1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法

著者 :
  • プレジデント社
3.66
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本棚登録 : 571
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833423137

感想・レビュー・書評

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  • なぜこのタイトルをつけたのか、、。タイトルからは想像できないほど、内容の濃い本。
    銀行はお金の融資ではなく、個人の時間を融資する時代になるという、ライフシフト人生100年時代を読んだ時と似たような良いショックを受けた。

    21世紀は資本主義から信用主義へ。
    2020年を起点に、産業の中心は、関係づくりへとシフトし、コミュニティの形成と発展こそが経済の中心となる。おそらくあと10年で人が一番お金をかける対象は、高級車でもファーストクラスでもなく、臨在(優れた人の側にいること)になる。

    読み進めていくと、天性の才能、自分らしさ、それらを自分が理解していることがますます重要な時代になることがわかる。

    今年読んだ本ベスト3に堂々と入る本。


    ・日本全体の問題は、少子化でも高齢化でもない。正しく問いを立てる力の低下である。解を問うのが20世紀の教育だったならば問いを問うのが21世紀の教育だろう。だから私たちはもっと旅に出て、外の世界から考えなければいけない。グーグルはいつでも解を教えてくれるが、問いは教えてくれない。
    ・選択肢は自由を増やすことができる。そして自由は豊かさを増やすことにも繋がる。人はなぜ勉強すべきかといえば、この知識を得るためでもある。知識は我々に新たな選択肢を与え、執着や悩みを解きほぐす力になる。
    ・良質な本を読み流しているだけでも、自分の視野の狭さや洞察の浅さに気付かせてくれるし、読むことで自分の情報に吸着した意識を引き剥がしてくれる。
    ・手段は常に代替可能である。
    ・やがて人々の時間を預かり融資する時間銀行が出現し、個人の時間の価値に焦点が当たる時間がくる。
    ・多層的なコミュニティの時代では自分らしい生き方とは何かという本質的な問いを持ち続けることが重要になる。
    ・個性は信用主義においては天才性という言葉に置き換えられる。人生の幸せを決める要素の50%は自分の天才性に気づき、それを発揮しているかどうか、天職に就けているかどうかだと思っている。
    ・人と心がつながっているとき、もしくは期待と実態が一致しているとき、人は幸福を感じられれ。

  • タイトルからのイメージとは少し異なる内容だった。
    要点
    1)テクノロジーの進歩でライフスタイルが変わっていき、多くの人間が短時間働いて残りを自分のための活動に費やすことになる。
    2)新しい時代に効率よりも重宝される、文脈や思想を身につけるための指南

    ーーー
    1)テクノロジーの進歩でライフスタイルが変わっていき、多くの人間が短時間働いて残りを自分のための活動に費やすことになる

    自分の中でこんな世の中になったらいいなと思っていたことがわかりやすく言葉にされていた。
    ・信用で結ばれたコミュニティ内ではお金のやりとりしない
    ・コミュニティ外とのやりとりはお金を使う
    と2構造になる、という。

    「むしろ恐ろしいのは、本格化するであろう超記帳主義社会の到来である。
    ブロックチェーンがもたらす完全記帳経済は、やがて貨幣そのものを駆逐するだろう。個別の取引と信用がガラス張りとなる世界ではもはや、貨幣という数字にわざわざ入れ替えて取引する必要がない。しかしそこで人びとは、監視と社会的倫理に怯えながら資本主義社会を懐かしがることになる。
    その後、超記帳主義社会は記帳ブロックのクラッシュによって終焉となるだろう。それでも人びとは資本主義に戻らず、次の世界を選ぶ。それが信用主義だ。」

