光源氏になってはいけない

著者 :
  • プレジデント社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833419840

作品紹介・あらすじ

『源氏物語』は、「脇目もふらずがんばることが、成功の近道とはいえない状況」「プラスにプラスをかさねることが、最後の勝利にむすびつかない社会」を生きぬく知恵に溢れています。紫式部が苦しみと引きかえに手にした叡智を、現代社会のなかで苦闘する人びとに広くとどけたい-。そんな願いから、本書は書かれました。

感想・レビュー・書評

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  • う~むどこから突っ込んだらよいのか。個人的にツッコミどころが満載だった。

    前半はそこれそ光源氏から読み解く「割る目立ちせずに生きていく方法」っていうのが述べられていた。啓発本にしてはだいぶ後ろ向き?な考えだなとは思ったけど。
    いやメインは啓発本とかそんなんじゃないだろうけど。
    後半は光源氏よりも『源氏物語』や藤原道長、摂関政治等に焦点を当てていて光源氏はそんなに関係ない。

    『源氏物語』に関する専門書や論文といった類のものとは違うからどこまで追求ししていいかわからないけど、氏の考え方はユニークな分ツッコミどころが多かった。
    サラリと書いてるけど頭の中将が葵の上の弟説、源典侍が藤壺の入内を薦めた古参の典侍と同一人物説とかは誰がそのように提唱しているのかきちんと明記して欲しかった。すごく気になるんやけど。

    」特に第六章を読むとまるで藤壺がすすんで密通したかのような印象を受ける。
    なんだか全体的に結果論に対していろいろな考えを述べているだけな感じもする。いや読んでいるぶんには楽しんだけど、もっと原文や例示を示したりして根拠ある書き方をして欲しいな。
    私は氏の考えを論文とか新書とかそういったもっと専門的?な形式で読んでみたい。

    いつか『源氏物語』の原文を読んでみたいな。

    人物相関図第三部で蜻蛉宮とその子供の宮君といった人物が載ってるけどどういった人物なのかすごく気になる。どのように話に関わったんやろ。
    冷泉帝に皇子は生まれなかったけど弘徽殿の女御との間に女一の宮がいるわけだからこの子が唯一藤壺と光源氏の血をひいてるんだよね。
    そう考えたらすごく特別な人だと思うんだけどな。藤壺と光の孫か。

    光自身には子供は少ないくせに孫が多いのがすごく対照的だと思う。主に夕霧ががんばった結果だけど(笑)

  • 助川先生の授業を受講していて、この本が気になったからというのと、レポートの参考文献になるかと思い読了。先生の視点から読む源氏物語は、今まで習ってきたものとは違っていて、こんな考え方もあるんだと勉強になる。

  • そういう見方もあるなあと納得させられる本。

  • 平安時代と現代を巧妙につないで解説していたのが面白かった。

  • 男性から見た源氏物語の読み方はムリヤリ感があるけど、一つの考え方としては、面白かった。

  • 帯にあるように、『源氏物語』を知らずともとても楽しめる。後半にある浮舟の考察はとても面白い。個人的にはまさに浮舟は雨夜の品定めにある、意外なところに住んでいるちょっといい女、に当たるのではないだろうかと思う。ただし、浮舟自身が「ちょっと」いい女、と思っていたかは、至って怪しいところではあるが。
    平安時代と現在を比べながら論が展開されるので、とても分かりやすく読めた。

  • 源氏物語に書かれていることを、歴史上の事実のように深読みして解析したり、「戦国武将に学ぶなんたら」みたいに現代社会に役立てようとしたり、少しやり過ぎの感は否めないが、そういう見方もあるのかと思わせるところも多かった。先に読んでいた井沢元彦の「源氏物語はなぜ書かれたのか」と、書かれた理由が、真逆なのが面白かった。

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著者プロフィール

1967年生まれ。東海大学文化社会学部教授・岐阜女子大学文化創造学部非常勤講師。主な著書に『文学理論の冒険』(東海大学出版会、2008年)、『謎の村上春樹』(プレジデント社、2013年)、『教養としての芥川賞』(重里徹也との共著、青弓社、2021年)などがある。

「2022年 『文学授業のカンドコロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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