「家をつくる」ということ―後悔しない家づくりと家族関係の本

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  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833490283

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  •  家をつくるということの根底には、家族とどう向き合うか、
    家族を常に念頭に置かなければいけません。

  • 365.3/F68/2793
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  • 現在の日本で「家をつくる」ことについて小説家の視点から考察した1冊。作者と、日本人の家作りに関して問題意識を持つ精神科医との偶然の出会いがこの本の誕生のきっかけで、その後、作者の取材と精神科医との対話とを通して考察が進む。

    「家」というモノに対する考察から始まり、視点は住宅における「靴脱ぎ」やリビングのあり方(欧米のような公の空間か、日本のような私的な空間か)へと移っていく。そして日本人の公と私に対するあいまいさが、現在の社会のありように対処できていないという考察に至る。

    現在の情報化社会を西欧的な公私の線引きが明快な論理で構築された「言葉の時代」とし、対して日本人のあいまいな公私感ではその論理=情報化社会には対応できない、という視点は建築専門の書籍にはない、作家ならではの視点だ。「日本の居間には言葉がない。ただ「気配」があるだけなんだ。悲しいことに「気配」は情報時代の新しい言葉にはまったく無力なんですよ」という件には、「気配」から後の「空気読み」に至る作家の関心の萌芽が見て取れる。

    結局は家をつくる当人が、将来に渡る長い時間のなかで家族とどのように生きていくかを少しでも具体的に思い描くのが大事なことであり、そこに「家をつくる」ということの前向きな可能性があるのだと考えた。

    これから家づくりを考えている方にはお勧め。

  • 欧米の家族には情報時代に対抗できる同質の言葉がある。彼らはこれまでもそれをフルに活用して家族を成り立たせてきた。彼らの住まいには公的空間がある。それは突き詰めるとイエス、ノーのはっきりした言葉の空間なんだ。   日本の居間には言葉がない。ただ気配があるだけなんだ。悲しいことに気配は情報時代の新しい言葉には全く無力なんですよ  個を確立するということは、言葉を獲得し自己認識を確立するということである。それは他者に自己を表現し、他者の存在を認識する手だてとなる。私たちは、その意味で個を確立しているだろうか   情報とは言葉であり、そしてその言葉はソリッドである。曖昧さを徹底的に排する。いま政治、行政、企業といった分野で同時に発生している遅滞や混乱は、情報時代の到来と強く関連づけられる。それはすなわち言葉の時代である。行政と政治とは言葉の集積と処理にほかならない。学校、地域も言葉の時代に対処できないでいる。学校の言葉は世界化した情報時代の言葉でなく、旧時代のいわば気配の言葉である。気配の言葉と情報の言葉とのギャップが開けば開くほど、学校は数値という近代主義の衣を厚くして、ほころびを隠そうとしている。

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著者プロフィール

1992年『運転士』で芥川賞受賞。ノンフィクションでは『「家をつくる」ということ』『暴走老人!』『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』など。

「2021年 『スマホ断食 コロナ禍のネットの功罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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