    「タテ社会ではお金が重視されるが、ヨコ社会では常に信用や文脈が重視される。
    お金(数字)という言語は、衣(医)食住を満たす領域で有効だった。なぜならそれらは必需品であり、一つひとつの製品・サービスに独自性を求められないからだ。
    しかし経済が進み、人びとがつながりや承認欲求といった社会的欲求を求めるようになると、お金ではその欲求が満たせなくなる。それよりもこれまで述べたとおり、文脈が求められるようになるのだ。
    特にヨコ社会のやりとりでは信用がお金を駆逐する。コミュニティの中ではなく、コミュニティとコミュニティの間でやりとりされる(価値観の違う人とのコミュニケーションに使う)のがお金なのである。
    (略)コミュニティの中ではお金の代わりにシェアや貸し借りなど、信用を中心とした経済システムが有効に働く。そしてお金を使わないということは、「文脈の毀損」を防ぐことが出来、健康的で心地の良い生活が送れる。それが、コミュニティが貨幣経済に関する問題の解決策となる理由である。」

    「21世紀、人がお金をかけるのは、プラスのピアエフェクト(好影響)を与えてくれる人材を側に置くことだ。おそらくあと10年以内で人々が一番お金を払う対象は「臨在(仏教用語で優れた人のそばにいることを指す)」になる。(略)関係こそが健康と幸福のすべてだと気づくからだ。


    ーーー
    2)新しい時代に効率よりも重宝される、文脈や思想を身につけるための指南

    「価値観とは時空を超えて物事を捉えることでいかようにも変わるものであることを示している。
    時間軸とは、過去や未来、空間とは自分以外の社会、文化、国のことだ。時空間を広げて見せることで、今ここにいる自分にとって重要な問題が問題ではなくなる。
    問題を解決したければ一度立ち止まり、まずは対象から距離を置くことである。」

    例)
    A もう限界だ、死にたいです
    B そうか、辛いことがあったんだな。ちなみに君は腕立て伏せを20回できるか?
    A え?いや、多分できません
    B そうか。では、君はヤギを20匹飼っているか?
    A いえ
    B そうか。でもな、世界には腕立て伏せが20回できないと死ぬほど恥ずかしい地域がある。(略)モンゴルやインドの田舎に行ったらそんなことは大した問題ではなくなるかもしれない


    「複数の選択肢がある人は一つの案に執着しないから幸せでいられる。幸福が人間の目的なら、真の知性とは、囚われない心をもつ力である。」

    「空間軸に関しても、ここをどれだけ広く取るかでより対象を俯瞰できる。
    空間軸うぃ広げる時に多用するのは、海外の事例である。
    たとえば結婚制度について考察したいのであれば、先進国の、たとえばフランスの多様なパートナー制度の動向を抑えない訳にはいかないだろうし、日本での最大の課題になりつつある孤独の問題については、2018年にイギリスに新設された孤独担当大臣の取り組みを調べておく必要がある。」

    「論理的に導かれた結果は、あくまでも”判断を助ける道具”として扱わねばならない。知性の活動は、論理学や数学と行った厳密な科学の領域を離れ、最も広い意味での芸術の領域に入る。ここでいる芸術とは、数え切れないほどの事象や関係の中から、決定的に重要なものを、判断力を働かせて見つけ出す技能である。言うまでもなく、この判断力には、すべての力や関係を本能的に比較する能力が含まれている。同時にそれは、関連性の低いものや重要性の低いものを即座にわきへ押しやり、演繹法では到底不可能な速さで当面の最重要課題を認識するのである」

    • agewallerさん
      ぜひ頑張ってください
      ぜひ頑張ってください
      2020/04/27
  • 最強。何度も読み返すべき本。

    • agewallerさん
      ありがとうございます
      ありがとうございます
      2020/04/27
    • netsurfer100さん
      こちらこそありがとうございます!
      私は現在大学4年生で、正直もし機会があれば山口さんの元で是非丁稚奉公したいと思っています!
      コロナで中止に...
      こちらこそありがとうございます!
      私は現在大学4年生で、正直もし機会があれば山口さんの元で是非丁稚奉公したいと思っています!
      コロナで中止になってしまった登壇イベントにも行きたかったです。もし再度開催することになったら是非参加したいです。
      2020/06/20
  • 1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法というタイトルだけど、すげぇ考えて本質や全体像を掴む必要があるから、それこそ3時間ではすまないよなぁと思った。まぁ、うつ病で頭が常にグルグルな私にはむいているのかも。思考法の部分は共感できた。

