黒いお姫さま: ドイツの昔話

  • 福音館書店
3.77
  • (8)
  • (2)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 73
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834004595

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アレンジされつくしたグリム童話等のいわゆるおとぎ話とは一線を画す、荒削りで荒唐無稽でわけのわからないドイツの昔話集。「小学校中級から」とあるが、むしろ大人向けかも。
    佐々木マキのとぼけた挿絵が、荒唐無稽のなかの可笑しさを増幅させている。

  • ドイツの昔話集。タイトルの「黒いお姫さま」をはじめ、怖いお話がいくつか収録されています。子どもたちは怖い話が大好き。夏のお話会などに喜ばれそう。ふり仮名もあり、挿絵も多く、一人読みに手渡しやすい一冊だと思います。ブックデザインは佐々木マキさん。そのシンプルでデザインチックな挿絵に時々ドキリとさせられます。とてもぴったり。
    ・黒いお姫さま
    15歳の誕生日に真っ黒になり死んでしまったお姫様。呪いをとくには善人がお姫様の棺の番をしなければなりません。王様は番人を立たせますが、真夜中になるとお棺のふたが開いて…。怖さにハラハラドキドキする物語。後半、黒いお姫様が見張り番を追い詰めるように探すシーンには息をのみます。うまく語れたら喜ばれそう。
    ・かしこい百姓
    百姓が知恵を使って王さまから一本とり、貴族になる短いお話。とんちばなしのようで気持ちがいい。
    ・小人のぼうし
    羊飼いが小人に出会い、不思議な帽子を借りて姿を消し、村の結婚式で飲み食い放題。呆れた小人に愛想をつかされてしまいます…。なんとまあ可哀そうでおかしなお話。
    ・金のくさりをつけた王子さま
    体に金のくさりをまきつけて旅に出た王子。くさりをうまく使い、盗賊にさらわれた姫を助けるが船で逃げる際、船長に手柄を横取りされ、島流しにあう。すっかり力をおとしていると、以前助けた幽霊が現れて…。王子様の冒険譚。素直に読めました。
    ・スリクシェばあさん
    地獄耳ならぬ地獄鼻のスリクシェばあさんは村のどこで何を焼いているかいっぺんにかぎつけることができます。ある家でウサギを焼いているのをかぎつけてはおかみさんをそそのかし、二人で内緒にペロリと平らげてしまいます。しかしそんな日はうまくは続かず…。おかみさんが一枚上手。悪いことはできませんね。
    ・しようがないヤギ
    仕立て屋のヤギは「もう腹いっぱい食べた」というくせに家に帰ると「葉っぱをもう一枚食べさせてもらえてたら」などという。何度もそんなことを繰り返すヤギに怒った仕立て屋は…。「いんにゃ、おいらあ はらいっぺえ はっぱ いちまい へえらねえ。」という台詞が愛らしい。
    ・ムッシェティーア、グレナディーア、プンペディーア
    ある王様の3人の王女が大男たちにさらわれました。それを救うべく名乗り出たのがムッシェティーア、グレナディーア、プンペディーアの3人。グレナディーアとプンペディーアは小人の城で恥をかいたり、大男の洞穴で卑怯な真似をしますがムッシェティーアは勇敢に賢く戦います…。大男を倒すシーンにギョッとしますがさらりと流せる程度だと思います。金の太陽、金の月、金の星など不思議なものもでてきて物語を面白くしています。
    ・寒い冬
    スケート中に魚釣りの穴に落ちて、首がすぽんと切れてしまった男の話。イラストもからっとしていてなんだかコミカル。最後のオチは上級生向き。よく考えないと大人でもわからないかも。イラストが分かりやすく説明してくれています。
    ・ふたごの兄弟
    ふたごの兄が竜退治。お姫様を救いますが年取った将軍に手柄を横取りされてしまい、魔法にかけられたお城で殺されてしまいます。それを知った弟は兄を助けに向かいます…。竜、魔法の城、黒いおとめと白いおとめ、血の滴る釘…魔法に満ちた物語。
    ・かじ屋と坊主
    かじ屋のおかみさんが好きな坊主が何とかしてかじ屋を追い出すべく、王さまをけしかけてかじ屋に無理難題をふりかけます。かじ屋は小人に助けられ何度も困難なお題を乗り越えます…。最後が「金のがちょう」にそっくり。
    ・魔法にかけられたお城
    金の角の鹿を追って森へでかけた狩人が見つけたのは魔法にかけられたお城。そこで狩人は丁重にもてなされますが、夜中になると真っ黒な男たちがやってきて…。「黒いお姫さま」のような怖さ。真っ黒い人って(挿絵もあいまって)不気味で怖い。

  • ドイツの昔話です。これはストリーテラーで初めて聞いて。絶版になっていたものを探しまくって手に入れました。呪いによって炭のようにまっ黒になってしまったお姫さまを超正直者の羊飼いが救うという話。途中ちょっとゾクゾクするところもいいところかも。

  • 童話じゃないことを思い知りました。結構怖い表現があったです。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

ヴィルヘルム・ブッシュ 採話者:ヴィルヘルム・ブッシュ『マクスとモーリツのいたずら』を始め、数多くの絵物語で、世界的に有名なドイツの作家。漫画の祖といわれる。愉快な絵と、韻をふんだ力強い言葉、するどく深い内容は、人々の心をとらえ、ケストナーやセンダックなど、後世の作家に深い影響を与えた。

「2015年 『黒いお姫さま ドイツの昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヴィルヘルム・ブッシュの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヨシタケシンスケ
ポール・フライシ...
アーノルド・ロー...
エドワード アー...
トミー=アンゲラ...
瀬田 貞二
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×