そらいろのたね

  • 福音館書店
3.89
  • (296)
  • (273)
  • (353)
  • (21)
  • (3)
本棚登録 : 4043
感想 : 276
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834000849

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  子供の頃、わたしは「ぐりとぐら」には接していませんでした。
     その代わりこの本が家にありました。なかがわりえこ&おおむらゆりこの「そらいろのたね」。
     のはらで、ゆうじが飛ばしていた、模型飛行機をきつねがうらやましがり、きつねがポケットから取り出した宝物、“そらいろのたね”と交換にその飛行機をあげました。
     ゆうじが家の庭に“そらいろのたね”をまくと、そこから小さな“そらいろのおうち”が咲き、ひよこがやってきて入りました。どんどん水をあげるとんどん“おうち”は大きくなり、猫も入り、ぶたも入り、ゆうじの友達も入り、ぞうも入り、町中の子供たちと動物たちが入っで、楽しいマンションのようになりました。
    そこへやってきたキツネが驚いて「ここは、僕のうちだからね。みんな出ていってよ。」。
    そして、子どもが百人、動物が百匹、鳥が百羽出ていき、キツネは大きな家を独り占めしましたが……。

    そらいろの素敵なおうち、沢山の動物たち。さるかに合戦とウクライナ民話「てぶくろ」と旧約聖書の「バベルの塔」を合わせたようなお話だなと改めて読んで思いました。これは傑作絵本だと思います。キツネは寓話に出てくるような“欲張りなやつ”だけれど、キツネの表情が一番愛おしいです。

    • Macomi55さん
      goya626さん
      「ぐりとぐら」は有名ですが、「そらいろのたね」の思い出を語ってくれる人に巡り合わなかったので、「懐かしい」と言ってもらえ...
      goya626さん
      「ぐりとぐら」は有名ですが、「そらいろのたね」の思い出を語ってくれる人に巡り合わなかったので、「懐かしい」と言ってもらえて嬉しいです。きつねくんはまあ、欲張りなんですが、「友達作りの下手なやつだなあ」と思えて、憎めないんです。
      2022/06/13
    • Macomi55さん
      ちゃたさん
      こんばんは。いつも有難うございます。私が子供の時、家に絵本があまりなく、当時は我が市には図書館もなかったので、多くの絵本には接し...
      ちゃたさん
      こんばんは。いつも有難うございます。私が子供の時、家に絵本があまりなく、当時は我が市には図書館もなかったので、多くの絵本には接していなかったのです。子供には「ぐりぐらシリーズ」など沢山の絵本を与えて読み聞かせしましたが、子供の時に接した数少ない絵本の「そらいろのたね」が良かったなと懐かしく思ってました。今日、実家に行って、シミだらけになった「そらいろのたね」を読みながら、もっときれいに保管すればよかったなと思いました。
      2022/06/13
    • goya626さん
      Macomi55さん
      「友達作りの下手なやつだなあ」Macomi55さん、優しいですね。
      Macomi55さん
      「友達作りの下手なやつだなあ」Macomi55さん、優しいですね。
      2022/06/15
  • こちらも懐かしい本(*^^*)
    子ども向け「蜘蛛の糸」ような、なかなか教訓めいている内容ですが、とっても可愛くて登場人(動)物がいっぱいで楽しい絵本です♪

  • 主人公のゆうじ君はキツネに頼まれ、模型飛行機と〝そらいろのたね〟を物々交換します。種だから何かしらの植物の芽がでると思っていると、〝予想外のモノ〟が出てきます。

    ページをめくるごとに〝予想外のモノ〟が成長していき、『最後のオチはどうなるの!?』と親の私も楽しみながら読めました。
    オチの部分である最後の3ページは説明的な絵ではなく、文章で詳細が書かれており、子どもの想像力をかき立てているような気がします。(ネタバレを避けて抽象的に書きますが、文章は動的な表現なのに、絵は写真で撮ったかのような静的な表現に留まっていました。)

    「ぐりとぐら」の作者でもある、なかがわりえこ氏とおおむらゆりこ氏。名字と出身地が違うので今まで気づきませんでしたが、お二人は姉妹であると本書の巻末の説明で知りました(中川氏が姉、大村氏が妹)。
    姉妹で制作した絵本が、長い間子どもたちに親しまれているなんて素敵ですね。

  • なかがわりえこさんと、おおむらゆりこさんの名コンビによる有名な作品。
    今更と思いながら読んでみました。
    大人の目線で漫然と読むのと「読み聞かせ」に使おうとして読むのとではまるで違います。
    子供の気持ちになってみると、まぁ面白いこと。

