タンゲくん (日本傑作絵本シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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感想 : 73
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  • / ISBN・EAN: 9784834011630

感想・レビュー・書評

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  • ひゃあーっっ!!
    この表紙見て見て!
    ハミ出しそうなくらい目一杯に描かれたイカツい猫、
    タンゲくんのインパクトにまんまとヤられました(笑)

    一家団欒の晩御飯中にいきなり居間に入ってきて、
    少女の膝の上に座った片目の猫。
    あくる朝目を覚ますと、少女の胸の上で気持ちよさそうに丸まって喉をゴロゴロ鳴らしている。
    お父さんが付けた名前はタンゲくん。
    (漫画「あしたのジョー」の片目の会長、丹下段平からきてるのか、はたまた隻眼隻腕の剣士、丹下左膳から付けたのか?笑)

    お母さんは目に薬をつけたり、眼帯をさせようとするけど嫌がってすぐにとってしまいます。
    そんなワイルドな魅力全開のタンゲくんの虜になった少女。
    果たしてタンゲくんは少女の願いどおり、家族の一員になれるのか否か?
    という猫好きにはたまらない
    あったまるこな絵本です。

    トカゲやバッタなど気味の悪い虫を穫ってきては少女をビックリさせるタンゲくんだけど、
    僕の愛猫だった生前のヤミクロと同じく、掃除機には弱く部屋の隅っこにすぐ隠れてしまいます(笑)
    しかし、なんで猫ってあんなに掃除機嫌いなんやろ。
    ヤミクロも掃除中はじぃ~っと息を潜めて隠れてるくせに、
    動いてない掃除機を発見すると
    そぉ~っと近づいて
    「これでもか!」っていうくらい
    猫パンチの連打を浴びせてました(笑)
    (アレ絶対、手痛いハズ…)

    とにかくこの絵本は
    ダイナミックかつ
    ちょーワイルドなタンゲくんの絵柄が素晴らしくて
    何度も何度も開いてしまうし、
    生命力に溢れ、生き生きとしたタンゲくんを見てるだけで
    そのふわさらな体に触らせてもらってるような
    ふくふくとした、あったかい気持ちになります。

    タンゲくんを一人占めしたくなり
    「タンゲくんはわたしのネコだよね?」
    と抱きしめ尋ねる少女。
    そんな少女の想いなど「どこ吹く風」のタンゲくんは
    「カ、カ、」と変な声で鳴いて
    すっと外へ逃げちゃいます。
    外で会っても名前を呼んでも知らんぷりしたり、電柱に隠れたり、他の猫とどこかに逃げたり、
    ツレないタンゲくんの行動に
    だんだん不安になっていく少女。

    本当はどこかお金持ちのお嬢様に飼われてる猫だったりして…とか、
    (あたしより可愛い女の子だったら嫌だなぁ~)

    実は山奥で奥さんや子供たちと暮らしてるんじゃないかとか、
    (あたしの家より居心地がいいのかな?)

    猫の喧嘩の声がすると 
    もしかしてタンゲくんじゃないのかな…
    (片目だから負けてるかな?勝ってたらいいな~)

    と次から次へと妄想が止まらなくなる少女の純粋さがホント可愛いし、
    こうやって子供たちは
    猫という生き物の気まぐれさや自由さ、
    ままならないのが生き物なんだということを
    知らず知らずに学んでいくんですね。

    そんな気ままで罪つくりなタンゲくんも
    やっぱり猫。
    さんざんハラハラドキドキさせといて
    夜になるとちゃあ~んと帰ってきて少女の作ったご飯を美味しそうに食べるのです(笑)
    そしてお腹いっぱいになったタンゲくん。
    お父さん、お母さん、お姉ちゃん、みんながタンゲくんを呼ぶけど、
    タンゲくんは迷うことなく
    少女のお腹の上に猫まっしぐらして、
    幸せそうに丸まって眠ったのでした(泣)

    『お父さんがよんでも、お姉ちゃんがよんでも しらんかお。
    ちゃんとちゃんと わたしのうえにとびのって まるくなります。
    だから わたしは、タンゲくんが目をさまさないように、
    いつまでもいつまでも じっとしてるんだ。』

    誇らしそうな少女の言葉に
    なぜか涙ポロポロ…
    娘というより、孫を見るおじいちゃんの視線で(笑)
    終始読んでました(^^;)

    しかし、ツレない素振りしながらも
    なんやかんや言っても少女が好きで
    最後にはキメてくれるタンゲくん。
    男やの~!


