- Amazon.co.jp ・本 (68ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834007367
感想・レビュー・書評
-
科学の知識を覚えてもらうのではなく、理解をしてもらうところに主眼が置かれており、身近な所から次第に遠くの構成は、掴みから読者を引き寄せてくれる。
ただし、絵・字ともに細かいため、読み聞かせには不向きと思われる。
作者の同じシリーズに「地球」「海」もあり、こちらも是非読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018年5月にかこさとしさんが亡くなった。
この人が描いた本は昔ウチにも一冊あったな・・・と思い本屋で再び見つけてきたのがこの本。
ノミのジャンプ力を人間に置き換えるとサンシャイン60ぐらいの高さまで飛び上がれる…といったミクロな世界から動物のスピード競争、世界の高層建築、乗り物の進歩とスピードアップ…と、次第に視点が巨大化していき最終的には銀河群を俯瞰するまでに広がる。
その構成上様々な動物、建築物、乗り物が登場してちょっとした図鑑のようであり、しかも比較可能な状態で挙げられているのが面白い。
中でも子供の心に刺さったのは新日鉄大分高炉とホーバークラフトが載っていた事だった。
残念ながら大分ホーバーフェリーではなく英国の大型艇だったが「高速船と言えばホーバークラフト」という時代も反映していて大変よろしい。
なにぶん40年前の出版なので現代の宇宙観と多少違う所(冥王星が惑星に分類されていたり)もあるが、そんなのは瑣末な事に過ぎない。
それより(一応)子供向けの絵本ながら一切モヤモヤした表現を用いず、徹底して「科学の目」を貫いた妥協の無い姿勢が賞賛に値する。
子供向けとは「子供騙し」という意味ではない。
むしろ子供という「コネやカネが通じない相手」に対して真摯に向き合うという意味で一般の科学誌より遥かに素晴らしい本である。 -
後半ページをめくるごとに視点が地球から遠く離れていく。初めて読んだ子どものころを思い出す。
なかなか太陽系外の惑星に出会えない場面では心細く思った。終盤の銀河がたくさん見えるところでは、とてつもなく遠くまできてしまったことに唖然とし、地球を恋しく思った。宇宙の広がりの表現そのものに、物語性を感じていたのだと思う。 -
いまからずーっと昔、小学生のころ”かこさとし”の「海」、「地球」、「宇宙」がお家にあって、この本でとてもたくさんのことを覚えて、そして想像を膨らませていました。
コロナでリモートワークしてる最中、ふと思い出して購入、大人になって読んでみるとかなり鮮明に絵の細かい部分まで記憶に残ってて、改めてすごく良い書物だなあと思いました。(ちなみに小学校の教科書については表紙も中身も一切がっさい記憶から消えております。)
対象物の相対サイズにこだわり、絵の横にその寸法を細かく書いてくれているところ、これが好きでした。おかげで生き物や建物を大きさと一緒に覚えることができて、また「世の中にはこんな大きな生き物がいて、こんな大きな建物や星があるんだ!」ってとても興奮したものです。
子供には超おススメ、大人にも結構おススメな一冊です!
