女神的リーダーシップ 世界を変えるのは、女性と「女性のように考える」男性である

制作 : ヤマザキマリ  有賀裕子 
  • プレジデント社
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本棚登録 : 111
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833420679

感想・レビュー・書評

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  • 借りたもの。

    これは男性的/女性的の二者択一なジェンダー論の本ではない。

    今日、理想的なリーダーには〈女神的〉価値観が求められているという。
    この本にある〈女神的〉価値観とは、地域や時代を問わず“女性的”と分類された資質である。
    共感、公平、叡智…
    それらはギリシア神話の女神アテナが象徴するものと指摘。

    〈女神的〉価値観は女性のみが持っている資質ではないが、女性の方がより顕著でより自然に扱っている。
    それ故に、女性の指導者が今後の世界の発展に必要であること、現在活躍する女性リーダーの事例も挙げて示唆している。
    今、現在の女性の社会進出を肯定するための良著にもなりそうだ。
    しかし、女性のみにスポットを当てず、〈女神的〉価値観を持ち、活かす男性達も紹介している。

    具体的なデータや、洋の東西を問わない事例、意外と知らなかった他国のリアルな話に、読んでいて惹かれた。
    アジアや中東など、女性への差別意識が強いとされる国であっても、それは既に燻っている。
    日本の3・11での「希望の缶詰」エピソードも挙げられている。利害に関わらず他者に手を差し伸べる共感と助力の精神……

    排他的(男性的と目される資質)な成長戦略では無く、真に共生する成長戦略を、現代人は求めている。
    それは先進国、発展途上国に関わらず。それをデータとしても再確認できる良い本。

    ヤマザキマリによる表紙絵が印象的。

    • 亜綺羅さん
      >猫丸(nyancomaru)さま
      そうですね。
      この本を読むと、男性的と目される資質の他の可能性も垣間見れます。
      便宜上、この本では...
      >猫丸(nyancomaru)さま
      そうですね。
      この本を読むと、男性的と目される資質の他の可能性も垣間見れます。
      便宜上、この本では資質を性別で分けていますが、それらは男女ともに持つことが可能なものでもあります。人間は片方の資質のみでは生きられないものであることを、再確認します。
      2014/07/15
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「人間は片方の資質のみでは生きられない」
      それは充分判っている筈なのですが、つい「男らしい」を勘違いしちゃって、行き過ぎるんですよ(反省)...
      「人間は片方の資質のみでは生きられない」
      それは充分判っている筈なのですが、つい「男らしい」を勘違いしちゃって、行き過ぎるんですよ(反省)。。。
      2014/07/24
    • 亜綺羅さん
      >猫丸(nyancomaru)さま
      それを承知の上でしたら、大丈夫ですよ(^-^)
      心構えが第一歩ですし。
      >猫丸(nyancomaru)さま
      それを承知の上でしたら、大丈夫ですよ(^-^)
      心構えが第一歩ですし。
      2014/07/26
  • ジェンダー

  • <女神的リーダーシップ 未>

    今、世界各国で求められるリーダー像は旧来の、一元的で直線的な男性的なリーダーシップではなく、共感性や柔軟性があり、利他的で他人の話を聞く女性的なリーダー像である。

    これらが重要視されるようになった背景には、世の中が複雑化し、異なる業種のチームワークが欠かせなくなったことがあげられる。socialなつながり、相互依存、透明性がより大切になってきている昨今、互いに共感し、調整する能力がますます必要になってきているのだ。

    この本では、中東、南米、日本、中国等の実際の女性リーダーや、男性であってもつながりを大切にする女性”的”リーダーを紹介している。

    <感想>
     共感や思いやりがリーダーの資質として大切であることが前提の日本に暮らしていると、ことさらそれらを女性”的”としなくても、いいんじゃないかと思ったが、たぶんそれは日本の文化圏の特殊性なのかもしれない。
     欧米等の強烈でともすれば独善的な「リーダーシップ」に比べるとそれらの資質を女性的としてクローズアップすることにはそれなりに意味があるのかもしない、と思った。
     女性がリーダーになれば万事解決とは思わないが、”力強さ”よりは”柔軟性”がより有効な時代に入っているのかもしれない。