    自分をみつめて自分を売り込むポイントがどこか詳細を把握し、そこを伸ばしていくことが大事とのこと。自分をどれだけ見つめても、これができる最強だ、と思えることなんて見つからないけど。

    著者の成功体験が終始顔をだしている気がするところがある。おれは思考ができるから大丈夫だけど、あんたらどうすんの、この先大変だよ、みたいな。

    まぁ、こういう感想しか出てこない時点で、著者からしたらもっとよく考えろと言われてしまうだろうな。
    考えるための体調管理と読書は続けたい。



  • タイトルから想像していたものとは、
    良い意味で全然違っていました。
    この本は、人によっても、その人の今置かれている環境によっても、全然受け取り方も評価も変わってくると思います。

    もし、4年前会社を辞めていなかったら、
    また感想は違ったかも。

    今の自分にとってドンピシャだったので、
    とても腹に落ちましたし、
    2020年以降の未来像も納得です。

    サラリーマンとして働いた20代〜30代。
    フリーランスとなった40代。
    いろいろなコミュニティや組織に属しながら、
    『自分』を信頼してもらって仕事をしている状況にいると、
    もっともっと『自分』を高めたいと思ってきています。

    お金ではなく、信用主義の時代が到来することは、
    実際に周りのフリーランスや起業家仲間を見てても感じます。

    『他者への貢献(価値創造)の蓄積が信用となる』
    価値=(専門性+正確性+親和性)/利己心

    これを意識して自分の価値を高めていきたいです。

    タイトルは、
    『1日3時間だけ働いておだやかに過ごすための思考法』
    となっていますが、
    3時間だけ働いて楽に儲けよう!という話ではなくて、
    3時間だけ働いておだやかに過ごすことが
    幸せの定義だとしたら…
    (↑ここは人によって違うだろうし、
     要は、『幸せに過ごすための思考法』ってことなんでしょうが、タイトルとしてはキャッチーじゃないからでしょうね。笑)

    それを実現するための考え方を教えてくれる一冊でした。

    子供たちにも読ませたいなぁ。

    • agewallerさん
      ぜひ頑張ってください
      ぜひ頑張ってください
      2020/04/27
  • 【No.375】「かつてはウルトラクイズなど、知識が豊富であれば人気ものになることができたが、これからは情報量より、いつでもグーグルを検索して答えを引き出せる”うろ覚え力”が大切になる」「考えることは過酷な仕事だ。だからそれをやろうとする人がこんなにも少ない(←ヘンリー・フォード氏の言葉)」「思考と情報のパラドクス=情報はあくまでも思考の素材であり、目的ではないのだ。世の中は超情報化社会と言われるが、情報量が増えれば増えるほど人は思考しなくなる」「考える目的=代替案を出すこと、具体案を出すこと、全体像を明らかにすること、本質を見抜くこと」「複数の選択肢がある人は一つの案に執着しないから幸せでいられる。幸福が人間の目的なら、真の知性とは、囚われない心を持つ力である」「自分なりの思考の結晶を見て”ちょっと気持ち悪いな”と感じたら、まだ核心を突いていないということだ。その違和感は、”もっと先に到達可能な本質があるから、もう少し頑張れ”と教えてくれている」「信用の土台がなければお金を生むことはできない。金は信なり。まずはお金を得る前に、信用を築かなければならない」「ときには信用を得るために”いい人”を演じなければいけないケースが出てくるだろう。ただ、終始仮面を被る生活は健全な生き方とは思えない。重要なのは、できるだけ早くキャラクター設定をして、軸を持って生きること」「各自が自分なりのコミュニティ・ポートフォリオを持つことだ。つまり、自分の持っているリソースを、どのコミュニティにどれくらいの割合で割くのかについて真剣に考えないといけない」「これからの時代、信用は個人で作っていくものである」「自分には天才性などないとあきらめる人もいるだろうが、この世界にスーパーマンは存在しないし、存在してはならない。人間とは常に自分のわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存戦略とした生物種だから」