(”かこさとし”「海」「地球」「宇宙」合わせての感想になります。) -
加古里子さんの人生を注いだ絵本といって過言ではない。計算され、時間をかけ、読み手のことを深く考えて丁寧に作られているのだ。
この本は、知識を強引に押し付けるものではない。少しでもこの世界・この星それらを飛び抜けた宇宙に興味を持った人間に、その背中を押してくれるような、あるいは手を取り導いてくれるような、1ページの中にぎっしりと描き込まれた情報量。これがただの写真ならばこんな感情は抱かなかった。加古さんの昔ながらの作風で温かみが生まれ、そこに丁寧に丁寧に描き込まれた情報にワクワクし、次のページへ行きたいのも山々、このページをどこまでも眺めていたいと衝動にかられる。
本文をすべてひらがなにしているのも、読み手に対して加子さんが与えたいものが伝わってくる。この本に出会えて、ほんとうに良かった。 -
金井良太『AIに意識は生まれるか』の中で、理科が好きになった原体験としてこの絵本が紹介されていて、どんな絵本なのか興味が湧いたので読んでみました。
ノミからはじまって宇宙の果てまで視点が広がっていく構成は、子どもが見たらワクワクするだろうなーと感じました。
巻末の解説文は大人でも楽しめました。
残念な点をあげるなら、白抜き文字の明朝体が小さい(というか線が細い)せいでちょっと読みにくくて、絵本だったらそういうところももう少し気にかけてほしかったなーというところですね。
世の中にはディスレクシアの子とかもいるので。
まあそんな考慮がなかった時代に作られた絵本なので仕方ないけど。 -
「加古里子」さんの児童書。「かこさとし」と読みます。小学校に入る前に母が買ってくれた絵本で、今読み返してみても、かなり科学的なことがわかりやすい日本語で書かれています。本書は、虫の話から始まり、科学技術の発展の話につながっていきます。
子供に読ませてあげてください。 -
「宇宙、その壮大な世界を描くために、著者は10年をついやし、30場面(60ページ)もの大作になりました。まず、人間が、より高く、より遠く、より速く、走ったり飛んだりしようとしてきた結果、ついに宇宙へ飛び出せる脱出速度を獲得するまでが描かれます。そして、この本の中で私たちは、宇宙船にのって宇宙の謎をさぐりに飛び立ちます。」(『読んでみない?科学の本 しらべてみようこんなこと』子どもと科学をつなぐ会 編 連合出版 2000 の本での紹介より抜粋)
-
p22
銀河の腕発見 ?
このページから急に難しくなった
音響学的限界、有効意識限界、極圏、カーテン状オーロラ、放射状オーロラ
流星(50〜150km)って書いてある 上空のそのくらいの位置で星が流れてくるの!?
体液沸騰(19km) ウン…
p31
第二宇宙速度 11.2km/秒
地球引力圏脱出
「めっちゃ速く射出すれば重力を振り切って地球を脱出できる」
この場合、必ずしも垂直方向でなくてもよい
まっすぐ前に向けて打っても第二宇宙速度〜の速度なら…
p32
放射線帯(バンアレン帯)
p34
月
地球の一番近くにある、水も空気もない天体
自分で光ったり熱を出したりはしない
地球の周りを回るのは人工衛星と同じ仕組みで。
重力は地球の六分の一
水星、日本の絵師とか作家の名前がついてて草
p38
太陽の爆発、磁気の乱れでオーロラが出たりする
太陽の寿命はあと50億年と言われている
p41
「流れ星」の正体
数えきれないほど太陽の周りに漂っている、砂のように小さいチリ
地球の近くにくると流れ星となって見ることができる
「箒星」
流れ星の太陽バージョンで、太陽に近づくと尾ができる
p42
太陽はヘルクレス座に向かって1秒20kmの速さで進んでいる
太陽の次に地球に近い恒星、だいぶ遠いところにある
10光年くらいのところに割と星がある
p48
星の一生
星間ガス→数億年→縮まって高温高圧となり原始星ができる
その後数百万〜百億年かけて星になる
その後星全体がふきとんでガスになる、爆発するなど
p50
太陽系が銀河系のうずを進み、ひと回りにかかる時間は二億年
p52
島宇宙
銀河系やアンドロメダ星雲などの外にはほぼ何もない空間が広がる
そういうさまが海に浮かんでいる島のように見えるから島宇宙という
p57
光、電波に近い速度になると
時間や長さが短くなり、重さが増える
音の壁、熱の壁、重力の壁を乗り越えたのとは違った事情になる
p58
電波だけを出している電波星雲
準星(?) なに
遠く離れれば離れるほど早い速度で遠ざかっているらしい
解説
オズマ計画、アレシボ通信
星巡りの歌
宮沢賢治 -
宇宙の大きさを正しく、楽しく届けたい気持ちに溢れた児童書。細かい情報が盛り沢山で、最後の解説と索引もすごい。読み聞かせには向かないが、高学年から大人まで楽しめる本だと思う。