ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本)

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  • / ISBN・EAN: 9784834001013

感想・レビュー・書評

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  •  ク○○○○絵本特集、その3(今更、隠してもバレバレか^_^;)。

     偶然にも『ぐりとぐら』シリーズの二作目になる本書は、上手い具合にそのテーマであり、まあ、表紙の彼らの視線を追っても分かりますよね。そう、美しい鳥を眺めているのです・・・。


     ある雪の積もった日、雪合戦をしていた野ねずみの「ぐり」と「ぐら」は、謎の足跡を発見し、いったい誰のだろうと気になって、その後を追いかけてゆくのだが、その辿り着いた先は、なんと!?

     二作目にして、おそらくファンにとっては嬉しいであろう、彼らのお宅拝見的な展開が楽しく、その二階建てのモダンな造りも印象的な中、次はこの部屋、その次はこの部屋と巡っていく先々で見ることの出来る、彼らそれぞれの色がポイントになった、家具や日用品にも目を惹かれている内に、最初は、怖々と中に入ってた彼らも、途中で「おきゃくさまは、いったい どこだろう」と言っている時点で、おそらく気付いたのだろうというのが、彼らの表情にもよく現れており(正確には“○くろ”)、そうした丁寧な描写に、絵本ならではの、物語を予測させる楽しさが織り込まれているようで、このような細かい作り込みをされる点は、さすが中川李枝子さん、山脇百合子さん姉妹だと思う。

     また、おきゃくさまの、意外と言っては失礼だが、そのダンディなスマートぶりや、彼らのことをよく分かっている手作り感に溢れた心遣いは、目に見えるものとして、いつまでも残るものではないものの、だからこそ、一生思い出に残るような一点ものの価値があるのだと思うし、また、それを独り占めしない彼らの優しさにも心を打たれ、そう、おきゃくさまは、決して彼一人では無かったのですよ。


     本書は1967年発売ですが、原書は1966年発売というのを知り、改めて、その物語も含めた作り方に、今でも変わらずに読むことの出来る、モダンな雰囲気があるのが凄いなと感じ、1966年といえば、ビートルズのアルバム「リボルバー」や、ビーチボーイズのアルバム「ペットサウンズ」が発売された年でもあり、その音楽の世界に於いて垣間見えた、新しいものを目指して、少しずつ試行錯誤していく様子ともリンクしているように思われたのが、私には感慨深いものがあって(あくまでも私見です)、その、世界に通じるようなモダンさがありながら、尚且つ、楽しく親しみやすいアットホームさが、いつの時代の子どもの心も、とらえて離さないのかもしれないなと感じられたことが、本書を初めて読んだことによる、ひとつの発見でした。

     それから発見といえば、山脇さんの絵にも、後期のそれとはまた違った雰囲気があって、とても新鮮に映りました。

    • たださん
      111108さん

      ありがとうございます!
      出来るだけ続けていきたいと思います(^∇^)
      理由あって、一冊以外、いつもの図書館のみのセレクト...
      111108さん

      ありがとうございます!
      出来るだけ続けていきたいと思います(^∇^)
      理由あって、一冊以外、いつもの図書館のみのセレクトですが、それでもクリスマス絵本って、内容が本当に多岐に渡っていて、それだけ皆が読みたいテーマなのかもしれませんね♪
      2023/12/11
    • 111108さん
      たださん

      たださんのいつもの図書館、クリスマス絵本が充実してますね!
      たくさん続くよう応援しまーす*\(^o^)/*
      たださん

      たださんのいつもの図書館、クリスマス絵本が充実してますね!
      たくさん続くよう応援しまーす*\(^o^)/*
      2023/12/11
    • たださん
      111108さん

      ありがとうございます!
      特設コーナーを作った司書さんも、きっと喜んで下さると思います(*'▽'*)
      それから、そこ以外の...
      111108さん

      ありがとうございます!
      特設コーナーを作った司書さんも、きっと喜んで下さると思います(*'▽'*)
      それから、そこ以外の一冊も、お楽しみに(^_-)
      2023/12/11
  • ぐりとぐらのクリスマス絵本。