  • タイトルに「おだやか」って書かれている事に注目です。(お金持ちになるとは書かれておりませんよ。結果的にそうなるかもしれませんが。)MECEやロジックツリー等、
    思考法に関する本を読んでいれば一度は目にしたワードの解説が有ったりしますが、そこはこの書籍の本質ではなく、
    ”個人の「信用」を源泉としたマルチコミュニティでの活動”がキーポイントだと理解しました。時代にマッチしているんではないでしょうか。

    • agewallerさん
      ありがとうございます
      ありがとうございます
      2020/04/27
    • いっちーさん
      agewallerさん、こんばんは。もしかして著者の山口揚平さんでしょうか? コメント頂き、有難う御座いました。
      agewallerさん、こんばんは。もしかして著者の山口揚平さんでしょうか? コメント頂き、有難う御座いました。
      2020/08/08
  • 本書はタイトルに惑わされてはいけない。本書の本質は、思考とは何かということを問うた哲学書である(と私は感じた)。思考法のノウハウ本ではなく、本書を読むことで思考を体験することができるように構成されている(し、そのように読むことを著者も望んでいる)。
    そしてその先には、現代人の悩み、今後の働き方や生き方に関する提言もまとめられている。とにかく常に思考を続けることが重要である。
    これは、「メモの魔力」の著者である前田祐二氏の主張とも一致する。
    また、著者はこれまでに様々なことを思考し著作として出版しているので、それらを読んでみればより著者の思考とは何かを体験できると思われる。


    ・「解を問う」のが20世紀の教育だったならば、「問いを問う」のが21世紀の教育であろう。
    ・20世紀にお金を生むのは知識だった。そう指摘したのは経営学者のピーター・ドラッガー氏だ。21世紀では知識はお金を生まないだろう。知識は誰でも手に入る。お金を生むのは社会的関係(信用)である。ただ21世紀、知識はあらゆるコストを下げるために使われる。健康に関する知識があれば治療費や保険料が下がるのは言わずもがな、確かな知識と情報は購買にかけるコストをも下げる。
    ・世の中は超情報化社会と言われるが、情報量が増えれば増えるほど人は思考しなくなる。
    ・もし情報の洪水から逃れたいのなら、一定期間、情報を遮断することだろう。これを「情報デトックス」と言う。日本語の通じない海外に行くのも良いし、ネット回線がつながらない山奥の湯治場に身を置くのも良い。情報流入量を常に意識して、「思考量>情報量」という状態を維持することが大切である。
    ・「考えるとは、概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為」である。つまるところ、考えるとは「意識的な行為」なのだ。考えるとは頭を使うことだと一般に言われているが、そうではない。ではどういうことかと言えば、意識を使うことである。考えるとは、意識を使って情報を整理することだ。これがブレイン・アスリートの出発点である。そして、「意識を自由にコントロールすること」こそ、最終的な私たちの目的地である。
    ・目標を値化したところで経済が成長しない。21世紀における問題は、「あるべき姿と現状のギャップ」ではなく、「対立」だからだ。ここで言う対立とは、人が矛盾の両立を望んでいる状態のこと。そして矛盾とは人がAとBの両者を成り立たせようとして、「もがいている」状態であり、AとBを両者とも成り立たせるためには、上位概念のCの発見こそが必要なのである。それが21世紀的問題解決の特徴である。
    ・価値観とは時空を超えて物事を捉えることでいかようにも変わるものである。時間軸とは、過去や未来、空間とは自分以外の社会、文化、国のことだ。時空間を広げて見せることで、今ここにいる自分にとって重要な問題が問題ではなくなる。問題を解決したければ一度立ち止まり、まずは対象から距離を置くことである。そうすることで人は問題を矮小化させることができ、執着していた対象から解き放たれるのである。
    ・考える目的を端的に言えば、「代替案を出すこと」「具体案を出すこと」「全体像を明らかにすること」「本質を見抜くこと」の4つである。
    ・ジャックアタリ氏の「21世紀の歴史」「海の歴史」はお薦め。
    ・メタ思考の最終的な目的は本質を見抜き、核心を突く代替案を見つけることである。では「本質的」とは何かと言うと、3つの共通する要素があることがわかる。それは「普遍性(応用がきくこと)」「不変性(時が経っても変わらないこと」「単純性(シンプルであること)」だ。
    ・私たちはしばしば現状や過去に執着する。悩みの本質はいつも執着にある。執着は意識の焦点を固定させ、選択肢を欠如させる。一方、知識は我々に新たな選択肢を与え、執着や悩みを解きほぐす力になる。そして、この知識を使うことこそ思考の役割である。思考とは意識を振り向ける動作であり、知識を選択し、またそれらを結びつけたり切り離したりして新たな選択肢を作ることである。この「知識と意識(をコントロールする思考)」を組み合わせることで人生の自由度は大きく変わってくる。その意味において、知識と意識は思考の両輪と言える。

