ジオジオのかんむり

著者 :
制作 : 中谷 千代子 
  • 福音館書店
3.82
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本棚登録 : 560
レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (20ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834007145

感想・レビュー・書評

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  • 岸田衿子さんは、このような絵本も書いていらしたのですね。
    挿絵は中谷千代子さん。残念ながら1981年に亡くなられていますが、作品の良さを味わうことならいつでも出来るというもの。ありがたいことです。

    昨日の新聞で、20代・30代の自殺がいかに多いかという記事を読んだばかり。
    こんな世の中で、生きていても良いことなどないと悲観して、孤独に陥るというパターンが多いそうです。もちろんそう思う前には、病苦や経済苦や就職難など、直接的な原因がいくつか重なるのかもしれません。

    宗教家でも教育者でもない私ですが、今の日本で教えていないことは何か、この絵本を読むと答えが出ます。「いのちを大切に」などと欺瞞めいたことは教えるのに、どうやって周りと自分とを幸せに出来るかは誰にも教えてもらえません。一番大切なことなのに。

    立派な冠をしたライオンの王者・ジオジオ。誰もがジオジオを恐れて近づかない。
    でも彼はつまらなかったのですね。
    年老いて身体も不自由になったジオジオの傍に、ある日卵をみんななくしてしまったということりが現れます。
    そのことりに、なんとジオジオは、自分の冠の中に卵を産むようにと教えたのでした。
    それからは、いつでも一緒にいるジオジオとことり。
    季節がめぐり、ひなが無事生まれて、ジオジオの周りを飛び交う。

    最後が印象的です。
    『ジオジオは、よくめがみえません。でも、ジオジオはきいていたのです。ことりのこえを うれしそうにじっと聞いていたのです』
    なんとおだやかで幸せなジオジオ。
    彼は、奪うばかりだったライオン生に別れを告げて、与える側に回ってから幸せを手に入れたのでした。
    もちろん『幸せを手に入れた』なんて表現はどこを探しても出てきません。
    ジオジオは、優しい言葉をかけてあげました。強さの象徴のような冠を、ことりの住み家として提供しました。ことりは安全を与えられ、その代わりにジオジオに安らぎを与えたのです。

  • いつからだって、やさしくなれる

  • 母的にとても懐かしい本です、
    小学生の時、この本の内容に、自分で絵をつけて絵本を作ったことがあります。(自由参加の課外授業かなにかだったと思う)
    小学生の時から素敵な絵本だと思っていたけれど、大人になって読み直すと、違う見方ができます。
    年老いた有力者と、子供たち。
    目が見えなくなってきても、年をとったライオンにできることがある。
    それは力をひけらかすことではなくて、新しい命を育てること。
    それが、じおじおの幸せなのです。

    本当に素敵な絵本ですよね。

  •  なんて美しいお話なんだろう…。
     中谷さんの絵の色合いが季節感を感じさせてくれる。小鳥の感情、ライオンの感情、全部をつつみこんでいるような、やわらかい線。いいなぁ…。

  • 老境のライオンと周りの動物たちをめぐるおはなし。静かな語り口がしみる名作。こどももじっとききいる。

  • 誰にも互いを思いやれる理解者は存在する。ジオジオの冠は伊達じゃない。

  • 2018/8/17 15:59

  • 2017.1.28
    .
    #ジオジオのかんむり
    #岸田衿子
    #中谷千代子
    #福音館書店
    .
    誰か一緒にいてくれる人がいること、自分が誰かの役に立てるということ。
    それだけで人は満たされて幸せになれるんだな。
    ジオジオの穏やかな幸せそうな顔を見てるとジーンとくる。
    『かばくん』のお二方による絵本。
    わたし、中谷千代子さんの絵が好きみたい。
    夕立のページがいいなあ。
    .
    #絵本 #日々絵本 #絵本の記録 #70冊目

  • つよいジオジオの晩年。やさしい。

    C8795

  • 子どもには難しい内容。大きくなったらわかるかも。

  • 悲しいおはなしかと思ったら、この他にジオジオのパン屋とかもあるみたいで、なんかホッとしました。

  • やさしいおはなし。

  • 心優しいジオジオにほっこり。

  • 王さまでもみんなに恐れられていてお友達のいないライオンのジオジオと他の動物にタマゴを取られてしまった灰色のお母さん鳥との心あたたまる物語。

    ジオジオは年を取っちゃって目がよく見えないんだけど、それでもしあわせなの。
    頭の王冠のなかに鳥の巣があって、赤ちゃん鳥たちが元気に歌っているから。

    孤独と老いの哀しみのなかに異文化交流が生まれて、ほのぼのとできるステキな物語でした。
    なんと言ってもジオジオが良いライオンなんだよね♪

    仙台にある宮城県美術館で原画を見ました。
    味のある絵だったよ。

  • 幾つになっても人の役に立つのは、嬉しい事ね

  • ・中古購入

  • お友だちからの出産祝いで頂いたうちの1冊。

  • 昔小学校の時に、少しだけ離れたところにあった、本屋さんの、壁にかいてあったジオジオの絵、今でも覚えているほど、その本屋さんはよく覚えていて、私の本好きを支えていたものでもあります(ガラスのうさぎの本をそこで買ったもらったことも)。

    でも、お話は残念ながら読んだ記憶がないほど、すっかり忘れていて、息子たちに読み聞かせながら、全く新しい気持ちで楽しむことができました。

    とても強い王様だったジオジオ。でも今は優しい心で、小さな命を見守る存在になり、違う生き方を選んだジオジオ。こんなかんむりの使い方素敵ですね。
    息子もゆっくりと聞いて楽しんでいた様子。1歳になったばかりの娘もところどころ聞いていました。

