宇宙 (福音館の科学シリーズ)

著者 :
制作 : 加古 里子 
  • 福音館書店
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本棚登録 : 332
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (68ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834007367

感想・レビュー・書評

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  •  2018年5月にかこさとしさんが亡くなった。
    この人が描いた本は昔ウチにも一冊あったな・・・と思い本屋で再び見つけてきたのがこの本。

     ノミのジャンプ力を人間に置き換えるとサンシャイン60ぐらいの高さまで飛び上がれる…といったミクロな世界から動物のスピード競争、世界の高層建築、乗り物の進歩とスピードアップ…と、次第に視点が巨大化していき最終的には銀河群を俯瞰するまでに広がる。
    その構成上様々な動物、建築物、乗り物が登場してちょっとした図鑑のようであり、しかも比較可能な状態で挙げられているのが面白い。
    中でも子供の心に刺さったのは新日鉄大分高炉とホーバークラフトが載っていた事だった。
    残念ながら大分ホーバーフェリーではなく英国の大型艇だったが「高速船と言えばホーバークラフト」という時代も反映していて大変よろしい。

     なにぶん40年前の出版なので現代の宇宙観と多少違う所(冥王星が惑星に分類されていたり)もあるが、そんなのは瑣末な事に過ぎない。
    それより(一応)子供向けの絵本ながら一切モヤモヤした表現を用いず、徹底して「科学の目」を貫いた妥協の無い姿勢が賞賛に値する。
    子供向けとは「子供騙し」という意味ではない。
    むしろ子供という「コネやカネが通じない相手」に対して真摯に向き合うという意味で一般の科学誌より遥かに素晴らしい本である。

  • 後半ページをめくるごとに視点が地球から遠く離れていく。初めて読んだ子どものころを思い出す。
    なかなか太陽系外の惑星に出会えない場面では心細く思った。終盤の銀河がたくさん見えるところでは、とてつもなく遠くまできてしまったことに唖然とし、地球を恋しく思った。宇宙の広がりの表現そのものに、物語性を感じていたのだと思う。

  • すごい。濃密な内容。

  • 加古里子さんの人生を注いだ絵本といって過言ではない。計算され、時間をかけ、読み手のことを深く考えて丁寧に作られているのだ。
    この本は、知識を強引に押し付けるものではない。少しでもこの世界・この星それらを飛び抜けた宇宙に興味を持った人間に、その背中を押してくれるような、あるいは手を取り導いてくれるような、1ページの中にぎっしりと描き込まれた情報量。これがただの写真ならばこんな感情は抱かなかった。加古さんの昔ながらの作風で温かみが生まれ、そこに丁寧に丁寧に描き込まれた情報にワクワクし、次のページへ行きたいのも山々、このページをどこまでも眺めていたいと衝動にかられる。
    本文をすべてひらがなにしているのも、読み手に対して加子さんが与えたいものが伝わってくる。この本に出会えて、ほんとうに良かった。

  • この作品は、大人になってもためになる。

  • 宇宙あまりにも、大きすぎて、想像できない、でも加古里子さんのやさしい、親しみ深い文で少し近ずけたかな?

  • ジャケ買い→保存本。
    加古里子さんが科学に関する絵本を描いていたなんて
    全く知らなかったのですが。
    -------
    この本はタイトル通り「宇宙のひろがりを知る」絵本です。

    前半は、虫の飛ぶ高さや動物の走る速さ、乗り物、世界中の建造物 等から「速さ」「高さ」について語ってます。
    ページを追うごとに視点は、ミクロ(ex.虫の世界)からマクロ(ex.飛行機)へと広がっていきます。

    ヒトはいくら鍛えても、鳥のように飛べず、チータ―のように走れません。
    ヒトは「もっと高く」「もっと速く」と憧れることで、技術を進歩させていき、
    鳥よりも高く飛び、チーターよりも速く走れる存在になりました。

    そしてヒトは、鳥もチーターも知らない「宇宙」に飛び出します。
    ※ケプラーの法則や宇宙速度の話。10年前に習ったことが  
     記憶の底からもぞもぞ蘇るような内容です。大人向き?

    後半は、宇宙がどのように広がっているかをぐいぐいと描いています。
    大気圏、太陽系、島宇宙、銀河系、宇宙全体…
    この辺りまで来ると、広さも速さも時間も渾然一体となってきて、
    読み手の私は、スケールにやられてきました。
    ぼんやりぐんにゃりとしてきて、心も遠いところに旅立ちます。

    |私がいる社会は、雑多な人間が織りなす、小宇宙です。
    |私の体も、色々な機能を持つ細胞が織りなす、小宇宙です。
    |私の細胞も、多様なたんぱく質で構成された、小宇宙です。

    なんて、考え事をしてみたり。
    --------

    今日まですっかり忘れていました。
    私、野尻 抱影さんの本にはまって、星座の名前を丸暗記し、
    オリオン座を見て笑っている、妙な幼稚園児でした。
    なんか、懐かしいな~。
    今度プラネタリウムでも行こっと。

  • ノミのジャンプからはじまって宇宙の果てまで。
    ズームインからズームアウト。
    ミクロからマクロへ。
    ダイナミックな旅を自宅にいながらにして味わえるマーベラスな絵本。
    「いま、ここ」が無限に思える世界の果てと地続きなのだと説得力をもって教えてくれる。

    当時保育園児だった私にこの本を買い与えてくれた両親にただただ感謝。

  • ミクロ〜宇宙につながる壮大な生命の糸に感動。
    タイトル以上のものが得られます。

  • 図書館で借りて、感動して、その後購入してしまった絵本。
    これを読めば、あぁ〜宇宙と自分ってこう繋がってるんだ!って
    実感が沸くんです。繋がってることが、わかる。
    最後の方になってくると、自分が宇宙空間に浮かんでる気分になっちゃうし。。
    気持ちがスーッとする。
    私は元気がないときにコレを読みます。
    加古さんの絵も、可愛い+味があって、とても好きです。

著者プロフィール

加古里子(かこ さとし)
1926年3月31日 – 2018年5月2日
福井県越前市(旧・武生市)生まれ。8歳から東京都板橋区で育つ。成蹊高等学校(旧制)を経て東京大学工学部応用化学科卒業後、昭和電工の研究所に勤める。工学博士、技術士の資格を取得。勤務のかたわら困難を抱えた人々に寄り添うセツルメント活動、児童向け人形劇、紙芝居などの活動に従事自作の紙芝居が福音館書店の松居直の目に留まり、59年に絵本『だむのおじさんたち』でデビュー。
1973年に会社を退職後、ニュースキャスター、大学講師、海外での教育実践活動に励みながら、物語絵本、知識絵本、童話、紙芝居など非常に多くの作品を記した。特に自然科学の専門知識を活かした「科学絵本」を刊行し、このジャンルの開拓者・先駆者とみなされる。2008年「絵本作家、児童文学者としてのユニークな活動と、子供の遊びについての資料集成『伝承遊び考』全四巻の完成」により菊池寛賞、2009年『伝承遊び考』で日本児童文学学会特別賞をそれぞれ受賞。
50代で緑内障を患って以来左目はほとんど見えず、近年は持病の腰痛もあって車椅子生活が続いたが、創作意欲は全く衰えず、1月には「だるまちゃん」シリーズの新作を刊行。亡くなる前日まで、届いたファンレターの読み上げを聞いていたという。

加古里子の作品

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