三びきのやぎのがらがらどん 北欧民話 (世界傑作絵本シリーズ・アメリカの絵本)

  • 福音館書店 (1965年7月3日発売)
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本 ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784834000436

感想・レビュー・書評

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  • 椎名誠さんの『アイスランド』にこの絵本が登場するので、その話をしたら、「うちにあるわよ。保育園では劇化されることが多いのよ。」とビックリ。

    アイスランドのトロルについて調べてみると、
    「アイスランドにやって来る前まで、トロルたちは地上で暮らしていたのだが、ノルウェーのヴァイキングとはちあわせてしまい、それ以降は山や森の穴ぐらで暮らすようになったのだそう。そして、日が落ちたあとにしか、姿を現さないよう、細心の注意を払って生活しているらしい。」
    という叙述を見つけた。

    三びきのやぎのがらがらどんにこっぱみじんにやられてしまうトロル。
    読み終えたあと、爽快感でなくなんか寂しくなった。
    冬越しには草を食んで太ることが必要で
    三びきの目のがらがらどんは確かに強かったけど、トロルの側から読んでみるとまた違った風景が見えた。

    トロルは森の妖精という伝説。
    トロルの話をさらに読みたくなった。

    • しずくさん
      まいけるさん、いいねをありがとうございました

      見慣れた景色も視点を変えると異なったように観えるのと同じですね!
      トロルは森の妖精でも...
      まいけるさん、いいねをありがとうございました

      見慣れた景色も視点を変えると異なったように観えるのと同じですね!
      トロルは森の妖精でもあったのかぁ~
      2025/01/25
    • まいけるさん
      しずくさん、コメントありがとうございます!
      この絵本全然知らなくて、トロル繋がりで入ったからだと思います。物事は多面的に観るって難しいですよ...
      しずくさん、コメントありがとうございます!
      この絵本全然知らなくて、トロル繋がりで入ったからだと思います。物事は多面的に観るって難しいですよね。どうしても、自分に近いものに肩入れしちゃうから。
      これからもよろしくお願いします。
      2025/01/25
  •  扉絵に「アスビョルンセンとモーの北欧民話」とあるように、本書は、ヨーロッパの北端にあるスカンジナビア半島の西側の国、ノルウェーの地で二人が集め編んだ『ノルウェー民話集』が元となっております。


     アメリカの絵本作家、マーシャ・ブラウンのラフな絵は、ごちゃごちゃした印象があるものの、時として、それを上回るような野性味を帯びた感情の高まりや躍動感、自然の雄大さを高らかに表現しており、そうした雰囲気が、物語の内容と合っているように思われた。

     あるとき、三匹のやぎは、たくさんの草を食べて太るために山を登ろうとするが、その途中にある橋の下には、巨大な人間のような見た目のトロルが住んでおり、さてどうしようかと、思わず顔を見合わせる三匹。

     まずは、いちばん小さいやぎが橋を渡ろうとしたら、「だれだ、おれの はしを かたことさせるのは」と、怒鳴りだしたトロル。橋は皆の物では無いのかと思ったが、更に「きさまを ひとのみにしてやろう」と危機が迫る中、小さいやぎは、「少し待てば、ぼくよりずっと大きいやぎがやって来る」と言うことで事なきを得て、同じやり方で、二番目のやぎも無事にやり過す中、最後のいちばん大きい三番目のやぎは・・・。


     読む人次第で、いろんな解釈ができそうな物語だとは思ったが、面白かったのはトロルの習性で、食いしん坊でないのか、選り好みしているのか分からないが、別に大きさ関係なく、三匹全て食べればいいのではとも思ったが、それだと話が成り立たないから、こういう流れにしたのだろうか? しかし、何れにしても、とんだしっぺ返しを食らうことになることだけは間違いなさそうだ。

     おそらく、本書の山羊たちの太る目的には、来るべき極寒の厳しい季節に備え、それを乗り切るための体力を付けておこうといった強い意思があるのだと思えば、ちょっとやそっとの困難では、決して挫けないことくらい予想できるのではないかと思われた、そこに、野生で生きることの厳しさを教えられたようで、絵本の世界に於いては、時にそうした現実味を敢えて出さない作品もある中、本書に関しては、そうした意図があるからこそ、厳しいくらいの生々しさも伴うものの、それは山羊たちにとって、生存していくために、とても大切なことなのだということも、考慮すべきなのではないかと、私には思われたのである。

  • 「がらがらどん」という響きが好きで、子どもの頃よく読んでもらった記憶があるのですが…こんなに恐かったっけ!?とビックリしてしまいました((((;゚Д゚))))

    トロルもですが、最後の1行が意味深過ぎて…。

  • 「子供に伝えたい100選」のような中の1冊で、タイトルをよく見かけるので借りてみた。
    …うわぁ、絵も内容もめちゃくちゃシュール。母子ともにトロルの絵が怖くて、思わず声が出ました。いかにもザ・国外の絵本という雰囲気。

