きつねとうさぎ (世界傑作絵本シリーズ)

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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834009958

作品紹介・あらすじ

きつねはいいかえします。「おまえにとびかかって、ひきちぎってやる!そうすりゃ、かぜにとびちるさ!」「おーっ、なんとらんぼうなこと!」うしは「モーッ!」とうめいて…読んであげるなら3才から、じぶんで読むなら小学校初級から。

感想・レビュー・書評

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  • こっくりとした色使いが印象的なロシアの昔話絵本。

    冬。
    きつねは氷でできた家に住んでいました。
    うさぎは木の皮でできた家に住んでいました。
    きつねはうさぎの家を見ていいました。

    「なんて きたない いえだこと! ひどい ぼろやじゃないの!わたしの いえは ピーカピカ。あかるい こおりのきゅうでんなのさ!」

    春。
    きつねの家は溶けて無くなってしまいました。
    きつねはうさぎの家に無理矢理入り込み、そのまま居着いてしまいました。
    うさぎが泣きながら歩いていると、狼に会いました。
    狼はうさぎの話を聞いて同情し、自らの威信も賭けてきつねを追いだそうとします―――。

    昔話ということで、一瞬このおはなしは主人公のうさぎ(=とある国か民族)がきつね(=隣の国か民族)に襲撃され、土地を奪われ、おおかみ(=強国、強民族)に助けを求めた、というおはなしなのかも…と、妄想した。たぶん違うと思う。
    おはなしを書いたフランチェスカ・ヤーブルソワはカザフスタン出身だということ。

    常にまんまるい瞳のうさぎをじっと見てると妙に胸が掻き乱される…。かわいすぎる〜

    • こっとんさん
      5552さん、おはようございます。
      この絵本、持ってます!
      とにかく絵が美しいですよね〜
      子どもに読み聞かせをしながらもどうしても絵に見入っ...
      5552さん、おはようございます。
      この絵本、持ってます!
      とにかく絵が美しいですよね〜
      子どもに読み聞かせをしながらもどうしても絵に見入ってしまったことを思い出しました。
      そして、きつねのセリフをいかに高飛車な感じで憎たらしく読もうかと頑張っていたことも‥‥笑
      懐かしいことを思い出させていただいて感謝ですっ!
      2021/11/16
    • 5552さん
      こっとんさん、こんにちは。

      この絵本、こっとんさんの思い出の絵本なんですね。
      私はブクログでみつけて、表紙の絵に惹かれて手に取ったん...
      こっとんさん、こんにちは。

      この絵本、こっとんさんの思い出の絵本なんですね。
      私はブクログでみつけて、表紙の絵に惹かれて手に取ったんです。
      外国の絵本らしい、独自の美しい絵ですよね〜。
      きつねの台詞、ほんと憎たらしい!
      でも声に出して気持ちを入れてしゃべってみると、意外と気持ちいいですね!
      お子さんに読み聞かせするこっとんさんを想像してホッコリしました。

      コメントありがとうございました!
      朝から嬉しかったです。
      2021/11/16
  • ロシアの昔話。

    繰り返しや次々と出てくる動物たちのだれが一番強いのかなど…昔話だなと感じる要素はたっぷり。

    きつねは、こおりのいえに住み、うさぎは木のかわのいえに住んでいたが、春になりきつねのいえは、とけてきえてしまった。
    きつねに追い出されたうさぎは、おおかみにくまにうしにと追っ払ってもらうつもりが、みんなにげだしてしまう。
    さいごは、おんどりがやってきて、うたいだした。
    そのうたが…
    すごいなぁ。

    小さな子だとなんでなんで〜となる。
    きつねより大きくてこわい動物たちが、次々と出てくるのにすぐやられてしまう。
    いちばん小さくて弱そうなおんどりが、なんで強いのかなぁって。
    うたをよく聞いてみて〜。

    読み聞かせは、繰り返しがいいみたいだなぁ。
    絵も子どもには、とてもわかりやすいみたい。

    大人(自分)は、可愛いくて癒されるような絵が好きなんだけどな。


  • 大人の私が読むと、「何これ?」と思ってしまうような、私のイメージ通りの昔話なのだが、お子さんが読むと、「強そうな動物が、なんで?」と思い、そのギャップが面白く感じるのだろうか?

    いや、冷静に考えてみると、実はちょっと興味深い話かもしれない。

    うさぎの家をきつねに乗っ取られたことを知った、おおかみが、きつねを追いだそうとしたときに言った言葉が、「きつねを おいだせなかったら、おおかみなんて いえるものか!」で、一瞬、それもそうかと思ってしまうが、これって自分のプライドにかけて行動するということなのか? うさぎの為にしているようで、そうではないの? とも思えるし、あるいは、そうした固定観念(おおかみはきつねより強いもの)に縛られていることへの皮肉なのか、はたまた、追いだす以外の方法もあるんじゃないの、といった客観的な物事の考え方を促す意図なのか。

    なんて、あれこれ考えてみると、面白いもんですね。どれが正解かなんて分からないし。

    ちなみに、最後に登場する~は、それまでの動物たちとは、ちょっと違った思考法で試みた結果・・・私的には、これも「理由はそれか」と理解に苦しむ部分もあったが、素朴な絵柄も含めて、どこかユーモラスな味わいが印象的。

