ねむりひめ (世界傑作絵本シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834000146

感想・レビュー・書評

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  • ディズニー映画【眠れる森の美女】の続編&リメイクとしてもうすぐ公開される映画があるという。
    ああ、最近よくTVで流れているあれね、とすぐ気がつかれる人も多いことだろう。
    でも案外原作は知られていないもの。
    グリムによる【いばらひめ】とか【ねむりひめ】とか呼ばれているそれである。

    中でもこのホフマンによる挿絵はそれはそれは美しいので、この機にぜひご一読を。
    抑えた色調の渋めの絵と、構図の良さ、空間の白もよく効いていて、森も塔も城も、まさにそれらしく見えるのが不思議。
    ファンの方には申し訳ないが、ディズニーアニメなどは足元にも及ばない名作だ。
    今読み返してみても、本当によく出来たお話で、特にお城の中の者たちが眠りにつく描写などは、お城の奥行きが感じられてとても素晴らしい。
    その後の時間の経過と、変わりゆくお城の有様も実に上手く、圧巻なのは見開きであらわれるいばらの城の絵だ。
    【誰も見たことのない城があって、眠り姫というこの上なく美しいお姫様が100年もの間眠っている】なんて、この王子でなくても行ってこの眼で見てみたくなるというもの。
    よくもまぁ、こんな壮大でロマンティックなお話を考え出したこと。
    ディズニーアニメでは登場人物がことごとく大人っぽくて、どうにもなじめなかったのだが、この本では作品中の年齢にふさわしい15歳に、ちゃんと見える。

    ところで、姫は「つむ」というものに指を刺されて眠りにつくのだが、これが分かりにくいので少し調べてみた。
    漢字で書くと『紡錘』であり、古語で表現すると『つむ』になるらしい。
    糸をつむぐ道具のひとつで、画像で見るとなるほど先端が尖っているがなぜこんなに尖っているのかが分からない。
    ご存知の方がいらしたら教えてください。
    約10分。4,5歳から。

    • nejidonさん
      淳水堂さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      ホフマンの絵が入った作品をまだ載せるつもりでいるのですが、先ずはこれからにしま...
      淳水堂さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      ホフマンの絵が入った作品をまだ載せるつもりでいるのですが、先ずはこれからにしました。
      ちょうど、TVで盛んにリメイク版のお知らせが流れていますので。
      本当に素敵な一冊なのですよ。
      子どもたちには、良質なものに出会ってほしいものです。

      そうそう、その「クルクル」の部分が「つむ」です。
      しかし、「つむ」の解釈もいろいろなんですね(笑)
      岸田今日子さんの原作なんですか。笑えます!
      どなたかご存知の方がいらっしゃると良いなぁと思いながら、このレビューを載せました。
      あの形状は危険極まりないですものね。
      私が糸紡ぎ女だったら、緊張でほとんど糸が紡げなかったと思います(笑)
      2014/07/02
    • だいさん
      横から失礼します。
      マリー・ボナパルトですかね?
      眠れる森の美女が糸車の針で手を傷つけられるというのは、少女がクリトリス段階から膣段階へ...
      横から失礼します。
      マリー・ボナパルトですかね?
      眠れる森の美女が糸車の針で手を傷つけられるというのは、少女がクリトリス段階から膣段階へ移るまでの、象徴として使っている。らしい。
      2014/07/25
    • nejidonさん
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      お返事がすっかり遅くなってしまってすみません。

      マリー・ボナパルトは未読で...
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      お返事がすっかり遅くなってしまってすみません。

      マリー・ボナパルトは未読ですが、フロイトと親交のあった人でしたよね?
      フロイトなら学生時代に読んだことがあるのですが・・
      なんや、このおっさん!そればっかりやな!という程度の読後感でして(笑)今読んだら違うのかな?
      しかし、眠れる森の美女のその説は、子どもたちには話せませんね(笑)
      2014/07/28
  • 有名なお話でラストもわかっているのに、読みながら、見ながら、ぞくぞくと震えが来てしまいました。呼ばれなかった占い女の口惜しさが、なんだか自分にも理解できてしまって…。お城の全員が100年たって目が覚めたら、その世界だけ時代に取り残されているんだろうな、みんな浦島太郎的気分になるんだろうな、なあんて、眠り姫後日談を勝手に妄想してしまいました。

  • 絵の静かさが怖い。
    テレビをつける度に目にする魔女の様に激しく登場しないのに、むしろ色味が少ないのに、13ばんめのうらないおんなの登場にシーンとする。
    城を覆ういばらにも言葉はいらない。
    なのに、100年たったとたん、ふんわりとした気持ちになる。寝顔が幸せそうたからかな。ついつい城ごと浦島太郎って大丈夫?なんて気持ちにもなるけれど。
    絵の素敵さにクラクラする絵本。

