ねこが見た話 (福音館創作童話シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834015478

作品紹介・あらすじ

うろうろしながら暮らしている、のらねこがのぞき見た、とてつもなく奇妙でユーモラスなお話。のらねこ自身のウィットに富んだ独特な語り口で物語は進んでいきます。第一話「キノコと三人家族のまき」第二話「もちもたれつの館のまき」第三話「おかあさんのいすのまき」第四話「天国か地獄か? のまき」と、ユーモラスに話は進展します。テンポのいい文体、思いもかけない展開に、“おもしろい”と手を打つことうけあいです。

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り、猫の“オイラ”の目線で語られる4つのお話。

    「キノコと三人家族のまき」
    “オイラ”が覗き見るのは、小さな空き家に引っ越してきた三人家族。
    少しブキミな大家のおばあさんと、ふしぎな床下のキノコ。
    三人家族の顛末は――?
    “オイラ”が言うように、ぎょっとするけどいい話ともいえる、かも?!

    「もちつもたれつの館のまき」
    “オイラ”が覗き見るのは、町はずれに建ったデーンとした館。
    一週間毎日違う部屋で寝るゼイタクな主のひそかな心配事と、
    その裏で行われている彼の知らない愉快なできごと。
    “オイラ”いわく、
    ああ、これぞまことに、もちつもたれつの館でありますにゃあ~。

    「おかあさんのいすのまき」
    “オイラ”が覗き見るのは、町なかのよくあるアパートの一室。
    おかあさんと二人のこどもに起こるなんともふしぎなあれこれ。
    魔法のいすと、三人それぞれのお願いごと。
    おかあさんのお願いごと「わ、わ、わたしは、世界一・・・」には
    くすりとしながらも、大きく共感してしまう(笑)

    「天国か地獄か?のまき」
    のらねこだった“オイラ”自身に起こるふしぎ。
    ふしぎを一緒に経験したイシばあさんとは、よいコンビになる。
    かいねこになった“オイラ”がイシばあさんのピアノに聴き入る表情が幸せそう!
    イシばあさんのお顔もとても満足そう!

    ふたり(一人と一匹)のこれからを想像しながら、にっこりページを閉じた。

    ヤボなほど書いておいてなんですが、
    このくらいの年齢向けの児童書は理屈ぬきで楽しむのがいいと思います。
    まず読んで、「楽しい!」「おもしろい!!」というのが一番だと思います。


    ブクログ仲間さんに「きっと気に入ると思いますよ」とおススメいただき、読みました。
    ユーモアがある楽しいお話でまさに好みにぴったり♪
    おススメどうもありがとうございました♪

    • nejidonさん
      九月猫さん、こんにちは♪
      こんなに早くお読みいただいて、ありがとうございます!
      レビューもささっと書かれたのですね、さすがです!

      ミステリ...
      九月猫さん、こんにちは♪
      こんなに早くお読みいただいて、ありがとうございます!
      レビューもささっと書かれたのですね、さすがです!

      ミステリーのようでも、やっぱりそこはかとなく可笑しくて笑ってしまう。
      で、どんどん読んでしまう。
      たかどのほうこさんが、これでますます好きになってしまいました。
      家猫になったオイラのその後の話も、ちょっと読んでみたいですよね。

      夏の間に読もうと思っていた本がどんどん増えてしまい、秋になっても冬になっても読み終えそうにありません(笑)
      そしてたぶん、その間に更に増えることでしょう。
      いいぞいいぞ、楽しみがいっぱいだ、と思うことにしておきます。
      2013/07/16
    • 九月猫さん
      nejidonさん、こんばんは♪

      いえいえ、それが「ささっ」とではないのですよ(^-^;)
      読みはじめすぐから“オイラ”の少しシニカ...
      nejidonさん、こんばんは♪

      いえいえ、それが「ささっ」とではないのですよ(^-^;)
      読みはじめすぐから“オイラ”の少しシニカルな目線と口調にやられっぱなしで
      楽しくて楽しくて!!
      ――わたしの拙い文章でこの楽しさは伝えられないわΣ( ̄□ ̄!)
      ――いっそ「楽しい!」「おもしろい!」「読んで!」とだけ書く?
      なんて、悩んでしまって・・・2日寝かせました(笑)
      理屈ぬきで楽しいお話のおもしろさを文章で伝えるのは難しいなぁ(^-^;)