    • フリージアさん
      おとさん、はじめまして
      フォローありがとうございます!
      私もこの本は子どもと読んだのですが、個性的でとても印象深かったのを思い出しました。
      おとさん、はじめまして
      フォローありがとうございます!
      私もこの本は子どもと読んだのですが、個性的でとても印象深かったのを思い出しました。
      2025/05/10
  • ノルウェーの昔話。アメリカのマーシャ・ブラウンの絵本。
    「太陽の東月の西」の「太りたくて丘にゆく三匹の牡ヤギ・ブルーセ」も同じ話。
    カラガラドンとブルーセではヤギの印象が違う。

  • お話はたのしかったみたいだけど、
    ちょっと絵のタッチが壮大で見慣れていないうちのこたちはわかりにくかったらしいです。。

  •  最近読み始めたコミック『税金で買った本』原作:ずいの その2巻目に図書館での読み聞かせ本に選ばれた一冊で、我が子に読み聞かせて以来20数年ぶりに読んでみた。こんなお話だったっけ!?とやはりかなり曖昧に覚えているものだ。コミックでは“教訓とかはあまりないエンタメ重視の絵本”とあるが、大人目線で読むといくつも教えられる事が散りばめられている。   

     体の大きさが違う三匹のがらがらどんたちはそれぞれの個性というべきその事を活かしトロルの難から免れる。
    トロルは欲張りになったことで何も得る事はできませんでした。がらがらどんたちはそれぞれの個性を生かし、一匹ではできない方法で困難を乗り越え、仲間と協力し合うことで成し得る手段方法があることを知る。

     私たちも誰かの知恵や力を借りる事に躊躇する時があるが、素直にその手を借りることは決して恥ずべき事ではないのだと思う。

  • 子供の頃、実家にあったと思います。
    当時はそんなに好きではなかったような気がします。
    子供心に、一番目と二番目のヤギが、次のヤギを囮にしてやり過ごすのが、なんとなく卑怯な気がして気に入らなかったのではと記憶しています。
    今となっては、そういう話よね、と思うだけですけど、これで三番目のヤギがトロルに食べられていたら元も子もないですよね。初読と大団円だと分かっていて読むのとは、また印象が違うでしょうか。
    初読では、子どもは、一番目のヤギから順番に、ドキドキしながらトロルとの対峙を見守るのでしょうね。
    一番目のヤギ、二番目のヤギ、大きいヤギのがらがらどんと、そしてこわいこわいトロル。
    読み聞かせでは、この4人の登場人物の声の読み分けは、難しくも面白いところです。読み聞かせって、あまり大げさにしすぎてはいけないけれど、やはり役柄で声音は変わりますよね。この変化は、聞く方も楽しいと思うけれど、読む方も多分に楽しい変化です。ダミ声があんまり出せないのでうまくいっているのかわかりませんが。
    『おおかみと七ひきのこやぎ』では、おおかみに同情してしまった私でしたが、こちらはトロルが本当に気持ち悪い異形の者として描かれているせいか、あるいはトロルが想像上の怪物だからか、こっぱみじんにされてしまってもかわいそうとは思わないのでした。勝手なものです。
    そして、トロルはこっぱみじんで谷川に落ちてしまったのに、最後のページでたらふくごちそうを食べて太ってしまうヤギたちののんきさにもなんとなく毒気を抜かれてしまうのでした。

    よく見ると、この絵は、黄色と青と茶色と黒だけで描かれているのですね。
    (緑色は黄色と青色を重ねて描いているのではないかしら。)
    そんな少ない色味だけで構成されているせいもあってか、独特の雰囲気と迫力のある絵柄になっています。
    子供の頃はそんなに好きではなかったけれど、今読んでみると、よくできたお話だなぁと思います。
    保育園で読んだことあるー!と言った子たちまで、静かに聞き入ってくれるのは、秀逸な作品だからなのかなと思います。

  • 未就学児の劇で初めて知って本を手に取りました。読み聞かせする際には、子ども達の反応が楽しくて何度も読んでいます。

  • 読み聞かせ (4歳、2歳男の子)

    ・絵を隅々まで見て、表紙や背表紙まで気になる様子で、お話を読んでいるときにも覗き込んで見ていたのが印象的(4歳)

    ・興味津々で食いつき、山羊やトロルの絵を見てこれはなに?と聞く
    ・とくに、ガタゴトガタゴトと山羊たちが橋をわたる音を覚えていて、遊びながらその言葉を口にしている
    ・気に入った様子で、しばらく経ってから、もう一回読んで!という(2歳)


    普段みているアニメでも敵を倒す描写があるからか、特に怖がる様子はなかった
    怖がりの子でも、読み方に抑揚をつけたり怖がらせたりしようとせず、淡々と自然に読んでいくと大丈夫

    言葉の響きが面白いので、子どもの耳に残る

    絵がとても綺麗で、山羊やトロルがわからない子どもでも引き込まれていた

    最後のページは言葉が多くて飽きてしまう場合もあるので、ページを閉じながらおしまいと読んでもいい

     

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著者プロフィール

1918年アメリカ・ニューヨーク州ロチェスター生まれ。1954年『シンデレラ―ちいさいガラスのくつのはなし』(福音館書店)、1961年『もとはねずみ…』(童話館出版)、1983年『影ぼっこ』(ほるぷ出版)で3度のコールデコット賞を受賞。他に『三びきのやぎのがらがらどん』(福音館書店)、『ちいさなメリーゴーランド』(小舎)などがある。2015年没。


「2017年 『あおいジャッカル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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