    ぐりとぐらが仲良く雪合戦をしていたある日のこと、雪の上にとても大きな足跡を見つけます。
    一体誰の足跡だろう?
    二人で足跡を辿って行くと…

    途中から誰の足跡なのか、薄々分かってくるのだけれど、このお方がこんなに大きくて美味しそうなケーキを作れるなんて…意外と器用な人だったのね。
    足跡の正体よりも、ぐりとぐらへの別れの挨拶にびっくり。そこは「メリークリスマス!」なのでは…?と思わずツッコミを入れたりして。
    その後の、大きなクリスマスケーキを囲んでのクリスマスパーティは賑やかで楽しそうで、やっぱりぐりとぐらの世界はいつ読んでも安心できる、としみじみ。

    挿し絵を担当された山脇百合子さんは今年の9月にお亡くなりになられたんですよね。心よりご冥福をお祈りいたします。長年に渡りありがとうございました。

    • マリモさん
      mofuさん
      おはようございます。
      私も今なお、ぐりとぐらシリーズ好きです。このクリスマスは、大人になって読むと、縮尺どうなってるんだろ...
      mofuさん
      おはようございます。
      私も今なお、ぐりとぐらシリーズ好きです。このクリスマスは、大人になって読むと、縮尺どうなってるんだろうとちょっと混乱したりして。笑
      でも、子供たちは先を知っていても誰だろ誰だろ?と毎回ワクワクしています。プレゼントでなく、みんなで食べられるケーキというところもいいですよね。

      山脇百合子さんお亡くなりになったのですね、、知りませんでした。
      独特の味と温かみがあって、何度読んでも飽きが来なくて。この絵本は山脇さんの絵じゃないと!という素敵な作品ばかりですね。
      私も大好きだったので残念です。
      2022/12/14
    • mofuさん
      マリモさん、おはようございます。

      ぐりとぐらは娘たちが小さい頃よく読み聞かせしていた絵本です。
      大人になって読み返しても素敵な作品ですよね...
      マリモさん、おはようございます。

      ぐりとぐらは娘たちが小さい頃よく読み聞かせしていた絵本です。
      大人になって読み返しても素敵な作品ですよね。
      縮尺…確かにあれ?て思いますね。
      みんなで食べた大きなクリスマスケーキ、美味しかったでしょうね。読んでいるこちらも幸せになります。

      山脇百合子さんは本当に残念。あの挿し絵は山脇さんにしか創れない世界ですね。

      コメントをありがとうございました(*^^*)
      2022/12/14
  • クリスマス絵本の定番ですね
    次回の「読み聞かせ会」三歳児さんにと選びました
    少しストーリーは長めですが聞いてくれるでしょうか?
    だい、だい、大好きな絵本
    子どもたちにも伝えていきたいです
    本屋さんにもたくさん平積みされていました

    「サンタクロース」という言葉は一度も出てきません
    あっ、あの!って子どもたちは思いますよねー

    ラストのページのなんて温かいことでしょう
    クリスマスはこうでなくちゃ
    表紙で見上げていたみどりの小鳥もちゃんと
    およばれしてますよね

    半世紀以上愛されてきた愛すべき絵本です

    ≪ だれだろう 大きなおきゃく ぐりとぐら ≫

    • たださん
      はまだかよこさん
      お返事ありがとうございます(^o^)

      いえ、私は知っております。
      はまだかよこさんにしか、書けないものもあるということを...
      はまだかよこさん
      お返事ありがとうございます(^o^)

      いえ、私は知っております。
      はまだかよこさんにしか、書けないものもあるということを。
      好きという気持ちにも上っ面か、そうでないかがあるように、私も、そんなかよこさんに、いつも敬服しております。
      「読み聞かせ会」、是非楽しんできて下さい。
      2023/12/12
    • はまだかよこさん
      たださんへ
      行ってきました(^^♪
      この本は三歳児さんのお部屋で読みました
      あしあとのところでは
      「くまや」「くまや」とか
      ふくろ...
      たださんへ
      行ってきました(^^♪
      この本は三歳児さんのお部屋で読みました
      あしあとのところでは
      「くまや」「くまや」とか
      ふくろをしょって出て行くところでは
      「あっ」って
      どのお子たちも目を見張って聞いてくれました
      「ばいばい」「また来てね」
      婆さんはまた来月行きたいと思うのです
      やめられそうもありません(笑)

