海底二万海里 (福音館古典童話シリーズ)

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感想 : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (752ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834004007

感想・レビュー・書評

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  • 2014年夏の自分への課題図書。
    森見登美彦氏がいろいろなところでおすすめ本として紹介していたので読みたいと思い、古本屋さんで購入したのですが、2年ほど本棚の片すみに置きっぱなしだったのでした。

    本書の語り手は海洋博物学者のアロナックス博士。
    読者は博士の語りと共に、謎めいた潜水艦・ノーチラス号に乗り込み、数多くの秘密を抱いた大海原を旅することになります。
    ノーチラス号の主であるネモ艦長は、過去の出来事の影響からか、地上との縁を切り海中でのみ生活をしています。
    潜水服を着て探索する海底の情景、サロンのガラス窓から見えるさまざまな魚たち、未開の地の原住民や巨大生物との戦い…
    敵か味方かもよくわからない、謎めいたネモ艦長との旅は、スリリングかつ魅惑的で、アロナックス博士をすっかり虜にしたのでした。

    登美彦氏は本書を読んだとき、そばに地球儀を置いてノーチラス号の進路をたどりながら読んだのだとか。
    ますます冒険心がくすぐられ、男の子にはたまらなかったことでしょう。
    次に読むときは、私も地球儀と、魚類図鑑も手元に置いて読みたいと思いました。

    フランス文学に苦手意識があるのですが、本書は好奇心が勝って読み進めやすかったです。
    …が、銛打ち名人・ネッド・ランドの皮肉を込めた言い回しなどは、いまいちぴんとこないこともたびたび。
    それでも、ヴェルヌの『神秘の島』も読んでみたいと思うのは、ネモ艦長の抱える苦悩が明らかにならぬままに終わってしまったからでしょう。
    ミステリアスな人は魅力的…と言いますが、ネモ艦長は「まさに!」といった感じです。

  • 鋼鉄製の潜水艦ノーチラス号。動力はバッテリー。深度1万メートル超まで潜航可能。きっと少年や男子の心をわしづかみ。しかも艦内には図書室やサロンもある。たまらない。

    海洋生物学者のアロナックス教授、その助手コンセーユ。ケベック出身の鯨捕り( モリ打ち)のネッド・ランド。そしてネモ艦長。ネモという名前、実は「 誰でも無い 」という意味のラテン語なのだった。
    物語はこの4人で進行する。潜水艦の他のクルーはその他大勢の扱いであった。

    教授ら3人はノーチラス号に軟禁されたかたちのまま長い航海が続く。教授とネモ艦長は時おり対話する場面があるのだが、いずれも科学者であり知識人同士の対話である。
    ネモ艦長は常に( 世界や近代国家に対する )不興不満そして怒りを底に秘めている。一方のアロナックス教授はめくるめく海中世界に夢中で、対比的に能天気に見える。この点作者の織り込んだメッセージ、批評性かも知れない。

    ネモ艦長はなかなかのダークヒーロー。マッドサイエンティストの面も。詳らかにはされないが、圧政者に妻子を殺されたらしい過去があり、国家に私怨を抱いている模様。転じて、陸上の、大地の上に築かれた国家・文明もまた忌避しているらしい。
    心中を語らず、ふつふつと怒りを湛える。終盤、国籍不明の軍艦に追撃され、対峙戦闘する。ネモ艦長はこの戦いで軍艦を撃沈させるのだが、軍艦の多数の乗組員も海中に没する。阿鼻叫喚の地獄絵図。だがネモ艦長は彼らを一人も救助せず、その場面を見つめ続ける。狂気である。

    ノーチラス号は日本近海から太平洋、インド洋、紅海、地中海を経て、大西洋、南氷洋へ。そして再び北に転じて大西洋から北欧近海へ。長い航海を続ける。
    ネモ艦長は自室に閉じこもることが多く、アロナックス教授らは軟禁されたまま、ある意味で狂気の航海、道行きに引き回される。「 闇の奥 」の遡上を思わせる感も。そしてウィラード大尉とカーツ大佐の狂気に通じる。また静けさと狂気を湛えた艦内の雰囲気に、黄昏れた空気に満たされたソラリスステーションをも連想した。

    さて、海中の魚類の説明が多くて辟易するという世評があって、それはそうなのだが、以下のような記述も多い。  「 ( 黒色のセントロノートという魚は )肉は脂肪たっぷりで白くひきしまっている。生の時はウナギによくにた味だが、干物にすると燻製のサケそっくりである。 」
    なんていう解説もあって意外。単に博物学的な解説でなく、作者自身の食通としての趣味嗜好ではないか?と思わせる。

     730頁と分厚く、重量は1.02kgであった。

  • 宇宙に負けず劣らず、人類未知の世界とされる海。そんな海を舞台にしたSF小説。ディズニーシーのアトラクションの元となったこの作品を、ハラハラどきどき、味わおう。

  • 息子が目をキラキラさせて、

    「これすっごく面白いよ!」

    とすすめてきたので読んでいます。

    彼も一緒に旅に出たみたい。

    長い年月を超えても子どもの目をキラキラさせるって

    素敵なことだ〜

  • ■伊藤忠097
    #海底二万海里
    #1階本棚
    #小学高学年から

    ■出版社からの内容紹介
    潜水艦ノーチラス号と、謎の男ネモ艦長の名を知らない子どもはいないでしょう。原書の精緻な木版画を完全復刻して、驚異と神秘に満ちた海底世界の旅へと、読者を導きます。

    #752ページ
    #21×17cm
    #伊藤忠寄贈図書

  • 小学生の時に読んで、こんな内容の本があるのかと驚きました。

  • 想像していたのは、海底冒険アドベンチャーであり、実際の本とはまったく違うということを書いておきます。(海底冒険のシーンもありますが)

    社会と断絶した中で燃えるような復讐心を持った人間が、その復讐を果たすときに主人公たちがたまたま居合わせた。
    ネモ艦長の復讐とは何だったのか、彼をこれほど駆り立てたものとは何だったのか。読み終えた後も分からないことがありますが、昔の作品とは思えないほど楽しく、でも忍耐もいる作品だと思います。

  • ディズニーが好きなのとジュール・ベルヌの作品に興味があるため。

  • こんなに古い本で、ここまでワクワクさせられたのは初めてでした。

  • ディズニーのアトラクションにもなっている作品。

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著者プロフィール

1828年、フランス北西部の都市ナントに生まれる。二十歳でパリ上京後、代訴人だった父の跡を継ぐことを拒否し、オペレッタの台本やシャンソンを執筆する。1862年、出版者ピエール=ジュール・エッツェルと出会い、その示唆を得て書いた『気球に乗って五週間』で小説家デビューを果たす。以後、地理学をベースにした冒険小説を次々に発表。作者が1905年に没するまでに六十篇を超えたそれらの小説は、いずれもエッツェル社から刊行され、1866年以降、その挿絵版が〈驚異の旅〉という総タイトルの下にシリーズ化された。代表作は、『地球の中心への旅』『海底二万里』『八十日間世界一周』『神秘の島』『ミシェル・ストロゴフ』等。多くの科学者や探検家が子供の頃に読んで強い影響を受けただけではなく、コナン・ドイル以降のジャンル小説の書き手はもちろん、レーモン・ルーセル、ミシェル・ビュトール、ジュリアン・グラック、ジョルジュ・ペレック、ル・クレジオ等々、ヴェルヌとの文学的血縁関係を自認する作家は少なくない。

「2021年 『ハテラス船長の航海と冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジュール・ヴェルヌの作品

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