  • 気になっていたし、借りた。

    ジオジオは、ライオンの なかでも いちばん つよいです。
    ジオジオは、だれかと ゆっくり はなして みたくなりました。
    そんなとき ジオジオは、はいいろの とりに であいました。
    はいいろの とりは、たまごを ぬすまれてしまったそうです。
    それを きいて、ジオジオは……。

    大人目線でよむと、ところどころかなしい。
    でも、おもしろい。
    実はもう表紙からおはなしがわかる。
    絵だけはじめによんでみても、内容がわかるいい絵本だ。
    ジオジオの表情も見所で、険しい顔から穏やかな顔になっていく。
    ななつのことり のおじいちゃんさながら。
    はいいろのとり の薄桃色と水色が、とってもきれい。
    ただ、はじめの森の絵の左上に少し見える茶色は誰なのか、最後までわからなくて気になる。
    落ち着いたら、ジオジオの童話も読んでみたいなぁ。

  • 義実家の蔵書。

  • ………………つづくの?シリーズなのかな?だったら期待(*´ω`*)

  • すてきな絵本。
    強いけれど怖がられてひとりぼっちのライオンの王様。
    やさしいきもちになります。

  • 孤独なライオンの王様「ジオジオ」が「はいいろの ことり」の卵を守るお話。
    最後の、年をとって目もよく見えなくなったジオジオの、柔らかな表情がとても良いです。

  • 2014/01/28 1-2

    2014/06/03 2-2
    2014/11/11 1-1

  • 優しいライオンの話。

  • ライオンとことりの関係がとても素敵です。
    ひとりぼっちはだれでも寂しいですよね。

  • ジオジオというライオンの王様がいた。
    ジオジオはみんなから恐れられる百獣の王だった。
    年を取り目も余り見えなくなってきて、寂しくなり誰かと話して離してみたくなったが、遠くからでも金色に輝く冠が見えたのでみんな怖がって誰も近づかなかった。
    あるとき、ジオジオの近くで灰色の小鳥が泣いていた。
    訳を聞くとせっかく生んだ卵がヘビや鷹に食べられてしまったのだとか。
    そこでジオジオは冠を卵の産み場所に提供してやる。
    卵を割らないようにゆっくりと歩き、その間は小鳥と話をする。
    雨が降ると木の下で雨宿り。
    ジオジオ寝ている間も怖くてヘビや鷹は卵を狙うことは出来ず、ついに雛が孵る。
    ジオジオの目はもうよく見えないが、7羽の小鳥たちのきれいな歌声に耳を傾けて静かに過ごすのだった。

    いい王さま。
    こんな優しい王さまのいるジャングルなら安泰だ。
    昔からの童話のようで素敵。

    ライオンからしたらたかが小鳥のために王冠を提供してやり一緒に過ごすのは、優しい気持ちになれる。
    けれど、最初は目を開けていたのに、最後のページでは目をつぶっているのが、本当にもうよく見えないのだ、ということが伝わってきて哀しい。
    優しいけれど哀しい。
    優しい王さまのことを知っているのは小鳥たちだけ。

  • 年老いたライオンの心温まるお話。
    ラスト思わず泣きそうになりました。

  • 2歳の娘はあまりお気にめさないようだけれど、ひとりで読んで涙ぐんでしまった。
    百獣の王者ライオン、ジオジオ。彼は向かうところ敵なしなしだけれど、それが退屈で仕方ない。それで思いついたアイデアがすばらしすぎる。なんと、冠を鳥の巣がわりにしてしまう。

    「適材適所」という言葉があるが、これは絶対権力を握る王様にも使える言葉なんだ! そこでまず、がしっと心を掴まれた。

    ジオジオは老いて目が見えなくなりはじめている。けれども、冠の中で生まれたヒナたちがさえずる声を聞き、結果、心慰められることになる。
    この、いわばささやかな「調和の奇跡」に、完璧な、けれども短い音楽を聴き終わったときのような、一瞬、信じがたいような感慨を味わった。
    岸田衿子、天才じゃなかろうか。


    ・・・と書いて、やっぱり中谷美代子の絵がなければ「かばくん」同様この絵本は成り立たないと気づいた。作家ひとりが奇跡を起こすことはまれなこと。本作はやはり、2人で起こした奇跡。「歴史」にはならない程度に・・・。

  • 岸田衿子と中谷千代子コンビの絵本。
    初版は1960年のロングセラー。

    年老いたライオンの話。
    ライオンの切なさや
    喜びが
    心にスーッと染み入ってくる。

    文章、イラストともに
    素晴らしい絵本。


    子どもはこういう絵本をどのように読むのだろう。

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著者プロフィール

1929年、劇作家・岸田国士の長女として東京府豊多摩郡に生まれる。立教女学院小学校、立教女学院女学校を経て、東京芸術大学油絵科に入学。1955年、谷川俊太郎の勧めで第一詩集『忘れた秋』を発表し、詩人としてデビューした。童話作家としても活躍し、1966年には画家の中谷千代子とコンビを組んだ『かばくん』でドイツ児童図書賞を受賞した。1973年、『かえってきたきつね』で産経児童出版文化賞大賞を受賞。

「2019年 『岸田衿子の詩による無伴奏男声合唱曲 うたをうたうのはわすれても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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