    ・通貨は信用から生まれ、信用は価値の蓄積で成り立ち、貢献には時間を費やす必要があり、時間は心身の健康を前提とする。つまり、通貨(お金)は健康(エネルギー)から生まれる。だからもしお金がほしいなら、まずは健康(技術と知識と行動)に投資すること。そのうえで、時間→価値→信用の順に投資していくのが資本主義社会の王道である。
    ・国や大企業に代表される中央集権システムは、図で表すと円錐のような形をしている。時間やお金を下から吸い上げて上から再配分するのが特徴で、すでにでき上がったマジョリティのシステムは基本的にこのような形をしている。これがいわゆるタテ社会である。
    ・一方で、これから社会の中心となっていくネットワーク社会とはフラットな世界で、資源を吸い上げる機構としての円心がない。必要な資源をその都度、横に配分していく。個人間の直接のやりとりもあれば、そのフラットな世界の中でハブとして機能する個人やコミュニティも乱立することになる。これがヨコ社会だ。
    ・現時点でヨコ社会の住民は主にタテ社会のスキームに収まらないマイノリティボ占めるが、いずれヨコ社会が経済の中心を担うようになる。
    ・複数のコミュニテイに同時に所属することが普通の時代になると、「自分とは何か?」について悩む人がきっと増えるはずだ。それを避けるためには、「自分とは様々な人格のポートフォリオにすぎない」という分人的な発想に切り替えることが重要だ。そもそも自分というアイデンティティは他者との関係性によって成り立つものである。
    ・コミュニティが変われば求められる役回りは変わる。だからこそ大事なことは柔軟性だ。必要以上に頑固にならず、環境の変化を素直に受け止め、場合によっては戦略的に人格を使い分ける。本当の自分など存在しないと悟ることができたら、気楽な生き方がしやすくなるだろう。
    ・ボランティアは信用主義経済や贈与経済を成り立たせる基本要素でもあるので、これからきたるべき経済を体験する良い予行演習にもなるだろう。理想を言えぽ、誰でもできる簡単なボランティアだけではなく、自分の専門分野や得意分野を活かしたもののほうがいい。いわゆるプロボノだ。
    ・ソサエティ(社会)からコミュニティ(共同体)へシフトする中で、私たちの働き方や仕事の変化を一言で言えば、それは労働から貢献へのシフトということになろう。
    ・そのためには一緒にいて気持ちの良い人になる必要がある。一緒にいて気持ちの良い人とは、一般的にはコミュニケーション能力の高さを意味するが、コミュニケーションカとは、言ってみれば「人との距離感のマネジメン卜」にほかならない。相手との関係にグラデーション(濃淡)をつけることである。
    ・もちろん、自分の好きなことに没頭しながら生きやすくなる社会ではある。でももし何かの世界で圧倒的な成果を挙げたいなら、目分のアトリエを飛び出し、知識を貰欲に学び、その知識を統合することにしか成功はないだろう。
    ・人は何かと「できる、できない」で選択肢を考えがちだが、今の時代、「やりたいこと」を優先すぺきである。人は好きなことをやっているときが最も集中しているし、スキルも上がるからだ。
    ・やる気さえあれば、自分が就職したい会社の事業についての知識や経験がなくても他での知見をその事業に適合させながら進化を促すこともできる。だから実績や経験がなくとも堂々とやりたいことのできる会社を選び続ければいい。必ず道は開けるし、実際、私の周りでそうした想いを捨てなかった人は、今やりたいことが存分にできる境遇を手に入れている。
    ・従来の社会の指標ではなく、自分たけの指標を設計しなければならない。最初は単純なものでいい。ナイキブラスでジョギングの記録をし、クックパッドのマイフォルダ機能で作ったレシピを増やし続け、農園を作り野菜を育て、収穫を記録すること。グーグルマップを使って自分が旅した場所に星マークをつけていくこと。小さな記録が小さな達成感を生み、成長を促す。少しずつ大きくて社会的な目標が生まれ、「じゃあ、人に貢献しくみよう」と思えるようになる。貢献をお金に変換するということができるようになる。それが新しい時代の仕事の方法である。