  • 図書館
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  • これからのリーダーシップは、女性的な要素が重要になってくる、という本。
    と書くと、「男性的とか、女性的とか、言っている時点で性差別じゃん」という声が聞こえてくる(私だけか?)が、ちゃんとした統計調査に基づいていて、タイトルのイメージから想像されるより、ずっとしっかりした本です。

    まず、グローバルなアンケート調査で、いろいろな資質が男性的か、女性的か、どちらでもないか、ということを調べる。
    そして、その調査をした人以外の人に対して、さまざまな資質が、リーダーシップとか、成功とか、幸福にどの程度関係しているか、という調査をやる。
    そうすると、これからは、従来、どちらかというと女性的と捉えられてきた資質が男性的とされるものよりも、重要性が高まっているという、分析がある。

    で、その実例をアイスランド、イスラエル、ブータンなどなど(日本も入っている)から、紹介してあって、最後にまとめ、という構成です。

    内容をあまり書くと、読む楽しみがなくなりそうなので、このくらいで。

    これをそのまま受け入れるかどうかは別として、なるほどそれあるよね、という共感と、久しぶりに思考を揺さぶるというか、これをどう展開するか、という刺激をうけた本でした。

  • 男性的な行動は現代社会の課題解決に役立たない。

    成功へのカギ(女性的リーダー像)
    つながり、、人脈を築き保っていく能力
    謙虚、、、よく聞いて学び、手柄を分かち合おうとする姿勢
    率直、、、包み隠さず誠実に話をしようという意志
    忍耐、、、解決策がすぐに見つかるとはかぎらないという認識
    共感、、、他者への深い理解につながる気配り
    信頼、、、信頼される実績と人柄
    寛容、、、全ての人や考えを受け止めるあり方
    柔軟性、、、必要に応じて変化、順応する力
    弱さ、、、自分は完璧ではなく失敗もあると認める勇気
    調和、、、調和の取れた目的意識

    米国では16歳人口の免許保有率が、1988年の44%から2008年には30%に低下している。同じ現象は欧州全域でも起きている。

    景気が悪化して失業率が上がるとボランティアは増加する。

    アイスランド新憲法前文
    我々アイスランドの人民は、機会均等な社会を築く事を望んでいる。多様な出自の人が集まる我が国の社会には、奥行きと深みがあり、我々は先祖から受け継いできたこの国とその歴史、自然、言語、文化に対して責任を負う。アイスランドは、自由、平等、民主主義、人権を土台とする開かれた主権国家である。政府は福祉の増進、文化の振興、さらには国民、国土、生物圏の多様性の尊重に努める。我々は現在及び将来の世代の調和、安全、幸福を増進したい。他国との和平に尽くし、地球と全ての人類を尊重する所存である。以上の理由から、全国民が従うべき最高法規としてここに新憲法を制定する。

    雇用、教育、健康などで見た女性の幸福度が、国民全体の幸福度を映し出す。

    長期的な変革を実現するには、リーダーは目標や理念への忠誠を、自身の栄達よりも優先しなくてはならない。

    弱さこそが変革をうまく推進するうえで最も大切な武器となる。

  • ヤマグチマリさんの絵柄に釣られた。
    女性的、というキャッチフレーズが何だかなぁとは思う。内容は強欲資本主義に代わる活動をしている人をひたすら紹介していて、読み物として悪くはない。
    しかし、、、わざわざ男性を貶め、女性を持ち上げる必要はないと思うが。キャッチが重要だったんだろうな。としか。

