秘密の花園 (福音館文庫 古典童話)

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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834006179

作品紹介・あらすじ

両親を亡くした少女メリーは大きなお屋敷に引き取られてきます。だれも入ることを禁じられている廊下の奥から、ある日、子どもの悲痛な泣き声が聞こえてきます……。

感想・レビュー・書評

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  • これは、私の物語だー!と叫びたくなっちゃった!
    大好きな世界。私の世界がここにあるんだなぁと、この歳になって痛感しましたー。

    小学生の頃から大好きだった本。
    その後、映画化の頃にも懐かしく読んだはず。

    とにかく、秘密の場所、お庭が芽吹いていくことが大好きだったけれど、今読むと、素晴らしい子どもの生命力と、親以外の素敵な大人の存在に涙が出そう。

    何よりも信仰心を厚かましく描いていないところが好き!
    賛美歌を歌うシーンはあるけど、それも自然と子どもの心に湧き出てきたように描かれている。

    不思議な力や信じる思いをコリンとメリーは『魔法』と呼ぶ。それを聞いた、子どもたちが大好きなディッコンのお母さン、スーザン・ソワビーが、言います。

    「信じますよ、坊や。そういう名前は知らなかったけどね、でも名前なんぞはどうでもいいこった。フランスだの、ドイツだのじゃ、みんなそれぞれちがう名前で呼んでるんだからね。花の種をふくらませるのも、太陽を輝かすのも、坊やを太らせるのも、みんな同じ、『いいもの』なんですよ。人間にはけちな考えしかないもんだからちがう名前で呼ばれるのをいやがるけど、その『大きくて、いいもの』は気にしやしない…それを何と呼ぼうとかまうこっちゃない…」

    こんな素晴らしい表現ってありますかね、全世界の宗教全てを受け入れ肯定するような、作者の思いを見事に文章にしたんじゃないかしら!そして、私も全く同感。

    とにかく、このスーザン・ソワビーという女性の考え方が素晴らしくて、世の大人はみな、彼女を見習うがいいと思わずにはいられない。
    そして、今の世界中を見て、どうしてこんな素晴らしい子ども時代の思いを大人になって、社会に呑まれると、皆、忘れてしまうんだろう?と、不思議でしかたありません。どんな子どもも、こんな風に無邪気で真面目で光に満ちていたはずなのに!

    そうそう、頑固者の庭師、ベンもすごくいい!頑固なのは、世間の、バカバカしさに嫌気がさしていただけ。彼の心の中はいつも正直なのね、子どもにはその正直さがちゃんと伝わるの。

    ああそれにしても、お庭もお屋敷も、彼らの食べる美味しそうな朝食も、何もかもが素敵だなぁ、一面ヒースの丘も憧れでしかない。本当に好きな物がつまってる。
    蔦のからまる扉、自然に手入れされたお庭、バラとデルフィニウム!ため息しかでません。。

  • 久しぶりにいい児童書に出会いました 
    さすが名作!今まで手に取らなかったのがもったいない
    題名の花園ってところに何か閉鎖されたマイナスイメージがあったんですよね
    「花園」じゃなくて「ガーデン」でいいんですよね
    当たり前のお行儀のいいヒロインは出てこないんだから

    読もうと思ったきっかけは
    Eテレの番組「グレーテルのかまど」
    ぶどうパンを作っていました

    再生っていうテーマがいいですよね
    普通にガーデニングをする人にも手にとってもらえたらいいのに

    面白かったのは、コリンとメリーの壮絶な口げんか(笑)
    堀内誠一さんの挿絵も日本らしくなくてとっても素敵でした

  • コリンとの友情、素晴らしいーっ!ヽ(;▽;)ノ

  • インドで両親を亡くした少女メアリーは、イギリスの叔父さんの家に引き取られて行く。大きなお屋敷には、いとこのコリンが部屋に引きこもって暮らしていた。メアリーもコリンも、周りの大人たちに命令し、不機嫌で、不健康。特にコリンは、父親に見捨てられ、使用人たちからは「そのうちせむしになる」「長くは生きられない」と思われていたので自分の殻に閉じ籠り、時にひどい癇癪を起こし周りの大人たちを手こずらせていた。
    そんな中、まずはメアリーが庭師のベンやディッコンと仲良くなり、秘密の庭を甦らせるうちに心身ともに健康になってくる。それをコリンとも分かち合いたい…健康を取り戻し、前向きな気持ちで生きていってほしいと願いそれを強く信じて、秘密の庭で毎日過ごすようになる。
    「子どものことなら何でもよくわかっている」ディッコンのお母さんが先入観の無い態度で接してくれて、子どもたちをおおいに支えてくれる。自分の立場というもの以上にコリンとクレーブン氏親子のことを考えて行動する。
    子どもの可能性が無限大というのは、こういうことなのかな。そして、周りの大人の重要性!

  • やっぱり児童書の中で一番好きかも。
    映画でみるよりも小説で読んだ方がいい。
    いい魔法でいっぱいに満たして、庭いじりに精を出したい気分。+゚ヾ(o゚∀゚o)ノ。+゚

    うっかり感情移入する先がメドロックさんやベン、スーザン・ソワビーになってるところに歳を感じる。

    コマドリの話、もうちょっとあったと思ったけど、版が違うせいか、記憶違いか…訳違いも読んでみようっと。

  • 人間みんな、一人に一つくらい秘密にしたいことがありますよね。

  • 両親を亡くした少女メリーは、引き取られたイギリスの家である日、体と心を病む少年と出会う。少女と少年の出会い、そして再生が描かれた作品。

  • ほんとに素敵、素敵で泣ける

  • 言わずと知れた名作。早くこのあたりも読んでほしいなー。

    「子どもを本好きにする10の秘訣」>「家族・人間関係」で紹介された本。

  • 名作。
    登場人物の1人ひとりが
    しっかり確立してて、
    メリーとコリンの成長と変化に
    ぐっと引き込まれるお話だった。

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