かさじぞう

著者 :
制作 : 赤羽 末吉 
  • 福音館書店
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本棚登録 : 496
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (20ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834000719

感想・レビュー・書評

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  • こんな名作に何を今更と思いながら、季節なので載せてみる。
    お話の最後は【しょうがつの もちやら さかなやら、
     いえにかざる たからやら、こがねやら】を、お地蔵さんからいただくことになっているので、話の舞台は大晦日。
    間に合わなかったので、その意味でも、何を今更である。

    瀬田貞二さんの日本語が美しく、繰り返されるいくつかのフレーズが心に残る。
    文節の末尾に付く【・・したと】【あったと】が昔話らしい響き。
    【すっぽりめし(おかずなしに食べるご飯のこと)を さくさくたべて】
    【よういさ よういさ よういさな と、そりひきの こえがする】
    【のっこのっこと かえっていったと】
    どれも雰囲気はたっぷりだ。
    これでお話はおしまいです、という意味の結末句である【どっとはらい】まで、ゆっくりと丁寧に読みたい。
    挿絵は、こちらも何を今更の赤羽末吉さんで、この方以外の絵はあり得ないと思うほどだ。
    約6分。4,5歳から。

    現世利益の話だが、よく読むと大切なことがぎっしりの内容。
    笠を作って町へ売りに行くとき、これを売って今年こそは良い正月を迎えようと、おじいさんもおばあさんも思っていたということ。
    しかし、町に出ると、誰も彼もがおじいさんの笠には見向きもしなかったということ。
    それでもおじいさんは、雪を被ったお地蔵様に、売れ残った笠を被せてあげる慈しみの気持ちを忘れなかったということ。
    笠の数が足りなくて、最後は自分の笠まであげてしまうのだもの。
    家に帰ると、そういうおじいさんのしたことを、おばあさんが一緒に喜んでくれたということ。
    なんて素敵なお話なんだろう。

    見返りなど一切期待することなく施したから、この結末があるのだ。
    それも、貧しいおじいさんが、持てるものをすべて差し出してしまうのである。
    お地蔵様に差し出すという、素朴な信仰心もほのぼのとするし、そのお地蔵様がお礼に来るというのもますますほのぼのとしてくる。
    続きに欲の深い隣のおじいさんが登場しないのも、本当に素敵なところ。
    この話を読むたびに、自分がいつの間にか「心ない町のひと」になっていないかどうか、自らに問いかけてみたりする。

    • nejidonさん
      mkt99さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!

      おお、このお話をご記憶でしたか?!それは嬉しいです!
      毎年年末になる...
      mkt99さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!

      おお、このお話をご記憶でしたか?!それは嬉しいです!
      毎年年末になると読み返して、一年間の反省の材料にしているようなものです。
      反省したからといって、それがちっとも生きないんですけどね・・
      映画だったらフランク・キャプラの【素晴らしき哉!人生】を毎年クリスマスに観るようなもの。
      いくら観たり読んだりしても、悲しいかな自分はいつもどおりの自分なのでアリマス。
      ひとときの、心の洗浄剤のような役目を果たしてくれている作品です。

      こちらでは、お地蔵様そのものをほとんど観ることがありません。
      学校からの帰り道に手を合わせた野辺のお地蔵さんが、今となっては懐かしいです。
      2014/01/13
    • vilureefさん
      こんにちは。

      つい最近、このお話を息子に読み聞かせました。
      とはいってもこの本だとちょっと難しそうなのでもうちょっと簡単な絵本の方を...
      こんにちは。

      つい最近、このお話を息子に読み聞かせました。
      とはいってもこの本だとちょっと難しそうなのでもうちょっと簡単な絵本の方を。

      小さいときから好きでしたが、やはり時代を超えて良いお話ですね。
      大人になってみると、nejidonさんも素敵だとおっしゃる「おばあさんが一緒に喜んでくれた」と言う場面が心に染みました。
      子供の頃は気付かなかったかも・・・。
      あー、良い夫婦だな、こうありたいなぁ。
      ちょっとだけ夫に対する態度を反省しました(笑)
      2014/01/15
    • nejidonさん
      vilureefさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。

      おお、息子さんとご一緒に読まれたのですね!
      タイムリーなレビュ...
      vilureefさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。

      おお、息子さんとご一緒に読まれたのですね!
      タイムリーなレビューになって、嬉しいです。
      色々な作家さんが出されてますので、息子さんの年齢に合ったものが見つかって良かったですね。

      そうそう、「おばあさんが一緒に喜んでくれた」というのは、子ども時代は気づくことの無い描写だと思います。
      ご主人に対する態度、ですか(笑)うっふっふ。陰ながら応援します!
      私は、笠売りはおじいさんの生業なので、いつもどおりに売りに行くのだと解釈していました。
      でもそのお金でお餅を買って、いい正月を迎えようとどれだけ楽しみにしていたのかが、ふたりの会話から分かり、胸が熱くなってきました。
      年齢によって様々な読み方が出来る本って、いいですよね。
      だからこそ、名作って言われるんでしょうね。
      2014/01/16
  • UniLeaf では、この絵本に透明点字シートを挟み込んで製本した、ユニバーサル絵本を貸し出ししています。
    状況が「読みたい」になっている本はお貸しできます。
    「いま読んでいる」になっている本は貸出中ですが、ご予約いただけます。
    コメント欄に「貸出希望」と書いてください。
    (送り先の住所などはここに書かないでください。)

  • 2019/01/29 1年生

  • 独特の文章で、自分で工夫しながら読み聞かせるのが面白かった。

  • すさんだ心にはあったかくなるお話でした。

  • Vol.121 勝負に打ち勝つために秘かにトレーニングしている方法は、これ!http://www.shirayu.com/letter/2011/000240.html

  • 5:00

  • 怖がるかと思ったけれど意外と読めた。しぶい。

    C8795

  • 一番好きな、日本の昔話。

  • 昔話。
    どっとはらい。

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著者プロフィール

瀬田貞二(せた ていじ) 1916年、東京生まれ。東京帝国大学で国文学を専攻。児童文学の翻訳、創作、評論や、『児童百科事典』(平凡社)の企画・編集などに精力的にとりくみ、現在の日本の児童文学界に多大な功績をのこした。絵本の翻訳・創作に、『三びきのやぎのがらがらどん』『おだんごぱん』『げんきなマドレーヌ』『かさじぞう』『きょうはなんのひ?』(以上福音館書店)など。童話の翻訳に、『ナルニア国物語』『ホビットの冒険』(以上岩波書店)、『指輪物語』(評論社)など。評論に、『幼い子の文学』(講演録、中央公論新社)、『絵本論』『児童文学論』(以上福音館書店)など多数。1979年逝去。

「2017年 『さてさて、きょうのおはなしは・・・・・・』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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