さんまいのおふだ (こどものとも傑作集)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 519
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834001211

感想・レビュー・書評

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  • 読む時間:5分程度
    私の読み聞かせ持ちネタの一つです(笑)
    昔話はいろいろなバージョンがあり、「さんまいのおふだ」もいくつか出ています。この版は、水沢謙一さんの方言や擬音と、梶山俊夫さんのとぼけたようなでも迫力ある絵がとっても良いです。
    昔話の特徴として、最初と最後の言葉がある(物語に行って帰ってくる)、方言で語られる(耳に心地よい)、繰り返しがある(子供がパターンに慣れる)というものが挙げられると思います。児童にとってオニババは怖いけれど、お話に緩急あり、すっとぼけた感じありで、怖がりながらも笑い声も上がる読み聞かせおすすめ本です。



    山のお寺の小僧さん、天気がいいから花切りにでかけていった。
     ひとえだ きっちゃ ぶっかつね(※担いで)、
     ふたえだ きっちゃ ぶっかつね、
     みえだめに ひが くれたって。
    山を迷う小僧さんは、おばばが一人で住む小屋に泊めてもらった。
    ところがこのおばばは、小僧さんを喰っちまおうとするおっかなげな おにばさ だったんだ。
    なんとか便所に入った小僧さんは、せかす おにばさ を
     「まだ まあだ ピーピーのさかり 」
    ってごまかしていたら、便所の神様が三枚のお札をくれて逃してくれたって。
     「こぞうめ〜 にげたか〜」
    小僧さんは おにばさ につづかれそうになると、お札を投げて「おおやまに なあれ」「おおかわに なあれ」「おおかじに なあれ」って逃げ続け、やっとお寺にもどれたって。
    ところがおしょうさんはのんきなもんで、
     「おうい いま おきて」「はやはや」
     「おうい いまふんどし しめて」「はやはや」
    やっとおしょうさまは戸を開けて小僧さんを隠してくれた。
    そこへ おにばさ がとんできて「こぞうをだせ」
    おしょさん慌てず騒がず「じゃあおれと術くらべをしよう」って言ったんだ。
    おしょうさんは おにばさ をまず大入道にさせて、次に豆粒にさせて、そしてそのまめを口に入れて、ガリガリかじって飲んでしまったとさ。

    いちごさかえた なべのした ガリガリ。

  • このお話知っている。子供の頃読んだのかな。でも新潟の昔話とは知らなかった。

    いかにも日本の昔話!日本の妖怪!と思わせる、懐かしい絵がいい味。
    怖がりの娘は寝る前に一人でトイレに行けないと言い出すんじゃないかと思ったけど、保育園の時に読んだことあるから大丈夫!と言っていた。

    日本のちょっと怖い昔話って、絶妙な怖さと懐かしさと郷愁を誘ってくる。
    日本人の心みたいなものがあるなと思う。

  • 図書館で見つけて懐かしくなり、小1の娘に読み聞かせ用に借りました。

    息子が小1のときにも読み聞かせたのですが、そのとき息子が絵本の一場面を見ながらマネして描いていたのを覚えています。
    小5になった息子に話したら、そうだっけ?と言っていましたが…(苦笑)

    この絵本は親子で読み聞かせをオススメします。
    方言も混じるので、やや読み聞かせにくいですが、声に出して読んでいると独特の方言の調子がなおもしろくなります。
    ただ、子どもが一人で読むとなると、方言でつまづいてしまい、全体のお話がつかめなくて、「おもしろくなかった!」となってしまいそうです。
    また、基本的には怖いお話なので、一人で読んでいると「もう読みたくないー」となってしまうかもしれません。

    聞き慣れた親御さんの声でなら子どもも、ちょっと怖いお話も安心して聞けます。

    方言と、児童画の雰囲気もある味な絵も味わえる絵本です。
    今晩の読み聞かせに、いかがでしょうか。

  • 子どもの頃、怖くて仕方ないにも関わらず、何度となく読んだ絵本。
    言葉遣いが昔のままで、怖さ倍増です。

  • なんとも言えない人間の絵(笑)
    おばばが小僧のお尻を舐めていたり、超人的な強さで追いかけてくるのがちょっと怖い。
    命からがら逃げてお寺に辿り着いたのに、和尚さんののんびりした身支度に小僧の「はや!はや!」と急かす繰り返しのやりとりが面白くて笑ってしまう。
    たいして効果のなかったお札より、和尚さんのトンチで呆気なく解決。
    ラストは、食べちゃうの?!という驚きの結末。
    おばば豆、すごく不味そう、、、。
    和尚さんの肝の座り具合が終始すごかった。

  • 「コレ読むとMちゃんたちも逃げなくちゃいけなくなるからヤダ。でも食べられても包丁もってるから平気だよ。ギタンギタンにするよ。お口からお鼻まで切っちゃうの」(M5)
    「和尚さんすげえな。おばば食べちゃうのかよ。マメみたいっていったって、おばばじゃんか。」(S9)

    新潟弁なのか、リズミカルな文章が読み聞かせむき。
    おばばがこぞうさんのお尻をなでたのに、チビちゃんたちはオオハシャギ。たしかにおいしそうよね。

  • タイトルは知ってるけどよく知らない昔話。絵が少し怖いけど、昔話絵本はかわいい絵柄よりこういう方がいいなと思う。

  • 聞いたことはあるけど、詳しく内容は話せないなぁと思って図書館で借りて読んでみました。

    絵が怖い。文章の訛りが強くて読み聞かせしにくかったです。。
    でも息子は面白かったみたいで、先に夫に読んでもらって内容を教えてくれました。
    「トイレの神様に御札をもらって、御札が山になったり川になったり火になったりしておばばに勝つ」みたいなことを言っていたけど、「最後は黒い悪いやつが勝った」と言っていました。

    トイレの神様ってなんだ。適当か?と思ってたら本当に便所の神様だった。
    和尚は悪くは無いけど、まぁ騙して勝つので多少ずる賢い奴なのかな?

    「いちごさかえたなべのした ガリガリ。」?
    全く聞いたことが無かったですが、このお話の地方の結びの言葉だそうですね。
    何がどうなってこうなったんでしょうね。

  • 「寺の小僧は山へ花を切りに出かけましたが、日が暮れて道に迷い、白髪のお婆の住む一軒家に泊めてもらいました。ところが夜中に目を覚ますとお婆は恐ろしい鬼婆になって小僧を食べようとしています。小僧は便所にいきたいといってその手を逃れ、便所の神様から3枚の札をもらって逃げだします。語り口調をいかした再話による、スリルとユーモアをかねそなえた昔話の絵本です。」

  • 子どもの頃に読んでもらって
    怖いけどドキドキのスリル感
    が心に残ってたお話!

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著者プロフィール

水沢謙一

「1985年 『さんまいのおふだ 新潟の昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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