おばけリンゴ (世界傑作絵本シリーズ)

  • 福音館書店
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本棚登録 : 567
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834001853

感想・レビュー・書評

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  • 約12分かかる、ポーランドの作家さんによる作品。
    読み終えてから知ったことだが、「読んであげるなら4歳から」「自分で読むなら小学校低学年から」とあって驚いてしまった。
    いやいや、この面白さが分かるのは中学年以上かと思う。
    それとも大人向けかもしれない。
    最後の1ページに至っては、可笑しくて笑いがこみ上げてくる。
    絵も文章もなんとも可笑しな、不思議な魅力のある作品だ。

    ひとつの実もつけないワルターの家のリンゴの木。
    どんどん実がなるよその家のリンゴの木が羨ましくてならない。
    「ひとつでいいから」と切実に願い、念願かなってひとつのリンゴができた、というまでは普通のお話。
    でも、収穫するのが惜しくなったワルターは、どんどん大きくなったリンゴのために一転して不幸になる。
    そもそも持ち運ぶだけでも重労働。おまけに誰も買ってくれない。
    この辺りから話は二転三転して、ひょんなことからおばけリンゴが役に立つのだ。
    最後の1ページまで飽きさせない展開で、子供向けとは思えないほど面白い。
    「ひみつけいさつ」だの「おばけリュウ」だのも登場して、ワクワクさせられる筋立てだ。

    人の欲にはキリがない。リンゴを大きくしたためにずっと見張っていなければならず、ついにはあれほど望んでたリンゴのために悩み出す。
    「ほどほどの幸せ」が大事なのよね。でもなかなか気が付けない。
    大人が読むと、味が出そう。秘かに教訓もありそうで。
    そして、ワルターはなんとリンゴが嫌いらしい!!
    人気作品なので、お話会でもぜひどうぞ。

  • ワルターはりんごが嫌いなの?!とビックリしてしまいました。笑
    大人向けの絵本かな…と思いました。

  • ミムラさんの本に紹介されていて気になった絵本です。

    やっと花が咲いて、実をつけるまでかいがいしく世話をし、大喜びするワルターがとてもほほえましかったです。その分、中盤で、ワルターがりんごを担いで歩くところと、みんなに避難されるシーンがいたたまれなかったです。涙を流しながら歩くワルターが不憫で・・・
    最後のページのあたたかそうな部屋で横になるワルターにほっとしました。

    色遣いのきれいな絵本でした。
    絵本独特の主人公に対して優しく語るような訳がいいなぁと思いました。

  • 小学校1年の時に初めて丸ごと暗唱した絵本。子供に読んでやると、意外や意外、おばけリュウに同情が集まった。

  • 小さなことに、うんと心を込めれば願いは叶う。
    大切なものができると失うのが怖くなる。

  • ポーランドの絵本作家の作品。人生の何かを示唆しているようだが、二回読んでもはっきりとわからない。絵はなんとも言えない味があり、まじまじと見てしまう。湊かなえが推薦していたので手に取ってみた。

  • 実がなるどころか花さえさいたことのないワルターのたった一本のりんごの木。
    ひとつでいいからみがなりますようにとこころをこめていのると…

    展開からオチまですべて楽しい。

  • ワルター、リンゴが嫌いだったのか。でもいつか自分の育てたリンゴを食べてね。

  • 初めて実がなったリンゴの木。けれど、あまりにも大きすぎ。。ユーモア漂う物語。「きのははつやつやみどりいろ」など、詩人である矢川氏の訳文は鮮やかで美しい。

    貧しいワルターはリンゴの木を一本持っていましたが、実が一つもなりません。「ひとつでいいから実がなりますように」とワルターは願います。その願いは叶って、ひとつだけ実がなりますが、こんどはどんどん大きくなって、巨大なおばけリンゴになってしまいます。ワルターはリンゴを売りに行きますが、大きすぎるリンゴをののしってだれも買ってくれません。そこへ王様からの命令が。おそろしいリュウへの贈り物に、おばけリンゴを差し出せと言うのです。はたしてワルターとリンゴの運命は……。

    読んであげるなら 4才から

    自分で読むなら 小学中学年から 
               (福音館書店HPの紹介)

  • 真面目な願い事が、こんな形になっちゃうのが悲しい。でも、次の願い事はきっといい形で実るよ。

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著者プロフィール

ヤーノシュ

「1969年 『おばけリンゴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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