うさこちゃんとうみ (ブルーナの絵本)

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  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834000221

感想・レビュー・書評

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  • 酒井駒子さんにとって、思い出深い作品でもある、本書は『1才からのうさこちゃんの絵本』の二作目にあたります(1964年)。

    前回は、私が初めてということで、主に、うさこちゃんの絵本の構成やデザインに注目して、1才から読ませるべき主旨のようなものを書いたつもりでしたが、今回は、シンプルな文章と絵の中にも、想像力を心地好く刺激する楽しさを、大人の私でも感じることが出来た、ストーリーメインで書いていきたいと思います。


    あるひ とうさんの ふわふわさんが
    「きょうは さきゅうや かいのある
    おおきな うみに いくんだよ。
    いきたいひと だあれ?」と いいました。

    さきゅうって、あの「砂丘」のことですよね。
    1才からにしては、ずいぶん渋い言葉をチョイスするなと、さっそく気になりましたが、その右ページの絵には、ふわふわさんのアップしか描かれてないし、これは言葉のイントネーションを楽しむのか、それとも、「さきゅうって、なあに?」と、もう質問出来るお年頃なのだろうか。

    ただ、私がそれ以上に気になったのは、お父さんが『いきたいひと だあれ?』と、分かってるくせに敢えて問いかけてるのに対して、迷わず、うさこちゃんが「あたし あたしが いくわ!」と、元気に答える、このやり取り、家族っていいなと思いました。

    そして、この後、ふわふわさんは、うさこちゃんを、まるでトロッコ列車のような車に乗せて、引いていってくれるそうで、

    「そうすれば おまえも くたびれないで
    はやく うみに つけるからね」

    なんて、言ってくれるのだから、お父さん優しいね。

    道中、その「さきゅう」を上ったり下ったりして、着いたのは、レトロなテントも素敵な海岸で、うさこちゃんは車を降りながら、

    「ああ はやかった らくだった。
    とうさんは うまみたいに ちからもち」

    うさこちゃん、良かったね。
    それから、『うまみたいに』という例えは、当時の時代性を感じさせるものもあって、印象的でした。

    そして・・ついに海ですよ!
    さあ、喜び勇んで、うさこちゃんは服を脱ぎ、水泳パンツをはきました。すると・・

    とうさんは おどろいて いいました。
    「おまえ ひとりで はけたのかい?」

    うん、確かにそれも凄いと思うんだけど・・・
    うさこちゃん、上、上!
    と思って調べてみたら、オランダでは結構多いそうです。行ったこと無いから何とも言えませんが・・

    その後、ふわふわさんが、シャベルとバケツを用意して、うさこちゃんに大きな砂山を作れるか呼びかけた時、ああ、車から飛び出してたのは、シャベルの柄だったのねと気付く。

    『うさこちゃんは いっしょうけんめい
    すなを ほっては つみあげました。
    ほら すなやまは おおきくなって
    うさこちゃんの あたまが みえるだけ。』

    この『いっしょうけんめい』という言葉、うさこちゃんの絵本だと、なんて健気なんだろうと感じさせられて、更に右ページでの、うさこちゃんの口元が見えない絵には、何かレアなものを見たような気分にさせられて、こういうところって、お子さんは、すぐに反応するんじゃないかな、と思いました。

    その後、うさこちゃんは、波打ち際で貝をバケツに入れたり、ふわふわさんと海に入って、水の掛け合いっこをしたりと楽しそうで、この辺は、普遍的海の醍醐味のようにも感じられて、いつの時代も、感覚的に楽しいと思えることは一緒なんだなと嬉しくなりましたし、右ページの絵の、うさこちゃんは、冷や汗をかいているようにも見えて、とても可愛かったです。

    それから からだを かわかすと
    とうさんが うさこちゃんに いいました
    「もっと あそんでいたいけど
    もう かえらなくちゃ ならないな」

    って、ずいぶん唐突だなとは思いましたが(笑)、
    こういう台詞の挟みどころは難しいよねと思いつつ・・よくよく見ると、ふわふわさんはトップレスじゃ無いんだね。まあ、別にいいけど。

    しかし、そこはやはり、うさこちゃん。
    予想通り、「もっと もっと いましょうよ!」と、アピールしますが、右ページの絵を見ると、ちょうど出発するときと良いコントラストになっているのが、また可愛らしくて、シンプルな絵と文章なのに、それらを合わせることで、うさこちゃんの想像の世界は、子どもたちそれぞれに異なり広がっていくのだから、やはりブルーナって凄いんだなと感嘆いたしましたし、上手い具合に、前作と同じオチになっている点には、ブルーナのユーモラスでオシャレな一面を感じられました。

  • パキッとした原色の色使いと、大きく分かりやすいシンプルな絵が外国作品らしい絵本で、
    小さな子は好きだし、印象に残ると思います。
    正に絵を見る本です。

  • トーハンの「ミリオンぶっく2013年版」にあったので、図書館で借りた

    うさこちゃんが、お父さんのふわふわさんと一緒に海に遊びに行くおはなし

    ブルーナの魅力に気づいたのは、ここ数年だ
    簡潔な線と限られた色が組み合わさると、とてもクールだ
    作中の「くるま」はベビーカーみたいなものだと思う
    遊び疲れて、帰りにそのなか(やおんぶやだっこ)で眠るというのは、子どもの幸せの代名詞ではないかと、私は思う
    うさこちゃん、良かったね

  • よく覚えてる、生まれて初めて読んだ絵本。ミッフィーちゃんやなくて、うさこちゃん。
    わたしが絵本作家になりたいと思ったのはブルーナさんの作品をみてきたからだ。

  • うみに入るところで、おみず?おふろ?、色んな貝の絵を見て、ぼーち(ぼうし)?と疑問だらけの2歳1ヶ月。

  • 海パン姿のミッフィーを見て
    「女の子だよね?」と確認してきた娘。
    3歳10ヶ月

  • お父さんと一緒におでかけいーね

  • くるまに「のりたい!」といっていた。

  • うさこちゃんのお話はまだ沢山は読んでいないけど、お出かけする時はお父さんもお母さんも、きちんとうさこちゃんの意見を聞くところが素敵だなと思う。大人だから〜〜してあげる、ではなく対等な立場で接しているところが素晴らしい。ぜひ真似していきたい。

  • おうちにあるえほん。うさこちゃんのえほんはあかちゃんのころからすき。
    いもうとにもよんであげる。みずぎがパンツなのがおもしろい。

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著者プロフィール

1927年、オランダ・ユトレヒト生まれ。 絵本作家・グラフィックデザイナーとして世界的に活躍。 現在までに120タイトルを超える絵本を刊行。全世界で約50カ国語に翻訳され、8500万部以上のロングセラーとなる。日本でも代表作の1964年『ちいさなうさこちゃん』(福音館書店刊)出版以来、日本のみでも5000万部以上の絵本を刊行。また絵本創作以外にもユニセフ、赤十字や「WORLD PEACE IS POSSIBLE」など、社会活動の為のポスターやロゴも多く手がけている。

「2015年 『BLACK BEAR Notepad』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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