    また、この素朴な絵柄や、周りの植物を含めた独特のデザインが気になり調べてみたら、フォークアートと呼ばれる、土地固有の文化を持つ職人さんが作るもので、上手い下手は関係なく、素朴で温かみのある、やさしい色合いとデザインは、つい何度も見たくなる魅力と美しさがあって、ロシアの良さをひとつ知った気分になれました。

  • 性悪なきつねに家を奪われたうさぎ。
    オオカミ、クマ、ウシを味方に家を取り戻そうとするが、恐れを知らないきつねの剣幕、凶暴性に圧され、あえなく逃げ帰ることに。
    最後にうさぎを助けることができたのは意外な動物でした。

    この話に限ったことではないが、絵本ってリフレインや、状況をちょっとだけ違えたシーンを繰り返すってことが多いのだけれど、自分的にはなんかすごく安心するし、わくわくもする。
    予定調和めいた構造の中に次はどんな変化をたくらんでいるのだろう、と。

    この物語もそんなお話のひとつ。
    読み聞かせながら、じゃあ一体誰ならきつねを追い払えるのさと気持ちが高まっていく。
    実は結末はうまくまとめた感はあまり感じないのだけれど、相手によって攻めどころのつぼがあるって寓意なのかなと得心でした。

  • あるところにきつねとうさぎが隣同士で暮らしていた。春になり、氷でできたきつねの家が解けてなくなってしまうと、きつねは木の皮でできたうさぎの家に入りこみ、うさぎを追い出す。うさぎが泣いていると、おおかみやくまや牛がやってきて、話を聞き、きつねを追い出してやると言う。しかし、三匹とも、きつねの言い返す言葉に驚いて逃げる。最後に、おんどりが、毛皮の帽子にしてやると言うと、きつねはあわてて逃げ出す。おんどりとうさぎは仲良く暮らすようになる。(32ページ)
    ※ともかく、絵が好き。額に入った一枚の絵を見ているよう。ロシアの昔話らしい。
    小さいおんどりが勝ったのは、言葉の強さ、迫力、手に持った剣の威力か?泣き虫うさぎも木の棒を持って、一緒に戦おうとしたからか?

  • 寒い寒い冬。
    きつねとうさぎがお隣どうしで住んでいました。
    きつねの家は氷の家、うさぎの家は木の皮の家。
    きつねは、私の家はピカピカ~、あんたの家はボロボロ~とひどいのです。
    でも、春がやってきました。
    きつねの家はとけてしまいました。
    すると、きつねはうさぎの家を乗っ取ってしまったのです。

    うさぎは森の強い動物たちと、家を取り戻そうと戻りましたが、きつねに引きちぎってやる!と追い返されてしまいます。

    さてさて?

    〇きつねは大阪のおばちゃんのイメージ(※イメージです。こんなおばちゃんいません。多分)
    面白かった。絵はのどかなのに。

  • 映画会でこの映像他、ノルシュテインのいくつかのフィルムを鑑賞してきました。
    翻訳家、児島宏子さんもいらっしゃり、児島さんの生の解説を聴きながら、映像作品を干渉するという、とても貴重な場に居合わせることができました。
    背景に使われている模様や植物が、刺繍のような、フォークロアな感じだなと思っていましたが、農村芸術を採用したとのことです。
    児島さんは現代の「いじめ」にも通じるお話です。と仰っていました。
    弱い者には、たくさんの味方が必要なんだと改めて感じるお話でした。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「児島さんの生の解説を聴きながら」
      羨ましい~
      私は、このチョッと可哀相な表情をしたウサギは結構好きです。
      「児島さんの生の解説を聴きながら」
      羨ましい~
      私は、このチョッと可哀相な表情をしたウサギは結構好きです。
      2012/11/05
    • hinagiku3011さん
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます(^^)このうさぎくん、つい手を差し伸べてあげたくなるような、心細そうな表情ですよね。
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます(^^)このうさぎくん、つい手を差し伸べてあげたくなるような、心細そうな表情ですよね。
      2012/11/06
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「つい手を差し伸べてあげたくなるような」
      はい。
      哀しみのような、諦めのような微妙な表情がです。
      「つい手を差し伸べてあげたくなるような」
      はい。
      哀しみのような、諦めのような微妙な表情がです。
      2012/11/09
  • ロシア民話。
    おおかみにもくまにも牛にも負けない
    きつねさん(スカートがすてきすぎる)すげええええ!
    ってなる絵本。

    個人的にはイラストが好きかも。
    ないて相談してるわりに、にんじん食ってるうさぎとか。

  • もし助けてくれるやつがあらわれなかったらどうしてたんだろう。
    力がほしい

  • ロシア民話らしい味のある絵が可愛い。
    ゴーゴリ「外套」の映像化をライフワークとしているノルシュテインとそのパートナー・ヤールブソワの息がぴったり。おんどりとうさぎは彼らなのかしらね。

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著者プロフィール

ユーリー・ノルシュテイン  原案は、ロシアの児童文学者のコズロフ。最近、岩波書店から「ハリネズミくんと森のともだち」が出版された。文と構成は、ユーリ・ノルシュテイン。映像の詩人といわれ、世界的に評価の高いロシアのアニメーション作家。「話の話」「霧につつまれたハリネズミ」など熱狂的なファンが多い。絵は、フランチェスカ・ヤルブーソヴァ。ノルシュテインの作品の芸術監督で、私生活でもパートナー。

「2000年 『きりのなかのはりねずみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ユーリー・ノルシュテインの作品

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