宇宙 そのひろがりをしろう (かがくのほん)

  • 福音館書店 (1978年11月17日発売)
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感想 : 50
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  • 本 ・本 (68ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834007367

感想・レビュー・書評

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  • 科学の知識を覚えるのではなく、理解してもらうところに主眼が置かれており、身近な所から次第に遠くの構成は、掴みから読者を引き寄せる。
    ただし、絵・字ともに細かいため、読み聞かせには不向き。
    作者の同じシリーズに「地球」「海」もあり、こちらも是非読んでみたい。

  •  2018年5月にかこさとしさんが亡くなった。
    この人が描いた本は昔ウチにも一冊あったな・・・と思い本屋で再び見つけてきたのがこの本。

     ノミのジャンプ力を人間に置き換えるとサンシャイン60ぐらいの高さまで飛び上がれる…といったミクロな世界から動物のスピード競争、世界の高層建築、乗り物の進歩とスピードアップ…と、次第に視点が巨大化していき最終的には銀河群を俯瞰するまでに広がる。
    その構成上様々な動物、建築物、乗り物が登場してちょっとした図鑑のようであり、しかも比較可能な状態で挙げられているのが面白い。
    中でも子供の心に刺さったのは新日鉄大分高炉とホーバークラフトが載っていた事だった。
    残念ながら大分ホーバーフェリーではなく英国の大型艇だったが「高速船と言えばホーバークラフト」という時代も反映していて大変よろしい。

     なにぶん40年前の出版なので現代の宇宙観と多少違う所(冥王星が惑星に分類されていたり)もあるが、そんなのは瑣末な事に過ぎない。
    それより(一応)子供向けの絵本ながら一切モヤモヤした表現を用いず、徹底して「科学の目」を貫いた妥協の無い姿勢が賞賛に値する。
    子供向けとは「子供騙し」という意味ではない。
    むしろ子供という「コネやカネが通じない相手」に対して真摯に向き合うという意味で一般の科学誌より遥かに素晴らしい本である。

  • 後半ページをめくるごとに視点が地球から遠く離れていく。初めて読んだ子どものころを思い出す。
    なかなか太陽系外の惑星に出会えない場面では心細く思った。終盤の銀河がたくさん見えるところでは、とてつもなく遠くまできてしまったことに唖然とし、地球を恋しく思った。宇宙の広がりの表現そのものに、物語性を感じていたのだと思う。

  • 本書が教科書だったら絶対に宇宙好きになると思う!
    絵本は学ぶきっかけにとても良い手段だと改めて思った。

    本の面白いところはノミのお話から始まるところ。

    宇宙と聞くと難しいイメージがあるけれど、身近な生き物や乗り物から話が進められて、徐々に主題の宇宙にいく構成なので本当に読みやすくて、もっと知りたい気持ちになれた

  • いまからずーっと昔、小学生のころ”かこさとし”の「海」、「地球」、「宇宙」がお家にあって、この本でとてもたくさんのことを覚えて、そして想像を膨らませていました。
    コロナでリモートワークしてる最中、ふと思い出して購入、大人になって読んでみるとかなり鮮明に絵の細かい部分まで記憶に残ってて、改めてすごく良い書物だなあと思いました。(ちなみに小学校の教科書については表紙も中身も一切がっさい記憶から消えております。)

    対象物の相対サイズにこだわり、絵の横にその寸法を細かく書いてくれているところ、これが好きでした。おかげで生き物や建物を大きさと一緒に覚えることができて、また「世の中にはこんな大きな生き物がいて、こんな大きな建物や星があるんだ!」ってとても興奮したものです。

    子供には超おススメ、大人にも結構おススメな一冊です!

    (”かこさとし”「海」「地球」「宇宙」合わせての感想になります。)

  • 加古里子さんの人生を注いだ絵本といって過言ではない。計算され、時間をかけ、読み手のことを深く考えて丁寧に作られているのだ。
    この本は、知識を強引に押し付けるものではない。少しでもこの世界・この星それらを飛び抜けた宇宙に興味を持った人間に、その背中を押してくれるような、あるいは手を取り導いてくれるような、1ページの中にぎっしりと描き込まれた情報量。これがただの写真ならばこんな感情は抱かなかった。加古さんの昔ながらの作風で温かみが生まれ、そこに丁寧に丁寧に描き込まれた情報にワクワクし、次のページへ行きたいのも山々、このページをどこまでも眺めていたいと衝動にかられる。
    本文をすべてひらがなにしているのも、読み手に対して加子さんが与えたいものが伝わってくる。この本に出会えて、ほんとうに良かった。

  • 遠い宇宙はわからなくてむずかしかった

  • ノミのページが好きだったのを思い出す。

  • 金井良太『AIに意識は生まれるか』の中で、理科が好きになった原体験としてこの絵本が紹介されていて、どんな絵本なのか興味が湧いたので読んでみました。

    ノミからはじまって宇宙の果てまで視点が広がっていく構成は、子どもが見たらワクワクするだろうなーと感じました。
    巻末の解説文は大人でも楽しめました。

    残念な点をあげるなら、白抜き文字の明朝体が小さい(というか線が細い)せいでちょっと読みにくくて、絵本だったらそういうところももう少し気にかけてほしかったなーというところですね。
    世の中にはディスレクシアの子とかもいるので。
    まあそんな考慮がなかった時代に作られた絵本なので仕方ないけど。

  • 「加古里子」さんの児童書。「かこさとし」と読みます。小学校に入る前に母が買ってくれた絵本で、今読み返してみても、かなり科学的なことがわかりやすい日本語で書かれています。本書は、虫の話から始まり、科学技術の発展の話につながっていきます。
    子供に読ませてあげてください。

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著者プロフィール

加古里子 1926年、福井県生まれ。東京大学工学部卒業後、民間会社の研究所に勤務しながら、セツルメント福祉運動、生活文化活動に従事。退職後、東京大学、東京都立大学、横浜国立大学等で児童文化教育論、児童行動論を講義。この間、絵本・紙芝居・物語等の創作と著述を行い、伝承遊びの調査研究を行った。絵本には、『かわ』『ゆきのひ』『とこちゃんは どこ』『マトリョーシカちゃん』『あなたのいえ わたしのいえ』『ことばの べんきょう(全4巻)』『海』『地球』『宇宙』『人間』、著書に『加古里子 絵本への道』(以上、福音館書店)『伝承遊び考(全4巻)』(小峰書店)等がある。工学博士、技術士(化学)。2018年没。

「2018年 『だんめんず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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