- Amazon.co.jp ・本 (27ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834014976
感想・レビュー・書評
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こちらは、5,6歳くらいから。約8分。
【うりこひめとあまのじゃく】という紙芝居の絵と同じ、梶山俊夫さんの絵。
梶山さんにとって、絵本の挿絵を描いたのはこれが最初だったとか。
画面からはみ出そうな大迫力だけど、へなへなのアウトラインがなんともユーモラスで笑いがこぼれてくる絵である。
主役のくじらさんは、このまま「ゆるキャラ」として活躍させたいくらいだ。
昔は山にいたと言うくじら。
「だいすけ」もそうで、大きすぎて迷惑かけるからと、ほとんど動かなかった。
さて、山のお祭りのある日、「だいすけ」も見られるようにと、目の前でやぐらを組んで提灯をつけてと準備してきたのに、突然「だいすけ」が大きなくしゃみ。
そのあまりの威力に、やぐらも提灯も動物たちも、いっぺんに吹っ飛んでしまった。
どうしよう、どうしようと泣き出す「だいすけ」がしたことは・・
このくしゃみの場面が可笑しくて吹き出してしまうが、笑うのはここまで。
誰も怒っていないし、誰も責めていないのに、自分がいなければ良いのだと逃げていく姿があまりにかわいそうなのだ。
カラスの道案内で海までたどり着くと、初めて見る海に歓喜する場面も、相当に可笑しいけどね。
心配して山の動物たちも追いかけてくる。みんな、本当に優しい。
小舟が小さすぎて転覆し、とうとう「だいすけ」は海の中へ。
でも、実はちゃんと泳げたってわけ。
不可能と思っていたことでも、やってみたら出来たというのが、なかなか奥が深い。
最後で、聞いている子供たちが本当にほっとするのが分かる、素敵なお話。
読み終わったらバタンと閉じないで、表紙を左右に開いてよーく見せてやってね。
「だいすけ」のあふれ出さんばかりの全身が、しっかり描かれているので。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山に住んでいた鯨が他の動物に迷惑をかけまいとする姿勢が何だか切ないながら、最後は救われた気分になれるお話。偶然、絵の梶山俊夫氏が1ヵ月ほど前に亡くなっていた事を知り、驚く。
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むかし、くじらはほかの動物と同じように山に住んでいましが、みんなのじゃまにならないように、身をちいさくして暮らしていました。ある日、くじらは大きなくしゃみをして、みんなを吹き飛ばしてしまいます。みんな怒っているに違いないと、すっかり悲しくなったくじらは、からすの助言で海の向こうの島で暮らそうと舟をこぎだしました。でも、大波をうけてくじらは海に投げ出されてしまいます。ぶくぶくぶく…
年長さんくらいから。 6分。 -
大きなくじらが海で生活するようになるまでのお話し。
クジラ好きとしては、夢があって納得のおはなし。 -
「昔、クジラがまだ山にいたころ、クジラのだいすけは、歩くとみんなの迷惑になるので、何十年もじっとすわっていました。夏祭りになると、山の仲間の動物はだいすけに見えるようにと、その顔の前にやぐらを組みましたが、ちょうどその時、だいすけはくしゃみをして、みんな吹き飛ばしてしまいました。恥じ入ってどこかにいってしまいたくなっただいすけは、カラスに連れられて、海にいきますが……。梶山俊夫が絵を描いた最初の絵本です。」
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その昔、まだクジラが山に住んでいた頃の話。おはなしと言うのは何でも有りでいいのですが、それでも、いいものはいいですね。