    猫好きさん、必読ですよ~♪

    • mitsukiさん
      わざわざ、コメントまでありがとうございました!
      私は大阪生まれ大阪育ちの国語のセンセです。

      この『タンゲくん』のレビューが好きで好き...
      わざわざ、コメントまでありがとうございました!
      私は大阪生まれ大阪育ちの国語のセンセです。

      この『タンゲくん』のレビューが好きで好きで、フォローさせていただきました♪

      またよろしくお願いします!ではではーヾ(。・ω・。) 
      2015/06/20
    • 円軌道の外さん

      ミツキさん、嬉しいコメントありがとうございます!

      なんと!国語の先生でいらっしゃいますか!((((((゜ロ゜;
      そんな立派な方に...

      ミツキさん、嬉しいコメントありがとうございます!

      なんと!国語の先生でいらっしゃいますか!((((((゜ロ゜;
      そんな立派な方にこんな拙いレビュー読んでいただき、
      ホンマ恐縮です( >_<)
      穴があったら入りたいくらいの恥ずかしさです!(汗)

      しかも同じ大阪出身ということで
      無条件に嬉しいです(笑)
      (東京に来て半年過ぎましたが、周りに関西人が皆無で、吉本新喜劇も阪神タイガースの試合も殆ど放送されないので、すでにホームシック状態なのです)

      ミツキさんも、もしや猫好きですか?
      僕は野良の尻尾を追いかけて、
      コロッケ片手にいばらのトンネルを突き進むくらい猫ストーカーなので(笑)、
      猫モノレビューが多いと思いますが、
      今後ともよろしくお願いします。



      2015/06/26
  • 猫好きの私はこの絵本、大好きだけど、
    タンゲくん、ちっとも可愛くないし、絵も凄いし、
    子どもにはわかるかな??と正直思っていました。

    でも1年生に読み聞かせしたところ、
    それはそれはもう固唾をのんでと言いたいくらい、
    真剣に聞いていました。
    子どもを舐めていたな、と反省することしきりです。

    多分、子どもに聞いても好きな絵本、とは言わないかもしれない。
    でも確実に何かを伝える絵本。
    子どもたちを1つ次のステージへ引き上げる力のある絵本。
    そういう絵本を子どもには読んでいきたい。

  • タンゲくんは自由だ。そしてとても魅力的。怪我をした目も、どうどうとした態度も、想像力をかきたてられる。外であってもクールなのに、気まぐれにあまえてくるのだから、まったくずるいやつだなー。

  • 5歳1ヶ月
    ほっこりする

  • 「タンゲくんは どこへ いくんだろう」

    猫って不思議。プライドが高くて、甘え上手で、やんちゃで。でも、ほんとかわいい。(5分)#読書 #読書が好きな人と繋がりたい #タンゲくん #片山健 #福音館書店

  • 昔実家で買っていた6本指の拾い猫を思い出さざるをえなかった。それが、猫を飼った唯一の経験だけれど、読みながら、猫ってこうだな、と思った。
    猫は飼い主の心を寛大に広げてくれるようなところがある。
    犬は憐れみをそそり、自我の輪郭が折りにふれて意識される。なんだか、自身の倫理が問われているような気になる。
    タンゲくんという、お父さんがいかにも酔っぱらった拍子に何となくつけたような名前がいい。きっと、タンゲくん(くん、というのだからオスだろう)はいくつもの名前をもっているのだろう。そしてある日姿を消すんだろう。実家の飼い猫のように。その、束の間の幸福感(錯覚であれなんであれ)が、いい。

  • タンゲくん顔怖いけどかわいい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「かわいい。 」
      片山健 を舐めちゃイケナイ。怖い絵はマジ怖いですから、、、
      「かわいい。 」
      片山健 を舐めちゃイケナイ。怖い絵はマジ怖いですから、、、
      2013/02/01
  • 猫の表情!

    温度を感じる色使い

    大胆で自由で解放された絵

    「タンゲくん」が伝わってきます

  • 猫のお話なんだけど、
    なんだかモテモテな男の人とのお話を読んだような気分にも 

    読んでる間ニクイ男タンゲくんを飼っている気持ちがした、
    キュンキュン絵本

  • タンゲくん
    丹下作善私も知りません。でもこうやって知っていくんでしょね。
    猫好きにはたまりません。

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著者プロフィール

片山健 1940年、東京都生まれ。1960年代に『ゆうちゃんのみきさーしゃ』『もりのおばけ』を制作以後、10数年絵本制作から離れ、幻想的な鉛筆画を描き続ける。自身の子どもの誕生後、ふたたび絵本制作を開始する。絵本に『もりのてがみ』『おなかのすく さんぽ』『おやすみなさい コッコさん』『コッコさんのともだち』『コッコさんとあめふり』『だーれもいない だーれもいない』『むぎばたけ』『たのしいふゆごもり』『タンゲくん』『どんぐりかいぎ』など多数。赤ちゃん絵本に『いいな いいな』(すべて福音館書店)などがある。

「2022年 『ぴーぴー ばっくしまーす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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