いいことってどんなこと (こどものとも傑作集)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 307
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834017298

作品紹介・あらすじ

早春 北の国では雪溶けがはじまり、小鳥が歌い、川が元気に流れ、リスも雪の上をとびはねます。女の子はみんなにたずねます。「どうしてそんなにうれしいの」みんなは「いいことがあるからよ」と答えるだけ。女の子は「いいことってどんなことかしら」と取り残されたような惨めな気持ちでいます。リスを追いかけ転んだその時、雪の下から水音が聞こえ、そこを掘ると金色の花が咲いていました!女の子も「いいこと」を見つけたのです。

感想・レビュー・書評

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  •  ぴちゃ ぴちゃ ぴてぴて ちろろろろ
     ざぷ ざぷ じょじょじょー
     しゅん しゅん ろ ろろろ
    繰り返される擬声語と、「いいことがあるからよ」という言葉のリフレイン。
    北国の早春を、小さな女の子の視線で書き上げた、詩情あふれる一冊。
    【ぽとんぽとんはなんのおと】や【はなをくんくん】とともに、この季節に読みたい名作だ。
    子ども時代を樺太で過ごしたという、作者・神沢利子さんの感性が隅々まで冴え渡っている。
    こんな風にじっと、自然の織り成す声に耳を澄ましたことがあっただろうか。
    身体全体で季節を感じることを、どれだけ忘れてきたことだろう。

    片山健さんの描く女の子は、ときに髪の毛をひるがえし、膝まで雪に埋もれ、うつぶせに倒れてしまう。
    そのときに地面の下から聞こえた歌声で、掘って掘って堀り進むと、金色に花開く福寿草に出会う。・・・わたしもいいことをみつけた!
    胸をどきどきさせながら、しゃがんで花を見つめる女の子のラストが印象的だ。
    ここまで読むと、けなげに春を待つ心さえ忘れている自分に気づいてしまう。
    屋根の雪が融けてしずくの歌になり、黄色いことり(たぶんマヒワだろう)たちの歌に誘われ、
    川の流れる音にたたずみ、風の言葉に耳を澄ます。
    子ども時代はどれも、当たり前のように感じてしてきたことだ。
    季節を感じることの少ない現代、子どもたちにぜひ読みたい本。約8分。
    あふれるオノマトペも懐かしさをかきたてる。
    子どもの頃って、自然の中の色々な音を聴いていたよね。。

    • nejidonさん
      vilureefさん、コメント&フォロー、ありがとうございます!
      またたくさんの拙レビューを気に入ってくださって、本当に嬉しいです。
      こんな...
      vilureefさん、コメント&フォロー、ありがとうございます!
      またたくさんの拙レビューを気に入ってくださって、本当に嬉しいです。
      こんな日がやってくるなんて想像も出来ず、淡々と感想を載せてきたのですが、これからは少し気をつけて書かねばなりませんね(笑)
      読んでくださる方がいらっしゃるなんて、思いもしなかったのです。

      分かりやすいレビューになっていますか?
      それはとっても嬉しいです。
      それだけを心がけていると言っても良いくらいです。
      息子さんはまだお小さいのでしょうか。
      その年齢に最適なものが、この本棚にあれば良いのですが・・

      わたしの方からもフォローさせていただきます。
      これからもどうぞよろしくお願いします。
      楽しい本のお話が、いっぱい出来ますように。
      2013/03/08
    • vilureefさん
      息子は3歳なんです。
      まだ字は読めないのでもっぱら読み聞かせです。でも子供ってすごいんですよね。
      たった数回読むだけで台詞をすっかり覚え...
      息子は3歳なんです。
      まだ字は読めないのでもっぱら読み聞かせです。でも子供ってすごいんですよね。
      たった数回読むだけで台詞をすっかり覚えていたり・・・。

      nejidonさんのレビューには対象年齢や所要時間が書かれていてありがたいです(*^_^*)

      いつも図書館の本の海から絵本を探すのが面倒で、ええい、今日もこどものともシリーズだ!って逃げてしまったりしています。
      でもこのシリーズとても好きです。
      ちいさなかがくのとももお気に入りです。
      2013/03/08
    • nejidonさん
      vilureefさん、息子さんは三歳でしたのね。
      では、幼稚園でいうと年少さんということになり、年少さんの読み聞かせにはたまに出向くことも...
      vilureefさん、息子さんは三歳でしたのね。
      では、幼稚園でいうと年少さんということになり、年少さんの読み聞かせにはたまに出向くこともあるので、
      もしやお役に立てるかもしれません。
      お話し会で読んだ本でも、すべてを紹介しているわけではなかったのです。
      これからは、なるべく載せるようにしてみますね。
      教えてくださってありがとうございます。

