ジオジオのかんむり

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  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (20ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834007145

感想・レビュー・書評

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  • 王様ライオンの冠の中で鳥が卵を産み、そのライオンが守るというお話。目が見えなくなってしまった王様ライオンは、孵った七羽の鳥たちの声が聞けて幸せだね。

  • 〝ジオジオは、ライオンの中でも一番強かった。ジオジオの冠が「チカッ」と光ると、誰でも、こそこそ隠れてしまうのでした。 でも、ジオジオは、独りぼっちでした。...そこへ、卵をすべて失った灰色の小鳥がやってきて、悩みを打ち明けました...「卵を産みたいなら、いい場所があるぞ!」それは、なんとジオジオの冠りの中でした・・・〟年老いたライオンと小鳥の労わりを通して、慰めと安らぎの心境が描かれた、ほんわか絵本。

  • 「でも、ジオジオは きいて いたのです」

    優しい王様ライオンの話。心眼で、心の耳で聞いていたのでしょうね。(4分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #ジオジオのかんむり #岸田衿子 #中谷千代子 #福音館書店

  • 岸田衿子さんは、このような絵本も書いていらしたのですね。
    挿絵は中谷千代子さん。1981年に亡くなられていますが、作品の良さを味わうことならいつでも出来るというもの。ありがたいことです。

    昨日の新聞で、20代・30代の自殺がいかに多いかという記事を読んだばかり。
    こんな世の中で、生きていても良いことなどないと悲観して、孤独に陥るというパターンが多いそうです。もちろんそう思う前には病苦や経済苦や就職難など、直接的な原因がいくつか重なるのかもしれません。

    宗教家でも教育者でもない私ですが、今の日本で教えていないことは何か、この絵本を読むと答えが出ます。「いのちを大切に」などと欺瞞めいたことは教えるのに、どうやって周りと自分とを幸せに出来るかは誰にも教えてもらえません。一番大切なことなのに。

    立派な冠をしたライオンの王者・ジオジオ。誰もがジオジオを恐れて近づかない。
    でも彼はつまらなかったのですね。
    年老いて身体も不自由になったジオジオの傍に、ある日卵をみんななくしてしまったということりが現れます。
    そのことりに、なんとジオジオは、自分の冠の中に卵を産むようにと教えたのでした。
    それからは、いつでも一緒にいるジオジオとことり。
    季節がめぐり、ひなが無事生まれてジオジオの周りを飛び交う。

    最後が印象的です。
    『ジオジオは、よくめがみえません。でも、ジオジオはきいていたのです。ことりのこえを うれしそうにじっと聞いていたのです』
    なんとおだやかで幸せなジオジオ。
    彼は、奪うばかりだったライオン生に別れを告げて、与える側に回ってから幸せを手に入れたのでした。
    もちろん『幸せを手に入れた』なんて表現はどこを探しても出てきません。
    ジオジオは、優しい言葉をかけてあげました。強さの象徴のような冠を、ことりの住み家として提供しました。ことりは安全を与えられ、その代わりにジオジオに安らぎを与えたのです。

  • ジオジオは、ライオンの中でも一番強かったが、本当はつまらなかった。だれかとゆっくり話してみたかった。
    そんな時、灰色の鳥が「わたしのたまごがみんななくなってしまった」と嘆いた。
    そこで、ジオジオは――。


    灰色の鳥とジオジオのやり取りが可愛らしく、ジオジオが年老いていく中で、かんむりの中の小鳥たちに癒やされているだろうことを思うと、なんだか泣ける。
    絵も素晴らしく、味わい深い。
    夕立の場面も、夜の場面も、最後の場面も好き。

  • いつからだって、やさしくなれる

  • 母的にとても懐かしい本です、
    小学生の時、この本の内容に、自分で絵をつけて絵本を作ったことがあります。(自由参加の課外授業かなにかだったと思う)
    小学生の時から素敵な絵本だと思っていたけれど、大人になって読み直すと、違う見方ができます。
    年老いた有力者と、子供たち。
    目が見えなくなってきても、年をとったライオンにできることがある。
    それは力をひけらかすことではなくて、新しい命を育てること。
    それが、じおじおの幸せなのです。

    本当に素敵な絵本ですよね。

  •  なんて美しいお話なんだろう…。
     中谷さんの絵の色合いが季節感を感じさせてくれる。小鳥の感情、ライオンの感情、全部をつつみこんでいるような、やわらかい線。いいなぁ…。

  • 5歳0ヶ月

  • 2023-093年生

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著者プロフィール

1929年、劇作家・岸田国士の長女として東京府豊多摩郡に生まれる。立教女学院小学校、立教女学院女学校を経て、東京芸術大学油絵科に入学。1955年、谷川俊太郎の勧めで第一詩集『忘れた秋』を発表し、詩人としてデビューした。童話作家としても活躍し、1966年には画家の中谷千代子とコンビを組んだ『かばくん』でドイツ児童図書賞を受賞した。1973年、『かえってきたきつね』で産経児童出版文化賞大賞を受賞。

「2019年 『岸田衿子の詩による無伴奏男声合唱曲 うたをうたうのはわすれても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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