- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834014860
感想・レビュー・書評
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「とらのゆめ」のシュールな世界観にすっかり魅了されてしまった、あのタイガー立石による、顔の美術史とでもいった趣向の絵本。
しかし彼が紹介している絵画はすべて、なぜか自分で模写している。けっこうな労力だ。しかも、それほど上手ではない(けっしてけなしているわけではない)ためにかえって個性的で、一挙にタイガー・ワールドにひっぱりこまれてしまうのだ。
面白かったところは3点。
ひとつは、フランシス・ベーコンの絵画がフィルムカメラによる「ブレ」を絵画として定着させたという指摘。なるほど、そのように考えたことはなかった。
もうひとつは、一通り有名な絵画を紹介した後で、著者自身が、いろんな「へんな顔」を描いてみせているページ。グロテスクなまでにデフォルメされていて最高だった。
そしてやっぱりいちばんインパクトがあったのは、タイガー立石自身が描いた作品である。昭和時代のあらゆる有名人を描いた、ロシア・アヴァンギャルドっぽい絵だ。こめられた熱量がちがう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
美術好きな7歳がはまった
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月刊
たくさんのふしぎ
通巻103号
顔の美術館
かおのびじゅつかん
1994年1月1日
発行所:福音館書店
1994/02/03
雑誌コード:15923-1
T1015923010622.
作者:タイガー立石 -
人に会ったとき、どんな人か判断する前にまず顔を見ますね。「顔」は人間の最大の情報発信源。逆に新聞や雑誌の記事などで、プライバシーを守る必要があるときは顔写真はのせません。初対面のみならず、よく知っている人でも私たちは「ああ、きょうは機嫌がよさそうだなとか「なにか悩んでいるみたいだ」などと「顔」からその人についての多くの情報を得ています。美術の世界でも「顔」は古来より重要なテーマになってる。この本では、ゴッホやピカソやダリなど、多くの画家がこれまでどんなふうに「顔」を描き、そこで何を表そうとしたか古今東西の有名絵画の精密な模写で解きあかします目からうろこがおちる絵画の真実、文句なく楽しめる1冊。
これを見て、さあ一つ「自画像」でも描いてみましょう著者は1941年福岡県の田川市生まれ。69年にイタリアのミラノに移り、ヨーロッパ各地で個展を開きました。82年に帰国。著作は漫画集『虎の巻』(思索社)など。「たくさんのふしぎ」には『さかさまさかさ』『はてなし世界の入口』『アナログ? デジタル? ピンポーン!』
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なんといっても表紙のアルチンボルトのインパクト大!子どもが興味を持って手にとって中をみてくれそう。
美術系の本って、なかなか紹介しにくいけれど、「顔」という切り口で、美術史を俯瞰できてなかなかハイレベルなとこまで紹介されているような…。芸術の秋にどうぞ。(i44) -
タイガー立石さんの絵が素晴らしい!小学生の子供にわかる、美術書のような絵本である。