    • nejidonさん
      shuwachoさん、こんばんは♪
      この本、読まれたのですね!
      ホフマンの絵が絶品でしょう?
      はじめにこれを読んで、その後アニメを見る...
      shuwachoさん、こんばんは♪
      この本、読まれたのですね!
      ホフマンの絵が絶品でしょう?
      はじめにこれを読んで、その後アニメを見ると非常にがっかりする仕組みになっています(笑)
      私がいいなぁ思うのは、お城の者がみんな一緒に眠ったという点。
      そして目覚めるのもみんな一緒だという点。
      本当に良くできた話で、グリムさんは偉いなぁと思いますね。
      2014/08/21
    • shuwachoさん
      ホフマンの絵は本当にとても素敵でした。
      でも大人向けですねー。うちのチビちゃんたちには不評です。><!
      私はディズニーアニメでは「眠れる...
      ホフマンの絵は本当にとても素敵でした。
      でも大人向けですねー。うちのチビちゃんたちには不評です。><!
      私はディズニーアニメでは「眠れる森の美女」は好きなほうですが、あっという間に起きちゃうし、王子とも相思相愛というのは、確かに平べったいお話になってるのかも。
      わかりやすいですけど^^。
      2014/08/22
  • フェリクス・ホフマンの絵によるグリム版「眠り姫(いばら姫)」
    ホフマンの重厚な絵が芸術的でうっとりする。

  • 文章が美しいです。
    静謐な絵もすばらしい。

    読み聞かせにもいいですね。

  • 読み聞かせにどうかしらと借りましたら、私のほうがすっかり魅せられて夢中になってしまいました。私の生まれるずっと前(いや、そんな前でもないか)に生まれた絵本。現在の絵本にはなかなか見られない絵の美しさにほぅっとなります。この色合い!その繊細さ、素敵過ぎます!占い女の呪いで100年の眠りについてしまったお城の人々、その時間。月夜の明かりに浮かぶうっそうと茂るいばらに囲まれたお城が幻想的で美しい。表紙が綺麗で飾っておきたくなるほど。こういう絵本こそ大切にそばに置きたいな。いつでも好きなときに浸れるように。

  • お姫様をひとりで寝かせるんじゃなくて、おうさまやおきさきさま、けらい、うまやいぬもみんなで寝ちゃうとこがいい。これで寂しくないもんね。
    そして100年の眠りから覚める頃に王子様が迎えに来るってホントロマンチックだなぁ♡

  • 表紙の絵が一番好きです。

    待望の女の子が生まれて、お祝いをした国王夫妻は、うらないおんなたちを招待しました。しかし、ひとりだけ招待されなかったうらない女から呪いを受けた姫は、15歳になるとつむに刺されてお城ごと100年の眠りについてしまいます。

    声に出して読んだ時、びっくりするくらい読みやすいと思ったら瀬田貞二さんでした。ほれぼれする美しい世界だと思ったら『おおかみと七ひきのこやぎ』のフェリックス・ホフマンでした。

    表紙に使われているシーンの絵から、王様が王女のことが大切で仕方がない様子が伝わってきます。抱きとめている手の感じとか、とても好きです。この二人の視線の先が、国中のつむが焼かれる風景につながるように描かれているのが面白い。
    お城の風景も素晴らしく、すべてが眠りについている場面は特に印象的でした。死とは明らかに違う空気で、100年間いばらに守られて眠っているお城の不思議さを体験できる絵本です。

  • 4歳5ヶ月 図書館
    最後まで聞いてくれなかった。もう少し大きくなったら再チャレンジしたい。

  • 2017.8.23
    子どもの頃何回も読んだ絵本。読んでたというより眺めてた気がする。この絵とこの色遣いの印象が強い。物語はもちろんだけど、絵も美術館の絵画のようなすばらしさ。こんな絵を見せられると、お姫様好きじゃなくても西欧に、貴族の世界に惹かれる。この前読み返してみて、ねむりひめのお話ってこんなにおもしろかったのかと改めてこの絵本の凄さに驚いた。

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著者プロフィール

グリム兄弟は、兄のヤーコプと弟のヴィルヘルムの兄弟。ドイツに伝わる昔話を集め、1812年に大人のために書かれた『子どもと家庭のための昔話集』として出版。「白雪姫」や「ヘンゼルとグレーテル」など、兄弟が集め改訂を加えた200以上ある物語は、「グリム童話」として世界各国で親しまれている。

「2022年 『こわいものなしの六人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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