    ・人類史を振り返れば「個性」と「社会性」という相反する特性をミックスしたからこそ生物界のトップに君臨できたとわかる。人間はイナゴの大群ではない。人間とは個性と社会性という一見相反する要素を両立させることを生存戦略とした生物なのだ。しかしお金は、個体が持つ有機的な価値を減じた。ではどうすれば良いのか?答えは各人の個性の復権である。
    ・私は常々、人生の幸福を決める要素の50%は自分の天才性に気づき、それを発揮しくいるかどうかだと思っている。残りの半分は人によっては快楽かもしれないし、安らぎかもしれないし、アドレナリンかもしれないが、少なくとも50%は「天職」に就けているかどうかだと思うのだ。
    ・もし就職や転職を考えている人がいたら、自分が果たして何を得意としているのか、自己分析に徹底的に時聞き分けるぺきだ。
    ・先ほどいち早く天才性に気づけと書いたが、逆に言えば自分の天才性に気づくまでは安易に社会に出てはいけない。特に日本では新卒の価値が高いので、できるだけ長く大学に留まりながら色々な経験をしたほうがいい。天才性に気づく前に社会に出てしまうと信用力を稼ぐ原資もないまま、ただただAIとロボットにこき使われるだけである。年齢は関係ない。私自身、いっだって自分はどこに取り柄があるのか、毎日探している。
    ・自分の個性(天才性)はできるだけ微細なレべルで知っておく必要がある。「自分は電通に合っていそうだ」といった「企業レべル」の話でも当然ないし、「広告業に向いているかもしれない」といった「業種レべル」でもない。また「英会話が得意」と言つた「スキルレベル」でもない。たとえば接客が得意な人であっても、接客を要素分解していけば色々な強みが考えられる。中には相手のマイクロ・エクスプレッション(徴表情)を見逃さないことに関して卓越した能力を持っている天才もいるだろう。そのような才能を持っているなら接客にこだわる必要などなく、FBI捜査官や税関職員になるという選択肢が出てきてもいいはずだ。
    ・このように自分の武器が微細であるはど、様々な選択肢への応用力が増す。ただ、微細ということは知覚しがたいことでもある。それに気づく最も効果的な方法は、自信を持つことだ。「自分には絶対に何かしらの取り柄がある」と信じることができれば、短い時間でそれを見つけることができる。ただ、これも言うは易しで、よほどいい人たちに恵まれないと自信を持つことはなかなかできない。あなたが普段周りからよく褒められる要素は、まぎれるなく天才性のヒントとなると言っていい。
    ・自分には天才性などないとあきらめる人もいるだろうが、この世界にスーパーマンは存在しないし、存在してはならない。人間とは常に自分のわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存戦略とした生物種だからである。よって大切なことは「自分とは何か?」という定義を深めていくこと。そして、新たに定義した自分を広く世界と分かち合っていくこと。それはつまり、自我を弱めつつ、同時に、自分自身が外に向けてのインスピレーターたることだ。スべシャルな存在を目指すのではなく、ユニークな存在を目指そう。
    ・今は、努力して成果を挙げる能力より、最小限の力で効率的に成果を挙げる「コスパ力」が求められている時代である。そして、あと少ししたら努力もコスパも意識せず、今あるもので満足する「期待値コントロールカ」が主流の時代になる。そのためにも、SNSをやめることだ。人間の不幸には2種類あると誰かが言っている。一つは「自分に降りかかる不幸」で、「もう一つは他人に降りかかる幸福」である。SNSはこの2番目の不幸を誘う。