      かがくのとものシリーズは、はずれがないのでわたしも大好きです。
      大人としても、好奇心をそそられるものが多いです。
      こんなに本があふれてて、今の子供たちは幸せだわぁ~。
      2013/03/26
  • 小1娘の教科書で、オススメされていた絵本のうちの1冊です。

    表紙を見て「どこかで見たことある絵だな…」と思っていたら、絵本「おやすみなさいコッコさん」の描かれた片山健さんでした。
    お話は「ふらいぱんじいさん」「たまごのあかちゃん」「くまの子ウーフ」などを書かれた、神沢利子さんです。

    主人公の女の子“わたし”が、部屋の窓を開けていると、「ぴちゃ ぴちゃ ぴてぴて」と、屋根の雪が溶けてしずくになっていく音がしてきました。
    しずくは嬉しそうに、うたいながら落ちていきます。

    “わたし”はしずくに尋ねます。
    「どうしてそんなにうれしいの」
    すると、しずくさんは「いいことがあるからよ」とこたえます。

    けれど、“いいこと”が何かはわからないまま。
    そこで“わたし”は、長靴をはいて雪の野原に“いいこと”を探しに出かけます。

    “わたし”はおかっぱの女の子で、年長さん~小1・2年生くらいに見えます。
    行く先々で出会う自然と“わたし”とのやりとりは、くり返しのやりとりのようでいて、それぞれの自然の音もたしかに書かれているので、ますます「いいことってなんだろう?」という気持ちになります。

    子どもの音読にもオススメです。
    語りが“わたし”がはなしている形で書かれているので、音読しているうちにまるで自分が“わたし”とおなじように、思えてくるでしょう。

    小1娘に読み聞かせをしましたが、“わたし”のセリフは娘に読んでもらいました。
    まるで“わたし”が本当に話しているように聞こえたので、私もおもしろかったです。

    ラストページは1枚の絵ですが、「いいこと」を見つけた“わたし”を見ながら、その気持ちを思い描けるすてきなページでした。
    冬のおわりに読みたい、すてきな絵本です。

  • 春のはじめに読むのにぴったりの絵本だった。音の表現がすてきで、絵本を読んでから、雪解けの様子を見に行きたい。

  • いいことを伝えてくれる川や木の声が工夫されていて、声に出して読むならどう読むか、工夫のしどころだなーと、ちょっと楽しくなりました。小さな小さな春をみつけた女の子の喜びはとても大きくて、その感動がこちらにまでよく伝わってきます。絵と文章がよく合っています。

  • 春の音って、こんなんかなぁ・・・・。ほのぼのです。

  • 神沢利子さんが実際に故郷の樺太で体験したお話。
    子どもの頃、いちめんの雪の原へフクジュソウを採りに行き、深い雪の下にさぐりあてた金色の花を見た時の心のふるえ。それは60年たっても変わらず、鮮やかに心の中にあるそうだ。(いいことってどんなこと 折り込みふろくの言葉より)

    私の住む町には雪はめったにふらないけれど、
    子どもと散歩をしていると、自然の美しさを感じる。
    きれいな夕日も見れる。鳥もやってくる。
    こどもが見つける。そばにいる大人は普段あまり気付くことがない、美しいもの。
    大人になっても覚えているような心ふるえる体験ではないかもしれないが、子どもの幼いころの体験は大切にしたい。
    そう思う。

  • 2022.6.30 1-2

  • しぜんとおんなのこは話が出来ていいなと思った。

  • 読んであげるなら 3歳から
    1人読みするなら 小学校初級むき
    絵が独特。
    擬音語多め。
    川や風、リスや小鳥たちがそれぞれ歌っていて、1人の子どもがどうしてうれしいのと聞き、誰も教えてくれなかったけど雪の中から花を見つけ、いいこと見つけた!となる話

  • 好き嫌いは分かれるかもしれないが、私は片山健さんの絵が好き。

    タイトルで想像した内容とは全く違っていたけれど、春が近づくこの季節にピッタリな絵本。

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著者プロフィール

神沢利子 1924年、福岡に生まれる。子ども時代を北海道樺太で過ごす。文化学院文学部卒業。童話作品に『ちびっこカムのぼうけん』(理論社)『くまの子ウーフ』(ポプラ社)『銀のほのおの国』『流れのほとり』(福音館書店・日本児童文芸家協会賞)『神沢利子コレクションI~V』(あかね書房・巌谷小波文芸賞)など、絵本に『たまごのあかちゃん』『おばあさんのすぷーん』『ぽとんぽとんはなんのおと』『おっとせいおんど』『いいことってどんなこと』『えぞまつ』(以上福音館書店)など多数の作品がある。東京在住。

「2022年 『てんのくぎをうちにいった はりっこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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