      どのお話の楽しさも伝わってくるnejidonさんのレビューに改めて拍手!!です♪
      そしてそして、その後のオイラのお話、読んでみたいにわたしも一票♪

      >いいぞいいぞ、楽しみがいっぱいだ
      わあ、なんてステキな考え方(*´∇`*)
      わたしもそう思うことにして・・・リストをさらに長くします(笑)
      2013/07/17
  •  おもしろっ。四つの短編、それぞれみんないい話ではあるんだけど、おもしろっ。
     特に第三話「おかあさんのいす」のおかあさんが最高だった。第四話「天国か地獄か?」のとある手ちがいのからくりも笑った。
     第一話からだんだんとおもしろ度が上がっていったように感じる。まるで話し手のテンションが徐々にあがっていくかのように。逆に読んでいるこちらが話のノリになじんできたのかもしれない。がくっと力の抜けるおもしろさ。こういうの好き。

  • 初版が1998年なので、私はすでに立派な(?)大人である。
    瓜南直子さんの挿絵があまりに昭和チックなので、もっと古いものかと思ってしまった。
    ああ、小学生の頃の夏休みに、この本を読みたかったなぁ。
    ファンタジーとミステリーとユーモアの、ちょうど境目あたりをゆらゆらしているこの作品は4つの短編からなり、猫の語りで終始する。

    「オイラはのらねこ。ずいぶんまえからここらにすみついている。うろうろしながらくらしていると、いろんなものを見るぜ。」で1話目が始まり、「オイラはのらねこ。いや、のらねこだった、というのがただしい。オイラはかいねこになったのだ。」で4話目が終わる。
    表紙の画像を見ると分かるように、ちょっぴりクセモノの猫ちゃんである。
    でも、悪さは特にしない。優秀なリポーターではあるけれどね。

    たかどのほうこさんと言うと、内容のあるずっしりしたものを想像するけれど、これは一貫して猫の江戸弁(笑)で語られるのでさらっと読めてしまう。
    2話目の「もちつもたれつの館のまき」が特に面白く、持ちつ持たれつってそういうことだったのかと、妙に納得して、そしてとてもほっとした。
    困った人も登場するが、読み手を裏切らない安心感が底辺にあるので、時々くすっと笑いながら最後まで一気に読めてしまう。

    続編が欲しい。これだったら、猫の語りで次々にお話しが出来そうに思う。
    北海道にお住まいのたかどのさんに、お願いのお手紙を書こうかな。
    いや、うちの猫たちに書いてもらおうかな。
    ちょっと頼んでみよう、にゃんにゃん。

    • 九月猫さん
      nejidonさん、こんばんは♪

      そして、nejidonさんちのにゃんちゃん、こんばんにゃあ~♪
      くがちゅにぇこしゃんですよぉお~(...
      nejidonさん、こんばんは♪

      そして、nejidonさんちのにゃんちゃん、こんばんにゃあ~♪
      くがちゅにぇこしゃんですよぉお~(*´∀`)ノ

      nejidonさんってば、もう、ワタシを萌え倒れさせる気ですか(笑)
      (※萌え倒れ=わたしの造語。
        軽々に「死ぬ」というコトバを使いたくないため、
        「倒れ」に置き換えてます(^^;) 類語に「キュン倒れ」も。)

      小川さん本!「あと少し、あと少しでございます!」
      ワタシも一緒に叫んでみました(笑)
      こちらは「時計坂の家」が見つかりませんーっ。
      近くの本屋になくて、近くの古本屋にもなくて、
      一番近くの図書館にもありませんでしたo(;△;)o
      現在、本のネット買いを「新刊・古本・オークション」全てにおいて
      自らに禁じているのですが、こういうとき田舎は困りますね(涙)
      もう少し探して、見つかりそうにないときは、図書館で取り寄せて
      もらいます(市内の他館にはあるようなので)。
      夏の間に読めるといいなぁ。
      2013/07/25
    • nejidonさん
      九月猫さん、こんにちは♪
      もうコメント&レスは終了!って油断してました(笑)?
      我が家では今「くがちゅねこしゃん」と「とけいじゃかのYEAH...
      九月猫さん、こんにちは♪
      もうコメント&レスは終了!って油断してました(笑)?
      我が家では今「くがちゅねこしゃん」と「とけいじゃかのYEAH」が一大ブームのフレーズです。
      「YEAH」のところで、やたらとハイタッチに来ます。
      しかし書店はともかくとして図書館にないとは。
      そんなに古い本でもないはずなんですけどね。。
      ネット買いをされないってことは、もしや本が増えすぎてしまったとか?