    • agewallerさん
      ありがとうございます
      ありがとうございます
      2020/04/27
  • 著者の作品は初めてであり、少し特徴のある、哲学的というかなんとも表現しづらい文体に若干戸惑いを持ちつつ読みました。
    働いている環境などが違い、個人的に参考にできる点は限られているように感じましたが、これからのAI時代への臨み方として、考えることの重要性、そして何を考えるのかといったところを著者なりの視点で解説しています。
    また、文中にある、非貨幣経済、つまり資本不義経済から信用主義経済という流れは、ほとんどイメージできなかったのですが、今後、人間にしても、産業にしても、「関係」というものが重視されるというのは、何となく分かる気がします。
    単なるAIへの対応という面だけで読むのではなく、将来がどのように移っていくか、特にオリンピック後がどうなるのかを想像しつつ読み進めるといいと思います。


    ▼アインシュタイン「あらゆる問題はそれが起こったことと同じ次元で解決することはできない」
    ▼日本全体の問題は、少子化でも高齢化でもない。私たち現役世代の、正しく問いを立てる力の低下にある。「解を問う」のが20世紀の教育だったならば、「問いを問う」のが21世紀の教育であろう。だから私たちはもっと旅に出て、外の世界から考えなければいけない。グーグルはいつでも解を教えてくれるが、問いは教えてくれないからだ。
    ▼20世紀にお金を生むのは知識だった。そう指摘したのは経営学者のピーター・ドラッカー氏だ。21世紀では知識はお金を生まないだろう。知識は誰でも手に入る。お金を生むのは社会的関係(信用)である。ただ、21世紀、知識はあらゆるコストを下げるために使われる。健康に関する知識があれば治療費や保険料が下がるのは言わずもがな、確かな知識と情報は購買にかけるコストをも下げる。
    ▼「考える」の定義:「考えるとは、概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為」
    ▼本質を考え抜き、たった一つのことを行うことで、結果的に効率性をもたらす。たった一つの最も重要な因子(レバレッジ・ポイント/ホットボタン)を見つけてそこに注力すること
    ▼AIを脅威に感じる人も多いだろうが、それは問題にならないと思っている。AIは計算は行うことができるが、思考はしないからだ。思考とは意識的な作業であり、意識は次元を超えて漂う。何かアイデアを考えるときも、人間であれば次元の異なるものを組み合わせることができる。一方、AIは同次元で平面上の計算を膨大に行うが、次元は超えられない。そこが人間と決定的に違う。
    ▼考える目的
    ①「代替案を出すこと」
    ②「具体案を出すこと」
    ③「全体像を明らかにすること」
    ④「本質を見抜くこと」
    ▼頭の良い人=きわめてメタ(抽象的)な本質をいくつか押さえており、枝葉末節の問題を解決する
    「本質的」に共通する3つの要素
    ①「普遍性(応用がきくこと)」
    ②「不変性(時が経っても変わらないこと)」
    ③「単純性(シンプルであること)」

