おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ)

  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834000948

感想・レビュー・書評

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  • 【ねむりひめ】でホフマンの絵を絶賛した流れで、更にもう一冊。
    色々な作家さんによるバージョンが出ているが、このホフマンの絵によるものがやはり白眉。
    グリム独特の生々しさもそのままだし、渋めの色と構図の良さもいよいよ冴えており、表の表紙から裏表紙まで何度見返しても味わい深い。
    そして、幼い子ヤギたちの愛らしさやお母さんヤギの賢さとたくましさ、わが子を失ったときの悲しさまで、本当に良く描き分けられている。
    もちろん、狼の狡猾さも。
    約9分。4,5歳から。

    最近知ったのだが、終盤の『おおかみ しんだ!おおかみ しんだ!』の言葉が、物議をかもすことがあると言う。
    子どもの頃このお話がどんなに怖かったか、忘れてしまったのだろうか。
    子ヤギを食ってやろうと何度も手を替え品を替え現れるオオカミは、相当に怖い存在だったはず。
    何しろ『あけておくれ。お母さんだよ』というフレーズだけでもかなり有名なのだ。
    お母さんだって、何も喜んで子どもたちを置いて出かけたわけではない。
    ただ、食糧不足で子どもたちを飢えさせるわけにはいかないから、何度も「オオカミに気をつけて」と言い含めて出かけたのだ。どんなにか、子どもたちが気がかりだったことだろう。
    そして、このオオカミには(裏話だが)どうやらお父さんも食べられたというではないか。
    裏表紙にある、額入りの絵。これが今は亡きお父さんであるという。
    そのお父さんの分もあり、『おおかみ しんだ!』と叫んだときは、みんなどんなに嬉しく、安心したことだろう。
    『謝ったので許してあげました』なんて欺瞞を植えつけるほうが、よほど弊害があると思うよ。
    留守番のたびに、もしやまたオオカミが襲いに来るのではという恐怖は、決して消えることはないだろうから。
    最後は全員揃ってベッドに入っているそれはそれは幸せな図。手前にお母さんもいる。
    つまり、ちゃんと「ケア」もしているのだ。
    ここをゆっくり見せて「みんな助かって良かったね」と、お母さんが一言言えばそれで済むと思うのだが、いかがかしら。

    ということで、絵本もやはり本物がいいなぁと。

  •  小ヤギやオオカミは動物らしい描き方だか、お母さんヤギだけは表情や仕草に人間味が溢れています。それから、お母さんヤギの口調が「たべられちまうからね」のように下町風(?)というのか、クセが強めの話し方で、私は読み聞かせの際に声色を思わず変えてしまいました。うちの子は、小ヤギたちの家にオオカミが突入してきた場面に一番興奮していました。

    ---------------------------------
    【本書より抜粋】

    いいかい、わたしは これから もりへ でかけるよ。では、おおかみ くれぐれもきをつけておくれ。
    あいつが うちへ はいりこんだらさいご、
    おまえたちは まるごと たべられちまうからね。
    ---------------------------------

  • 中古購入
    スイスの絵本(グリム童話)

    有名な話なので大筋の感想は省略
    今は残酷なシーンを改変してしまうので
    この話もどうなっているのかな?
    でも私の時代でも残酷なシーンはすでに
    改変済みらしい
    どこかでグリム童話は
    もとは大人向けなので残酷で
    子ども向けにだいぶ書き直したと知って
    ビックリした
    何年も前に本当は怖いグリム童話とか
    そういえば流行ったなぁと思い出す
    あれは本当の原作だったのかな?
    気になりつつ読まなかったなぁ

    この絵本を選んだポイントは
    自分が好きな昔の絵柄と
    『赤ずきん』でも書いた
    オオカミのお腹をハサミで切るシーンで
    ハサミが見えていること
    残酷だからって隠れて見えないのは
    私の中ではダメなのだ
    物語だからこそ
    とんでもないことをコミカルに描ける
    そんなやっつけ方があるのか!って
    もう忘れてしまったけど初めて見た時は
    度肝を抜かれたはずなのだ
    切ったままにぜずに縫い止めるなんて
    ある意味親切だな(笑)
    今ごろ気づいたけど
    赤ずきんちゃんをバージョンアップしたような話だね
    そういえば七匹の子ヤギが隠れる場所に
    扉がついてる仕掛け絵本を読んだ記憶が!
    仕掛け絵本のがあったら欲しくなっちゃう
    これは仕掛けはついてないので
    一匹目は?と探させながら読んだら
    楽しんでたみたい

    そういえば
    このオオカミはちょっと怖いかなと思い
    この絵大丈夫?って確認したら
    ぜんぜんこわくないしって言われた
    強がっているのか?
    私が昔の絵柄が好きでよく買うから慣れたのか?
    表情で読み取ろうと覗き込むと
    ページをめくって興味津々だった
    以前はかわいい絵しか欲しがらなかったのに
    本が好きな子になれそう…かな?
    上の子の時にも今みたいに読み聞かせが上手くできていたらと
    残念でならない

  • ちょっと怖いしちょっと残酷だし、子供に何度も読むにはちょっと躊躇する…

  • グリム童話を正確に残酷なまま書いている一冊。絵も子供じみてなく、入り込める。

  • オオカミを家に入れないように注意しなさい、といってお母さんは出かけていきました……大人になってここまで読めばピンときます。これはフラグだ、て。

    子どもの頃に読んだ『おおかみと七ひきのこやぎ』はこの本でした。絵が怖かったからよく覚えています。擬人化された体の動かし方をしていても、どちらかと言えば写実的な姿をしています。そうかと思えば、街に出たオオカミのシーンは人間のようで、不思議な世界に惹かれます。
    ヤギもオオカミも写実的な姿なのに、表情が豊かで驚かされました。おかあさんやぎが帰って来た時の姿や、次のページで親子で悲しんでいる表情は痛々しいものです。だからこそ、オオカミから子どもたちを救おうとしているところや、オオカミが井戸に向かうのを観ているところ、オオカミが死んで喜び踊る所は非常に怖いと感じます。冷静に着々と報復する時の顔ってこんな顔なんでしょうね。
    作者は一体、この表情をどこで見てきたのだろう。

    この絵本も、声に出して読んだときに読みやすいと感じたら瀬田貞二さんでした。

  • いろんな出版社からでている名作
    カワイい挿絵のものも多い中、
    どちらかっと言ううと
    もの黒っぽい挿絵のこの本を選びました。

    子どもたちの反応が
    楽しみでした。
    挿絵が暗いので
    反応が悪いのではと心配しましたが
    何とも真剣に聞く子どもたちでした。



    真剣にお話を聞く子どもたちに

  • 子供の頃、オオカミは怖いものだと印象づけられた絵本。

    今は、子やぎを6ぴきも丸飲みするオオカミよりも、母やぎの開腹オペに驚愕するッ!

    母は強し。

  • おなかを切って石を入れるシーン覚えてて懐かしかった。

  • こやぎが食べられてかわいそう( ; ; )だった。

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著者プロフィール

グリム兄弟は、兄のヤーコプと弟のヴィルヘルムの兄弟。ドイツに伝わる昔話を集め、1812年に大人のために書かれた『子どもと家庭のための昔話集』として出版。「白雪姫」や「ヘンゼルとグレーテル」など、兄弟が集め改訂を加えた200以上ある物語は、「グリム童話」として世界各国で親しまれている。

「2022年 『こわいものなしの六人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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