  • 『世界を変えるのは、女性もしくは「女性のように考える男性」である』というサブタイトルが印象的。各国の潮流(事例)紹介は、「なるほど~」とワクワクするものもあれば、あまりピンとこないものもあり。この流れが加速したら、私ももっといろんなことがやりやすくなるかもしれない。

  • リーダーシップについて考えているときに、トップダウンではない、しなやかなリーダー像ってどんなものだろう?ということを考えていた。その一つの解が、この本の中にあると思う。

    この本は、女性のリーダーについて書かれた本ではない。
    実際に本書の中では紹介されているケースには多数の女性リーダーが登場するが、重要なのは、それが実際に女性か男性かであるかということではなく、リーダーシップを構成する要素として、従来「女性的」とされてきた資質――共感力、利他、協力、コミュニケーション、忍耐強さ、柔軟性など――が、従来「男性的」とされてきた資質――強い、勇敢、決断力、プライドが高い――よりも重要視されているということが主眼である。まさにサブタイトルに「世界を変えるのは、女性と『女性のように考える』男性である」とあるように。

    そしてこの主張は、世界のGDPの65%をしめる13か国、6万5000人を対象にした調査の結果に基づく仮説からスタートし、世界各国の実際に取材して収集したケーススタディによって裏打ちされるという結果になっている。

    その膨大なケースが滅法面白い。
    ・ロンドンのカーシェアリング「ホイップカー」
    マイカーを見知らぬ人に貸し出すサービス。「人間は基本的に誠実だ」という前提に基づいて、効果的なテクノロジーとルールさえ整備すれば、愛車をきれいな状態できちんと返してもらえるということを証明している。価値あるものを短期間だけ必要とする人に、お目当てのものを提供する機会を提供するという発想。

    ・アイスランドの憲法改正
    2000年代初頭の金融バブルによって一時的に株式市場や不動産価格が高騰したが、バブルがはじけ、国の経済は一気に破綻。その後に登場した女性の首相が、思慮深さと責任感をもって全国民を巻き込んだ憲法改正を行い、そのプロセスをすべてネットで公開。それによりアイスランドの危機的状況は快方に向かう。

    ・イスラエルの都市ホロンの再生
    荒廃した都市を再生するため、「子どものための都市」という標語をかかげ、それを実現するためのプランを追加コストなしで実現したというもの。廃校を利用した博物館やアートセンターはほとんどが「手弁当で」とリーダーが頼み込んだおかげでほぼコストゼロに近かった

    ・ケニアの通信会社が金融機関を凌駕する
    携帯電話網が発達したケニアにおいて、金融機関よりも安全な送金手段をサービスとして提供したサファリコムの例。経済活動の活性化だけでなく、新生児死亡率の高さの改善や、子どもの教育といった生活全体の水準を引き上げるという方向へ。
    まだまだあるのだが、あげるときりがないのでこのへんで。

    上にあげたように、新規のビジネスを立ち上げたり、一部の国や都市で状況を改善した事例は数多く紹介され、これらは新しい時代の価値観の到来を予見される大変興味深いものだと思う。だがふと自分の身近に立ち戻ってみたときに、はたしてすでにある企業、営利を目的とした企業、大企業の中で、こういったリーダーシップの交代劇は行われるのだろうか?ということに思い当った。

    その答えはYesだと思いたい。
    古くからある企業、「男性的」な価値観が優位にあった企業で「女性もしくは女性のように考える男性」型のリーダーが出てくることにより、組織間の断絶や対立、そしてそれらにより発生する無駄なコストがなくなり、一つの方向を向いて新しいことを生み出せるようになるのではないか。そんな風に思います。

  • 世界中の多数の人が男性の振る舞いに不満を抱いている。今日の理想的なリーダーに求められる資質の多くは「女性的」と見なされている。

    男性の振る舞いに不満・女性のような発想で世の中がよくなると考えている人の比率が、世界に比べ日本はダントツ高い。未知の世界だからの幻想だったりして。

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