    ▼思考力を鍛える「3つのサイクル」
    ①考える:考えることにコミットすること
     ・見えている結果ではなく原因を考える
     ・「だいたいこんなものだろう」と妥協しない
     ・気持ち悪さを大切にする
    ②話す:口グセを変える
     ・プレゼンの機会を積極的に作る
     ・生徒ではなく先生になる
    ③書く:思考を形にする
     ・図で書く
     ・内容をごまかさない
    ▼知識があれば選択肢を増やし、選択肢は自由を増やすことができる。そして自由は豊かさを増やすことにもつながる。人はなぜ勉強すべきなのかと言えば、この知識を得るためでもある。

    ▼イノベーションは常に「周辺」から起こる。なぜなら「周辺」は「現実」とこすれ合い、摩擦し合っているからだ。日本のコアである霞が関は現実に触れていないので、そこでは空論ばかりが飛び交う。
    ▼日本企業の強み:価値観を共有したメンバーがすり合わせながら一つの製品を作る力
     →差別化の難しい製品の増加→高度なすり合わせ文化が生きてこない
     欧米:すり合わせ組織文化ではなく、天才たちによるアルゴリズムの開発に強みの本質
     →日本はこの分野が弱い。日本が強いのは、アルゴリズムからソフトウェア・ハードウェア、ネットワーク、サービスまでの長いバトンリレーを経てユーザーに価値を提供する仕組み。
     →古くは造船、自動車が対象だったが、今後取り組むべきは、本格的なロボティクス(ロボット工学)や宇宙開発
    ▼人類史を振り返れば「個性」と「社会性」という相反する特性をミックスしたからこそ生物界のトップに君臨できたとわかる。人間はイナゴの大群ではない。人間とは個性と社会性という一見相反する要素を両立させることを生存戦略とした生物なのだ。しかしお金は、個体が持つ有機的な価値を減じた。ではどうすれば良いのか?答えは各人の個性の復権である。
    ▼人間とは常に自分のわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存戦略とした生物種だからである。


    <目次>
    第1章 思考力は AIを凌ぐ武器になる
    ・思考は情報に勝る
    ・考えるとは何か?
    ・なぜ考えるのか?
    ・考える真の目的とは何か?

    第2章 短時間で成果を出す思考の技法
    ・日々、どのように考えれば良いのか?
    ・物事を考えるのに役立つ4つのツール
    ・未来をも見通す思考の哲学

    第3章 2020年から先の世界を生き抜く方法を考える
    ・アフターオリンピック(2020年以降)の世界
    ・お金はこの先どう変化するか?
    ・経済にお金は必要か?~非貨幣経済の出現~
    ・社会は溶け去り、マルチコミュニティの時代へ
    ・2020年以降、「仕事」はこう変わる
    ・日本の産業はロボティクスに注力せよ
    ・個人から「関係」にシフトする

    • agewallerさん
      ありがとうございます
      ありがとうございます
      2020/04/27
  • 私も穏やかに暮らしたい。

    • agewallerさん
      ぜひ頑張ってください
      ぜひ頑張ってください
      2020/04/27
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著者プロフィール

早稲田大学政治経済学部卒業。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化する「シェアーズ」を運営、2010年に一度売却するも、2012年に買い戻した。現在はコンサルティングなど複数の事業・会社を経営する傍ら、執筆・講演を行っている。専門は貨幣論・情報化社会論。

「2015年 『10年後世界が壊れても君が生き残るために今、身につけるべきこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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