パンのかけらとちいさなあくま―リトアニア民話 (こどものとも傑作集)
- 福音館書店 (1992年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834010831
感想・レビュー・書評
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タイトルからは想像できなかった面白さ!
これぞ昔話のいいところ!って感じのお話!
誰とは言わないが、めっちゃいいやつ!!!!!
人?を肩書きで判断しちゃあいけないゼ。
読みやすいし面白いし、バッチリじゃないですか!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バルト三国のひとつ、リトアニアのお話。
かつては「東欧」という区切りに入っていた国だが、今は「北欧」に入るらしい。
堀内誠一さんの挿絵は、知らずに読むとまるでかの国の挿絵画家のように雰囲気たっぷりだ。
悪魔というと神に対峙する闇の存在と言うイメージだが、キリスト教では確か天使と同じく神の使いだったはず。
なので、このお話に登場するような、人間のために尽くす良い悪魔も当然存在するのだろう。
悪魔なんてものじゃなく、ほとんど「妖精」である。
何せリトアニアでは、家庭に小さな悪魔の彫像が置いてあるそうで、幸福の象徴であるらしい。世界は広いのだ。
貧乏な木こりのパンの欠片をほんのいたずら心で盗んだら、大きな悪魔たちに叱られてしまう、というのがお話のスタート。
木こりのために働いて何か役立つことをして来いと諭されるのだから、もう笑ってしまう。
素直に従うだけでなく、それはそれは知恵を使って大変な大仕事をしてくれるのだ。ここは読みどころのひとつ。
刈り取った麦をひと束にくくる場面では、そのひと束の規模の大きさに爆笑。
涙を流して喜ぶ木こりと、これで許してくれる?と言う悪魔。じわっと来るラストだ。
呆れるほど強欲で意地悪な地主が登場するが、これって帝政ロシア時代のモデルかしら。
圧制下の貧しさにあえぐリトアニアの人たちは、やさしい悪魔の存在に夢を託したのかもね。
いや、そんな深読みなんてしなくても十分面白いお話。
可愛い悪魔が、読み手の気持ちもハッピーエンドに運んでくれる。
約10分。年長さんくらいから聞いてくれそう。 -
リトアニア民話。
リトアニアには悪魔博物館があるほど、悪魔が親しまれている国だそう。悪戯っ子だけど、人間が好きで、困っていると放っておけないんだって。
絵本に出てくる悪魔なのに、大きい悪魔も小さい悪魔も優しいのにびっくり。
知恵を働かせて、貧乏な木こりを助ける典型的な民話です。
高学年も楽しんで聞いてくれそうでお気に入り。
およそ8分。 -
あくまは優しかった!
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人間よりよっぽど慈悲深い悪魔
悪魔よりよっぽど悪辣な地主
堀内誠一の魅力炸裂の素晴らしい挿絵。
物語が終わり、一番最後のページの絵には家庭のあたたかささえ感じられる。 -
とても好きな本のひとつです。あくまは、悪く書かれがちですが、このあくまは、ほんとに良い子で、ラストもスカッとする物語です。
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小学校のおはなし会で、何度も読んでいます。よく、昔話では悪者が死んでしまう事がありますが、この絵本でも悪い地主が死んでしまいますが、「びっくりして死んでしまいました。」と読んだ所で、子ども達な、なんと笑ってしまいます。死ぬ=悪い事、悲しい事ではなく、昔話の中では、納得する部分なのだと思います。
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パンづくりの際に、パンと関連した本をとのことで、小3と小1の女の子に読み聞かせ。
なかなかながい話ですが、最後まで静かに聞いてくれました。
お話の中に、小麦畑が出てきます。
この本の前に、パンができるまでを紹介した写真絵本も見せていたので、小麦畑についてすぐに理解してくれたように感じます。
今回は、パンづくりありきの読み聞かせだったので、小麦とパンについての会話をしながらになりました。
おもしろかったとの感想をもらえたので、普段の読み聞かせにもいいかもしれません。
ただ、やはり長いかも…。一年生もぎりぎりかな?最後まで聞いてくれたけど、長いと言われたので…(^^; -
悪魔だっていうのでちょっと怖いのかななんて予想して読んだら全然違いました。なので、5歳児怖がるかと思っていたけど、面白かった!と言っていました。
貧乏な木こりのパンを盗んで帰っておおきな悪魔達におこられたちいさなあくまは、木こりにいいことをするために戻ります。リトアニアの昔話だそうで、調べてみると、リトアニアでは、悪魔は悪ではなく、人間との関係も良好で、妖精やエルフイメージらしいです。