高倉健インタヴューズ

著者 :
  • プレジデント社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833420174

作品紹介・あらすじ

一九九五年から二〇一二年…。日本最後の映画俳優を追い続けた著者の一八年の集大成が一冊に。健さんの仕事観、人生観、好きな映画まですべてがわかるインタヴュー集。

感想・レビュー・書評

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  • この筋の本はめったに手に取らないのだけど、昔から気になる方だっただけに、Web上に溢れていたコメントを読んでいたら、改めて健さんへの興味がふつふつと湧いてきた。

    たとえ健さんだったとて聖人君子だとは思えないのだが、彼の周りにいた人たちの証言からは、そうとも感じさせてしまう人柄を想起させられてしまう。
    特に印象的だったのが宇崎竜童の話だった。
    彼のごく僅かな仕草を見ていた健さんがかけた言葉、感情の表し方が難しい場面で助けるように呟いた言葉、お礼を返しても、良い映画を創りあげたい一心からだというようなコメント。
    そして宇崎は「高倉さんにいただいたものは返せません。返したいけれど返せないほど大きなものをいただいている。できるとすればたったひとつ。私が後輩や新人に高倉さんからもらったものと同じものを渡すこと。その人のいいところ見つけて、大局的にほめてあげること。そんなことを気づかせてくれるのは高倉さんだけです。」と締めている。
    ここまで思わせる人だったということは、やはり他の人たちも話している通りの人だったのだなぁと改めて納得。
    本当に惜しい人をなくしました。
    改めて合掌。

  • 生き方に感動

  • 書評を読んで 読みたいと言う本だった。
    アマゾンから手に入れた。
    野地秩嘉が 健さんに 心陶している様子が分かる。
    なぜ 健さんが 魅力的なのか?
    そのことを 18年にわたる インタビューのなかで
    追求しようとする。
    それでも 健さんの魅力を語りきれない。
    健さんの魅力は 奥行きがある。

    ありがとう と素直にいえること。
    その場で 感謝の姿勢を絶やさないこと。
    スターではなく ふつうの人であろうとすること。
    そして、私生活を語らないこと。

    ドーランをぬる自分に涙を流せること。
    それでも、映画が好きなこと。

    目のチカラを信じていること。
    サングラスをかけても、目のチカラを表現できること。
    少し、呼吸をおいて、低い声でしっかり話すこと。
    まわりに、気配りと感謝を忘れないこと。
    どんなときにも 立っていること。

    心を大切にして、心から発する自然の気を大切にする。
    やはり、健さんは スゴイ。
    また、こうやって、健さんを健さんたらしめることを
    しつこく、追求して 書き上げたことがスゴイね。

    いい仕事している。

  • ここまで賞賛一本槍だとさすがに途中でやや食傷気味になるんだけど、本人の「(仕事を選ぶ基準は)ギャラの額を大切にします。」みたいなコメントに却って持って行かれる。映画が観たくなる。

  • 高倉健のインタビュー集。
    健さんの仕事観や人生観が伝わってきて、健さんのようになりたいなと思った。少しでも健さんに近づけるよう心がけたいなと思った。

  • 人生にとって大切なものは何か?という問いに、「大切なのはたった一つ、心です」と言い切った、高倉健のインタヴュー集。言葉を少しずつ集めたようなインタヴュー集だが(それ故に重複している内容もある)、高倉健の言葉の選び方から、その性格や物の考え方が立ち昇るようだった。

  •  高倉健さんの著作は以前「旅の途中で」というエッセイを読んだことがあります。
     本書は、高倉健さんとその所縁の方々へのインタビューをまとめたもの、高倉さんの様々な顔を覗い知ることができます。
     しかし、知れば知るほどその魅力を増す方ですね。その凄さを出演作品から感じたいと思います。そして、改めてご冥福をお祈りいたします。

  • なくなってから、高倉健に関する記事や本を読んでいるけど、どこを切り取っても高倉健という感じですごい。
    一番最後の江利チエミのエピソードが微笑ましかった。

  • 最高!

  • 僕にとってはイマイチな本でした。

    高倉健さんの映画はたいてい好きだし、俳優・高倉健も好き。
    だけどまあ、精神論的崇拝の粋を出てないなあ、と思いました。
    ちょっと、知的な考察とか、感覚を様々な角度からコトバにする作業が、ゆるいなあ、と。不遜ながら。

    内容は高倉健さんのこの15年くらい?の、インタビュー。と、周辺の人のインタビュー。と、筆者の取材による考察。ある種、ルポルタージュ、ノンフィクションなんだけど、タイトルが誠実に告白している通り、まあ、芸能人のインタビュー本止まり。。。ですねえ。

    面白かったのは、高倉健さんが、「お金が多く貰えるのが、仕事を選ぶ基準の一つ」と、堂々と言ってること。
    高倉健さん自身は、この本よりもっと奥深くて興味深いヒトだと思うんですよね。ある種、合理的でエゴで、冷静で知的で計算もできて、別にそれほど精神的なヒトではないのでは。
    無論それだけではないけど。。。つまり。。。普通に、矛盾や相反を抱えている複雑で興味深いヒト、何じゃないかと。ソコはあまり味わえなかったですね。

    例えば、デビュー前の生い立ちとかもっと覗き知りたいなあ、と。
    驚嘆するしかないキャリアの持ち主だから、内面に入りにくい、入れさせない人なんであれば、もっともっとキャリアを微細に克明にインタビューして欲しかった。ただ、それには膨大な映画史的、社会的知識が必要にはなるけれど。。。

    稀有な存在だし、戦後史であり現代史であり日本映画史であり団塊世代や学生運動世代の精神史であり、右翼左翼的なアイコン論であり、カッコ付きの「日本男児の美学」であり、いろいろな視点・論点から語れる俳優さんだと思います。

    高倉健さんについての、より興味深い本と出会いたいものです。

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著者プロフィール

野地秩嘉(のじ・つねよし)
ノンフィクション作家
1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経て現職。人物ルポルタージュ、ビジネス、食、芸能、海外文化など幅広い分野で執筆。著書は『サービスの達人たち』『イベリコ豚を買いに』『トヨタ物語』『スバル―ヒコーキ野郎が作ったクルマ』『高倉健インタヴューズ』『日本一のまかないレシピ』『キャンティ物語』『一流たちの修業時代』『ヨーロッパ美食旅行』『ヤンキー社長』『新TOKYOオリンピック・パラリンピック物語』『京味物語』など多数。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。

「2022年 『伊藤忠 財閥系を超えた最強商人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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