      コメントありがとうございました
      2023/12/13
    • たださん
      はまだかよこさん、こんばんは♪
      早速、読み聞かせされたのですね(^o^)

      「くまや」 「くまや」とか、「あっ」といった、お子さんの素の反応...
      はまだかよこさん、こんばんは♪
      早速、読み聞かせされたのですね(^o^)

      「くまや」 「くまや」とか、「あっ」といった、お子さんの素の反応には、全く読めない未知の面白さがあって、良いですね!
      そして、子どもたちの真剣な様子には、かよこさん自身の楽しい思いが伝わったからなのかもしれないと感じました。
      これは、やめられないの、分かるような気がします。
      是非、来月、再来月と、楽しまれて下さい!
      そして、次は何を読もうかといった、その選書も楽しいですよね。

      コメントを読んでいて、私も、一緒に楽しんでいる気分を味わえた上に、中々、知ることの出来ない、貴重なご報告、ありがとうございます(*'▽'*)
      2023/12/14
  • 絵本に登場したチョコレートケーキを見て、食べるフリをする我が子。イラストだけど、本当に美味しそう!

  • 勝手に始めた「人気の絵本の特徴を見つけよう」の試み16冊目。
    大好きなぐりとぐらシリーズのクリスマス編。
    ぐりぐらとサンタさんの、手袋やマフラーのサイズ感の違いが可愛くて好き。
    そしてぐりとぐらといえば、やっぱりおいしそうな料理。今回はサンタさんが作ったクリスマスケーキ!
    ぐりとぐらの衣装、暖炉のあるおうち、サンタさんの優しさ、集まってきた動物たち、全ての要素に温かみがあって、寒い冬でも心がほっこりするような作品。
    ぐりとぐらシリーズ本当におすすめです!

  • オトナの頭で考えると、この「おきゃくさま」、お客になり方がちょっと“コワイ”(苦笑)
    ぐりとぐら、お出かけするときは戸締まりしっかりね!

    クリスマス時期にオススメの1冊。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ぐりとぐらは、森で遊んでいるときに雪の上の大きな足跡を見つけました。

    足跡をたどってみると、なんとぐりとぐらのお家につづいているではありませんか!

    ぐりとぐらのお家にきた“お客さま”とは一体…??

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    寒波ですごく雪が積もったので、図書館のオススメコーナーも雪の絵本がたくさん紹介されています。
    「ぐりとぐらのおきゃくさま」もその中の1冊でした。
    読んでみると冬の絵本ではあったのですが、クリスマス時期に特にオススメな絵本でした。

    小2の娘に読み聞かせをしましたが、娘は足跡がぐりとぐらのお家に続いていることを、文章よりも絵の中のヒントからいち早く気づいていました。
    また、その後はお客さまのヒントがいくつか出てくるのですが、娘はそれを見て「もしかしてお客さまって○○??」と気づいていました。
    正解は途中でわかっても、お話はたのしめたようで、「面白かった!」と言っていた娘でした。

    まさに年少~小学校低学年頃にオススメなクリスマス絵本です。

  • この季節にぴったりな物語なのはもちろん
    ぐりとぐらの冬仕様の服装が可愛い♪

  • ぐりとぐらが見つけた大きな足跡、なんと2匹のお家に! でも、「おきゃくさま」は、素敵なあの人! すぐ分かるとは言え、ワクワクしますね。
    いつもの友だちが集まって、楽しいクリスマスが味わえる絵本です。