    ゆうじは、自分のおもちゃのひこうきとキツネが持っているそらいろのたねとを交換します。
    庭に植えて水をやっていたら、小さなそらいろのおうちがはえてきました。
    おうちはどんどん大きくなって、最初はひよこさんが入ってきます。
    次に猫さん。それから、豚さん。
    それでもどんどん大きくなって、ゆうじの友達が入ってきます。
    それでもどんどん大きくなって…
    とまぁ、この辺はわくわくしますね。
    いろいろな動物やたくさんの友達、みんなが一緒に入れるおうちなんて夢のよう。
    どの窓も開いていて、みんなの顔がのぞいている場面などすごく楽しそうではありませんか。

    ところがキツネさんが戻ってきて話は変わってしまいます。
    僕の家だからみんな出て行って、と言うのですね。
    そしてキツネさんだけが住んでいるのに、出入り口も窓も全部しめてしまうのです。
    ところが、おうちがどんどん変化します。。ここもどきどき。
    キツネさんの思う通りにはなりませんが、目を回してひっくり返ってるというラストも、ちょっぴり笑えます。

    「ほらね、ひとりじめはダメですよ」なんて教訓を垂れるかどうかはそれぞれの自由。
    でも、たねからおうちが生えてきてみんなが住めるようになるっていうのは、素敵でしょ。
    さすがの、なかがわさんなのです。
    それにしても「たね」はどんな「たね」だったのでしょう?
    イラストには出てこないので、想像してしまいます。
    キツネさんも、おうちが生えてくるなんて知らなかったようだし、不思議ですよね。
    ひょっとして「そらいろのたね」は、植えたひとの夢を叶えるものだったのかしら。

    ひそかなお楽しみもあります。
    大きくなっていくおうちに「ぐりとぐら」もやって来ますよ。
    おおむらゆりこさんが特別友情出演させてくれたのですね。

  • 「おや、すてき」

    空色の種から出てきた夢のような家。やがて花が散るように散ってしまうのと、きつねのいじわるさへの罰なのかと思えるものと、面白くて夢のある絵本。誠実さとか、思いやりとか、感じました。(6分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #そらいろのたね #なかがわりえこ #おおむらゆりこ #福音館書店

  • どこか『さるかに合戦』を思わせる物語ですが、もう少し平和的。初めは小屋のようだった家が次第に豪邸になっていくところはワクワクします。最後の家は、きつねが横取りしたからああなったのでしょうか?それとも元々そうなる運命?もし後者なら、皆きつねに救われたのかも。

  •  ゆうじはもりのきつねとたからものをとりかえっこします。きつねから渡されたのはひとつぶのそらいろのたね。ゆうじがにわにたねをうめ、水をかけるとさいたのはなんとそらいろのいえ。そらいろのいえは少しづつ大きくなって・・・。
     だんだん大きくなるいえに、子どもたちや動物があとからあとからやってきて、それはもう夢のような楽しいおうちに。さいごにそらいろのいえをひとりじめにしたきつねはさて、どうなるのでしょう。
     たねから何が出てくるのか、そらいろのいえはどこまで大きくなるのか、わくわくどきどきできる絵本です。

  •  ゆうじは、宝物の飛行機をキツネの宝物「そらいろのたね」ととりかえました。土に埋め水をやると、翌日「そらいろの家」が生えていました。家はどんどん大きくなり、動物達や友達が入ると家はお城のように立派になります。
     それを知ったキツネは、飛行機を返すから家を返せといいます。皆を追い出し、独り占めしたキツネでしたが、空色の家は・・・というお話。

     ちょっぴり教訓も込められていて、子ども達におすすめの絵本です。また作者は「ぐりとぐら」で有名コンビによる作品ということもあり、お話の中にも、ぐりぐらが登場し、見つける喜びもあったりする本です。

  • ぐりとぐらに匹敵するくらい大好きななかがわりえこさんの本。でも、知名度が低めで小学校の本棚になかったりします。
    ゆうじの飛行機をうらやんだキツネはそらいろのたねと飛行機を交換してもらいます。種を大事に植えたゆうじ、なんとそらいろのいえがさきます。
    うちがさいた!うちがさいた!
    うちはどんどん成長します。みんなで入れるくらいまで。そこへきつねがやってきて、
    ひこうきはかえすよ、だから このうちも かえして と、いいました。
    そらいろのいえ、どうなってしまうのかな?

  • ゆうじはきつねと、模型飛行機とそらいろのたねを交換しました

    そらいろのたねをにわにうめて、水をたくさんかけて“そらいろのたね”と画用紙にかきました

    次の日見ると、豆ぐらいの空色のいえがでてきました。

    〇「うちがさいた!うちがさいた!」ってセリフが大好きです
    みんながおうちに入っていくの、いま考えると『てぶくろ』と同じシチュエーションですね
    〇大人目線だと、よくぼうに忠実なキツネくんもかわいらしい
    目がさめたらきっとまた何食わぬ顔で友だちになってるんだろうな!
    〇えへへ。サインをいただいてるお宝本

全276件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

なかがわりえこ

「2009年 『ぐりとぐらのあいうえおと1・2・3 (2冊)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

なかがわりえこの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
エリック=カール
ばーじにあ・りー...
酒井 駒子
A.トルストイ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×