- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784833440240
感想・レビュー・書評
-
二人の著者が、子供の頃からどのように勉強してきたのかを振り返りつつ、読者にも応用できるよう一般化を目指した本。勉強を楽しんでいる子供の特徴に、父親の教育への関わり方が共通していると言われているところが、興味深かった。父親が積極的に子供への教育に関わり、しかもよく話をする父親の子供は勉強をしっかりやっているというのだ。おしゃべり上手で教育パパ。
山口さんの勉強法の一つ、一冊の本を七回読み理解を深める「7回読み勉強法」が紹介されている。こんな方法をどうやって思いついたのか?とも思うのだが、論より証拠で実践してみたいと思った。詳細知りたい人は是非本書でご確認を。
著者のお二人はともに東大をご卒業されている。しかも超優秀な成績で。でも、天才ではなく、人一倍勉強に時間をかけてきて、脳みそを磨き上げてきたという。こんな人達でも、かなわないようなすごい人はいるというコメントがあった。そんな人達がいてくれるおかげで、我々凡人も助けられていることがあるのだろうなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
才女で高学歴の二人だが、勉強については、コンプレックスが原動力となったと語る。中野信子は体力を補うために省エネで本質を掴もうとする努力。適応できぬという自己分析を起点にする。山口真由は、効率よくマルチタスクができず、母親との買い物で期限つき決断を迫られた原体験を。
努力そのものを楽しむと言う罠にはまってはならない。最短距離で能力を上げる戦略を実行すべき。この言葉は、中野信子。努力型の山口真由とは少しニュアンスは異なるが、重ならない事もない。共通するのは、自分で自分のことをわかっているというメタ認知の大切さと、勉強を好きであるという事。
本来、学びとは義務と喜びの二層構造になっている。我々は、この義務の部分に辟易し、喜びを手放してしまうのかも知れない。脳科学の観点では人間はそもそも学ばないことがストレスになる生き物なはずらしい。ずっと同じ環境にとどまることに耐えられず、日常生活で同じことを繰り返していると嫌な気持ちになり、今までとは違う天地を求めて転職や移住を試みたりする。
中野信子が講演で話していたアート論。現生人類とネアンデルタール人の違いは、現生人類が見せた特徴的な行動、オーナメント(飾り・装飾)の使用。美しいと言う感覚が、身に纏うものに対して権威を与え、集団の意思を統一することもできたし、戦争をさせることも農耕をさせることもできたという仮説。アートのような作り物が人類をここまで生存させてきたとも言える。ユヴァルノアハラリの言う、サピエンスによる虚構を信じる力と同義だ。
人類は今でもこのアートに象徴される権威を項目は複雑だが序列をデジタルにする事で比較しやすくしてきた。虚構の体系化と言おうか。それがつまり、偏差値教育、年収、投票数、資格制度、就職先。身長や顔面偏差値など、直感を逆算したものも。学びがこうしたモノの手段となれば、それが義務の部分を生むのだろう。
比較しない事。数値の虚構から抜け出るのは、サピエンスへの裏切りか。いや、集団と同調せぬ個体は種の生存戦略にとって必要な存在。つまり、学びに喜びを感じる人は、一定数、構造上発生し、彼らこそが知的活動をリードする事になるのだろう。皮肉な合理性だ。比較するシステムが学びの楽しさを奪い、それでも奪われない一部の人間を選別、淘汰する事になるなんて。 -
勉強に対して前向きになれる、勉強したいなと思わせる本でした。
-
勉強を好きになること、よろこびとしての学び、天才でなければ努力型になるしかない、7回読み、先に全体を読んで地図を作る。
たしかに学生時代、教科書が届いたら好きな科目はザーッと読んで安心感を味わおうとしてた記憶がある。好きなんだと思うことで頑張れた気もする。
81冊目読了。
-
山口さんが書かれてい事は以前読んだ本にも載っていた事が殆どだったので新たにビビっと感じる文章は無かったのだが、中野さんの勉強法「義務としての学び・喜びとしての学び」の二層構造の話や「エピソード記憶」勉強前に「地図を作る」等、自分に役立つ情報が多かった。その中でも「どんなことでも楽しんだもの勝ち」という言葉はこれからの自分のテーマにしたいと思っている。
-
印象に残った箇所については、以下のとおり。
【P26】ここまでのことを端的にまとめると、自分にとって効果的な学びをするには、「己を知る」ことがとても大切だということです。
わたしは、「己を知ること」が、学びの9割をも左右すると考えています。
【P54】だからこそ、「苦しいな」と思ったら、それは生きてる証拠だと思うことが大切。もう少し踏み込めば、このような態度を生きていく土台にすることです。
【P93】本当につらいのは、その仕事や勉強自体ではない。それまで築いてきた自分のノウハウに疑問を抱き、出口を見失うからではないでしょうか。
だからこそ、大きな壁にぶちあたったときに、立ち戻るべきはたったひとつ。
自分の得意な土俵で戦う。
無理をする必要も、背伸びする必要もありません。自然にうまくできることや、好きな方法で戦うことこそ重要なのです。
【P148】自分の得意分野を見極めるために、わたしがよく使う方法を紹介します。それは、「読む」「聞く」「書く」「話す」の4つの行動で、自分を分析する方法です。
【P171】知らないことは、怖いことではありません。知らないままでいるから、いつまでも怖いのです。努力と勉強が本来持つ力とは、まさに不安や恐怖を乗り越えて、「前を向く力」を与えてくれることなのでしょう。 -
お二人の勉強法が対照的で、自分に合った勉強法を見つけることが大切という言説に納得。
子どもに自分のやり方を押し付けてもうまくいかないかもしれない。
知ること、学ぶことって純粋に楽しいよね、に共感。
知ってることが多いと世界が広がる、この感覚が楽しいし、いろんな角度で考えることができるし、これからも好奇心旺盛にいろんなことを知ることに貪欲でいたいと思った。 -
選ぶのも自分、やるのも自分。
今回は素直にやってみようと。