  • メリークリスマス!そう、題名ではわかりませんが、これ、クリスマスの絵本です。

    「ぐりとぐら」シリーズの2冊目。
    子どもが生まれる前に買ってきた絵本です。

    生まれたらたくさんたくさん本を読み聞かせよう、自分が好きだった絵本を一緒に読めるなんて幸せだろうな、なんて意気込んでいた割に、具体的な「この本を」と選ぼうと思うと…。
    ノンちゃん雲に乗る、ちいさいモモちゃん、エルマーのぼうけん、いやいやえん、長くつ下のピッピ、ドリトル先生航海記、二年間の休暇、長鼻くんといううなぎの話、シートン動物記…、昔何度も読んだ覚えがある、好きだった本のことはたくさん思い浮かぶのに、童話やジュブナイルばかりで、意外なことに「絵本」に限ってしまうと思い出があるものは多くありません。子供のころから本が好きだった自覚があるのですが、もしかして、自分が本を読むようになったのは小学校の図書館で借りた本からだったのかなあ…、なんて思ったりして。

    そんな状態で、大きな本屋さんの児童書売り場を覗きました。棚を見ていくと、目についたのは「きかんしゃやえもん」「ちいさいおうち」、そして「ぐりとぐら」。どれも自分が読んだ覚えのある絵本です。

    前の2冊は即お買い上げだったのですが、「ぐりとぐら」は「ぐりとぐら」を冠する絵本がたくさんあります。ただの「ぐりとぐら」ももちろんあったので、1冊だけ買って帰るべきか、それとも…と悩んで、結局「全部入り」っぽい7冊セットを買って帰りました。

    …その後、お誕生日のお祝いに、と「ぐりとぐら」のシリーズから3冊ほどをいただきました。この「ぐりとぐらのおきゃくさま」もその中に入っていたので、今本棚に2冊並んでいます。自分で買ったほうも、いただいたほうもどちらも大切な1冊に思えて整理しかねています。

    さて、生まれる前から積んであったのに、この本を初めて読んでやったのは年中さんの終わりごろでしょうか。
    読み聞かせをする立場から見ると、面白いのがまずサイズ感。人間サイズの足跡やらくつやらマントやら、大きな袋やらがどれもぐりとぐらの身の丈を越えるサイズで、ぐりとぐらの小ささと謎の訪問者の巨大さを際立たせ、登場人物に感情移入して一緒にドキドキするという読書の基本的な楽しみを味わわせてくれます。「なんだか こわいなあ」年中さんは本当に怖そう。
    そして、「冬」の季節感の鮮やかなこと。靴下と手袋が暖炉の前に干してあるところなんて、冷たい雪の中を歩いて湿った気持ち悪さと炎の温かさの対比に、心からホッとしてしまうのです。何となくスキー場の乾燥室を思い出しました。

    「おきゃくさま」の正体は、大人から見れば間違いなくサンタさんなのですが、年中さんはどうやらわからなかったようです。
    たしかにこの人、若々しくてサンタさんらしく見えません。くちひげ(髭)もありませんし、マントを脱いで袖まくりしたサンタなんて、誰も見たことありませんよね。

    ぐりとぐらへのプレゼントはなんとサンタ手作りのクリスマスケーキ。食べることがこの世で一番好きな2匹が一番喜ぶものをサンタさんはよく知っています。でも、手作りなのはすごい…。サンタさん、ケーキ作りを練習したんでしょうか。

    そして最後はみんなでケーキを囲んでクリスマスパーティー。ケーキに乗っていた、もみの木を囲む天使2人を見て、自分がかつて読んだ時の思いがよみがえりました。「あれって食べられるのかなあ…?」

    今夜の読み聞かせはこの1冊で決定です。

  • 森で雪合戦をしていたぐりとぐらが見つけたおかしな足あと。
    その足あとをたどっていくと、そこは自分たちの家。
    そこには大きな長靴、真っ赤なオーバー、真っ白な襟巻、
    真っ赤な帽子、暖炉には靴下と手袋。部屋の隅にはとても
    大きな袋。
    一体誰が来ているのでしょうか?

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著者プロフィール

なかがわりえこ

「2009年 『ぐりとぐらのあいうえおと1・2・3 (2冊)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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