互連関、そして法変容の価値的志向性に関して示唆を与えることを目的とする。そして、このような研究関心が、今や人間社会の全体に係るグローバリゼーションの大きな動きの中、様々な社会の法が示しつつある動態的展開の把握と理解について、構造的・制度的な観察や比較にとどまらず、より有機的で動的な主体的視座を開拓し、法の展開や変容を新たに捉える方向を示すものである。
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