      そうそう、リクエストすれば他図書館からの借り入れが出来るのですよね。
      そこに望みをかけましょうか。
      来週にはお手元に届くかと思いますよ。
      まさかそんなご苦労をされるとは予想もしてなかったので、かえってすみませんでした。
      2013/07/26
    • 九月猫さん
      nejidonさん、こんばんは♪

      「とけいじゃかのYEAH」!!
      めっさツボにはまって、笑っちゃったあと・・・
      「YEAH!!」っ...
      nejidonさん、こんばんは♪

      「とけいじゃかのYEAH」!!
      めっさツボにはまって、笑っちゃったあと・・・
      「YEAH!!」って叫んじゃいましたよ(笑)
      もちろんハイテンションで☆
      サザンの「海のYeah!!」ってアルバムが好きだったことまで
      思い出しました(*´∀`)ノ

      いえいえ、謝らないでくださいませ~!
      「時計坂の家」ずっとタイトルが気になっていたので、
      nejidonさんにおススメいただいたのは運命ねっ!と思っています(* ̄∇ ̄*)
      一番近くの図書館にはなかったのですが、市内の図書館には大量にあったので
      一冊持ってきてもらいます♪

      と、思っていたのに、読者モニターが1件入ってしまい、
      そちらを先に読まねばならず・・・「時計坂の家」はもうしばらく
      おあずけですー(T_T)

      >ネット買い禁止
      はい、お察しのとおり、増えすぎました(^-^;)
      ネットの気軽さと質量を実感しない本はキケンですねー。
      一日平均1.5冊ずつ増えるのに、読むのは購入分の一割程度というのが
      数年続き、さすがにマズイぞと、自ら禁止にしました。
      今年は、ブクログハイのおかげでわたしにしてはハイスペースで
      読めていますが、それでもまだ買うほうが多いので・・・まだしばらく
      ネット買い解禁はできないのです(´・ω・`)しょんぼり。
      2013/07/28
  • 第二章がおもしろかったです

  • 「オイラはのらねこ。オイラのみた、ぎょっとする話です。でも、そう悪い話ではないよ。」

    第一話「キノコと三人家族のまき」
    第二話「もちもたれつの館のまき」
    第三話「おかあさんのいすのまき」
    第四話「天国か地獄か? のまき」

  • 1話目がめちゃくちゃ不気味で、次からの話もいまいちだったんで、最後まで読むのやめようかな、とも思ったけど、最後の話はよかった。

  • おばあさんがねこにみそしるをかけたところがおもしろかったです。
    6才娘より。

    そんなところあったっけ?
    子供の記憶力、恐るべし!

  • どこかヘンテコでユーモアがあるお話たち。ネコがみたお話だからこんな不思議なこともあるかもね。

  • こういうお話を書かせたら、なかどのさんは天下一品!お腹のそこが、あたたまりました。

  • 説教臭くもなく、お勉強要素もなく、単純に小学生の目線で心から楽しめるお話だと思います。
    ユーモアの部類に入るんでしょうが、根底には子供への優しさが感じられます。

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著者プロフィール

函館市に生まれる。『へんてこもりにいこうよ』(偕成社)『いたずらおばあさん』(フレーベル館)で路傍の石幼少年文学賞、『十一月の扉』(受賞当時リブリオ出版)で産経児童出版文化賞、『わたしたちの帽子』(フレーベル館)で赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞を受賞。長編物語に『ココの詩』『時計坂の家』『緑の模様画』(以上福音館書店)、『リリコは眠れない』(あかね書房)など。近刊に『トムと3時の小人』(ポプラ社)『黄色い夏の日』(福音館書店)など。大人向けの小説に『ゆゆのつづき』(理論社)がある。2021年野間児童文芸賞を『わたし、パリにいったの』(のら書店)で受賞。札幌市在住。

「2022年 『のはらクラブのちいさなおつかい 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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